一ノ瀬ワタルが主演する吉田恵輔監督(「吉」は「つちよし」が正式表記)の最新作『四月の余白』が、6月26日より全国公開されることが決まった。併せて、特報と場面写真が解禁となった。



【動画】理由なき暴力を繰り返す少年と、向き合い続ける大人たちに胸が締め付けられる『四月の余白』特報

 本作は、吉田監督自身が多感な時期に出会った非行少年や彼らを取り巻くコミュニティーをモデルに、人の痛みも常識も理解できない少年たちと、そんな子どもたちに本気でぶつかりながらも彼らに寄り添う大人の生々しいもがきを描く。

 特報映像は、留置場の面会室で隔離された少年・澤海斗(上阪隼人)の衝撃的なひと言から幕を開ける。「先生……人が痛くても、俺はちっとも痛くないんだけど」。バットを振りかざし、人を殴る手が止まらない海斗。

 それでもなお、「変わらない子はいないと思います」と信じて疑わないのが、元半グレで更生施設の寮長・西健吾(一ノ瀬ワタル)だ。西が運営する、非行少年たちが暮らす全寮制の更生施設〈みらいの里〉で生活を始めた海斗は、環境が変わってもなお問題を繰り返す。ついには寮生の少女(山崎七海)を河川敷の堤防から蹴り落とすという衝撃的な事件を起こし、「お前、一歩間違えたら死んでたんだぞ」と激しくぶつかる西。「急にあんなことする理由ないじゃないですか」と戸惑う海斗の中学教師・草野冬子(夏帆)に、施設職員は静かに告げる。「理由なんてなくてもやるんですよ、あの子たち」。ひとの痛みを理解できず、理由なき暴力を繰り返す少年。その一線を越えた危うさと、真正面から向き合い続ける大人たちの切実な願いが交錯する。

 荒れる子どもたちに本気でぶつかりながらも笑顔を絶やさない主人公・西を演じるのは一ノ瀬ワタル。
柔道の特待生として高校に入学し、のちに格闘家として活躍した身体能力の高さが、不良グループとのリアルなアクションで遺憾なく発揮される。

 周囲の大人たちをほんろうする中学3年生の海斗には、吉田監督が抜てきした上阪隼人。2人を引き合わせる中学教師の草野冬子を演じるのは夏帆。対話で解決する教育方針に限界を感じ、ブラックな職場環境で摩耗する教師像を繊細に体現する。

 海斗の両親役には篠原篤、占部房子。同級生の不良仲間である悠役には和田庵。「みらいの里」で心の傷を癒し、日常に戻ろうとする寮生には山﨑七海、髙田万作など将来を嘱望される若手が集結した。

 場面写真も到着。更生施設「みらいの里」の前で職員と寮生たちが集合し、カメラを正面にして肩を並べる。笑顔を浮かべる者や、なかには気だるげにたたずむ者も…。

 主演を務めた一ノ瀬ワタルは「人は更生できるのか。過去の罪は許されないのか。
この映画を観終わった後に、皆様の心に問う作品だと思います」と語った。

 中学教師・草野冬子役の夏帆は「遊び心のある吉田さんの演出に、ただただ圧倒されるばかりでした」と吉田組へ初参加の喜びと「人を指導することのむずかしさ、歯痒さ、そして罪を償うこととは?許すこと、許せないこと、答えのない問いに精一杯向き合いながら演じさせていただきました」と難しい役柄への思いを述べた。

 不良少年・海斗役の上阪隼人は「その年頃にしか分からない親や社会への反発心、何が彼(海斗)をあんなふうにさせてしまったのか、役と向き合う中で、僕自身も多くのことを考えさせられました」と正解のない役への向き合い方を振り返っている。

 オリジナル脚本で本作を手掛けた吉田恵輔監督は「この物語は私の実体験や、周りで起こったことをベースに書きました」「対話で何ともならない子どもを見てきた自分としては、現在の教育で狂気に走る子ども達を、どうやって導いたらいいのか疑問を持っています」と語っている。

 映画『四月の余白』は、6月26日より全国公開。

※コメント全文は以下の通り。

<コメント全文>

■主演:一ノ瀬ワタル (西健吾役)

