世界で初めて長編映画としてCGを本格導入した伝説の映画『トロン』(1982)は、ジェームズ・キャメロン、ジョージ・ルーカス、ピーター・ジャクソン、ティム・バートン、ウォシャウスキー兄弟など名だたる映画監督に影響を与え、本作をきっかけにCGアニメーションの可能性を模索し始めたピクサー創始者ジョン・ラセターは、「『トロン』がなければ『トイ・ストーリー』は生まれなかった」と発言するなど、後に誕生するさまざまな作品に影響を与えてきた。そんな『トロン』シリーズは映画の枠を超え、ゲームとして展開されたり、フロリダのマジックキングダム・パークのアトラクションにもなったりと、今なお世界中のファンたちを魅了し続けている。
【写真】おなじみのブルーからレッドになったアトラクション「トロン・ライトサイクル・ラン」
一般的に、“ブルー”と“レッド”は相反するイメージを与えるカラーとも言われており、ブルーは「冷静」「知性」「秩序」…とクールな印象を感じさせる一方で、レッドは「活力」「情熱」と正反対のイメージにあるだけでなく、「危険」な状況の時、“警告”を示す場合に用いられることも多い。
そう考えると、最新作『トロン:アレス』の“レッド”が示すのは、我々人間が暮らす現実世界に、デジタル世界からAIが攻め入ってくることへの“警告”なのかもしれない…。ChatGPTなどAIが身近な存在になった現代だからこそ、『トロン:アレス』が描く人間VS AIの物語は、これまで以上リアルで、かつこれまで以上にスリルあふれる刺激的な作品となりそうだ。
その主人公となるのが、AIプログラムの実体化によって誕生した、AI兵士アレス。“彼”は圧倒的な力と優れた知能を備えた究極の兵士だが、AI兵士が現実世界で“生存”できるのはわずか29分間。やがて“永遠”を求めてAI兵士たちは暴走を開始し、デジタル世界が現実世界を侵食していく。
果たして“永遠”を求めたAI兵士たちは、現実世界で何をしでかすのか――。人間たちと交わることで、どんな未来が生まれるのか…?
ちなみに、本作の公開に先駆け、米フロリダのマジックキングダム・パークと中国の上海ディズニーランドのアトラクションでも、テーマカラーが一新。
映画『トロン:アレス』は、10月10日より日米同時公開。