西健吾という過去に悪かった男が、現在では子ども達の更生施設を運営している所から物語がはじまります。
四月の余白のスタッフに小学校の先生をやられていた方がいて、その方は一旦教師を辞めて社会を学ぶ為にいろんな仕事をして経験を積んでると仰っていました。
確かに学校で学ぶ事って勉強だけじゃないし、西健吾みたいな人生を歩んできたからこそ子ども達に教えれる事ってあるんじゃないかなって思いました。
子ども達の為に体罰は必要なのか、何が子ども達にとっての幸せなのか。
人は更生できるのか。過去の罪は許されないのか。

この映画を観終わった後に、皆様の心に問う作品だと思います。
「四月の余白」ぜひ劇場でご覧ください。

■夏帆 (草野冬子役)

初めての吉田組は、毎日とんでもないスピードでぐんぐん進んでいき、的確で無駄がないのに、遊び心のある吉田さんの演出に、ただただ圧倒されるばかりでした。
わたしは冬子という教師を演じています。人を指導することのむずかしさ、歯痒さ、そして罪を償うこととは?
許すこと、許せないこと、答えのない問いに精一杯向き合いながら演じさせていただきました。
一ノ瀬さん、そして上阪くんをはじめ、生徒役のみなさんと対峙した時間が、今もまだ強く記憶に残っています。ぜひ、劇場に足を運んでいただけたらうれしいです。

■上阪隼人 (澤海斗役)

作品への出演が決まったときは、大きな喜びと同時に身の引き締まる思いがありました。
常識にとらわれず、ユーモアと深い洞察をあわせ持つ吉田監督の現場は、常に和やかで笑いに満ちており、理解が難しい場面についても丁寧に向き合ってくださったことで、ある意味で「素の自分」で役を演じる事ができたと感じています。
その年頃にしか分からない親や社会への反発心、
何が彼(海斗)をあんなふうにさせてしまったのか、役と向き合う中で、僕自身も多くのことを考えさせられました。
この作品は自分自身の人生を大きく変える一本になると思います。初めての経験も多く、何が本当の正解かはまだ分かりませんが、この作品に僕は全力を注ぎました。

人生の中で吉田監督の作品に携わり、海斗として生きた時間は、僕にとって一生の宝物です。

■吉田恵輔 (監督・脚本)

この物語は私の実体験や、周りで起こったことをベースに書きました。
子どもの頃に育った地域は治安が悪く、不良からヤクザになる人が沢山いました。
私も誰かを傷つけたり、暴力を振るう事に罪悪感など考える事がなく、それが当たり前と思っている環境でした。
その環境でも仲間や、理解のある大人との出会いで少しずつ、まともになっていった気がします。
しかし、その成長過程で、飛び抜けて狂気に走る子どもが何人かいました。
皆が痛みの限度を知る中で、全く共感性などの理解がなく、仲間の中でも孤立していき、嘘をつき、弱い人間を徹底的に痛めつけ全てを奪う。
そういう子どもは、喧嘩が弱く、強いリーダーの陰に隠れて悪さをするタイプが多かった気がします。

当時の学校教育は、教師が生徒を叩いたり、力でねじ伏せていました。
そこで、ゲンコツの痛みを知って大人の階段を登る時代でした。
しかし、現在の教育では教師が生徒に手を挙げる事ことは、当然ダメで強く叱ることも、場合によってはクレームがくる状況です。
対話で理解させる。
これが今の教育。
対話で何ともならない子どもを見てきた自分としては、現在の教育で狂気に走る子ども達を、どうやって導いたらいいのか疑問を持っています。
勿論、子どもに手を上げることは推奨していません。
だとしたら、同じ目線で徹底的に向き合うしか道はないと思いますが、日本の教師は、あまりに時間がありません。
授業を終えても、課外を作り、テスト採点をして、部活の顧問もやらなくてはいけない。
給料だって高くなく、負担だけが多い職業となっています。
この映画が、教師の環境問題、理解を超えた子どもとの向き合い方を見つめ直すきっかけになれば幸いです。

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