ダンス大会での暗殺計画のため、年齢も性格もバラバラの殺し屋たちがダンスチームを結成する――そんな前代未聞の設定で描かれる映画『スペシャルズ』で、Snow Manの佐久間大介が初の映画単独主演を務める。原案・脚本を手がけたのは、これが3度目のタッグとなる内田英治監督だ。
【写真】指先まで美しい 佐久間大介、撮り下ろしフォト(3点)
■内田監督との出会いが開いた、映像演技の扉
『マッチング』(2024)や『ナイトフラワー』(2025)など、シリアスでアクの強い作品を手がけてきた内田英治監督が、コミカルな作風に挑んだ本作。主人公のダイヤ役には、前述の2作でコラボしてきたSnow Manの佐久間大介を単独主演として抜てき。ダンスはもちろん、キレ味鋭いアクションで、児童養護施設で働く伝説の元殺し屋・ダイヤに息を吹き込んだ。
内田監督からの3度目の指名に「ありがたいですよね。監督が僕に可能性を感じてくれているのがすごくうれしい」とほほ笑む佐久間。出会いとなった『マッチング』では、「この役、僕に来るんだってびっくりした。面白いなって」と監督の感性に惹かれたという。当時から“ダンスの映画を作りたい”という話を聞いており、「踊れるし、出られたらいいな」と思っていたものの、「まさかの主演! 何か役に立てるならぜひ」という思いで本作を引き受けた。
佐久間は「映像演技の楽しさを教えてくれたのは内田監督」と公言する。特に印象に残っているのが、内田監督の「映画って嘘つけないんだよ」という言葉だ。
初参加となった『マッチング』では、ドラマや舞台とは異なる映画ならではのリアルに戸惑いもあったという。「こんなに声が小さくて大丈夫なのかってくらい、僕も(主演の)土屋太鳳ちゃんもほぼ聞き取れないくらいの声で話していて(笑)。監督がOKと言うので信じるしかなかったんですけど、完成した映像を観たらしっかり伝わっていた。それで、もっと映画に出たいと思うようになりました」。
映画への興味が一気に膨らんだ佐久間は、「もっと演技がうまくなりたい」と内田監督に相談し、ワークショップを開いてもらったとこともある。そこで学んだのは、演技の起源や種類、“自分が経験した感情を引き出しにする”という考え方だった。「キャラクターと、自分の気持ちのフォーカスを置き換えることを意識するようになりました」と明かす。
『マッチング』でのストーカー役、そして本作での寡黙な殺し屋・ダイヤ役と、いずれもパブリックイメージとは異なる役柄だが、「自分と遠い役の方がやりやすい」と話す。「人間って、自分自身のことが一番わからないじゃないですか。だから客観視できたり、考えて膨らませられる方がより楽しいんです。
本作では、新たな挑戦としてガンアクションにも挑んだ。「舞台をやっていたのでアクションには自信があったんですが、ガンアクションは初めて。本物の銃を撃ったことがないのに、どうリアリティを出そうかと…。伝説の殺し屋なので、動きに説得力が必要でした。自宅ではサバゲーとかで使うモデルガンをずっと持ち歩いたりして、握り方、構えのスピード、銃口の向きを意識しましたね」。
さらに二丁拳銃アクションも華麗に披露する。「すごく楽しかったです! 銃のアクション専門の方に褒めていただきました。お墨付きをいただけたので、自信を持って銃撃戦もかっこいいと言えます!」と笑顔を見せた。
■佐久間大介流ダンスの流儀「自分が一番うまいと思って踊っています」
Snow Manの佐久間大介といえば、ダンスを思い浮かべる人も多いはず。しなやかさと鋭さを併せ持ち、小柄な体格からは想像できないほど舞台上で強い存在感を放つ。その表現力は、多くの人を魅了してきた。
あるトラウマから踊りを封印した過去を持つダイヤ。しかし、踊ることの楽しさを思い出してからは、水を得た魚のように舞台上で活き活きとしたダンスを披露する。「ダンスが好き」という思いは佐久間自身の心とも共鳴し、その熱は役を超えてスクリーンからあふれ出す。
佐久間がダンスにのめり込んだきっかけは、小学生の頃だ。「小学2年生からダンスを習い始めたんですが、3年生の時に足を骨折して踊れなくなったことがあったんです。当時は習い事が面倒で、辞めたくなっていた時期でした。ちょうどその頃に発表会があって見学に行ったら、それがめちゃくちゃ楽しそうで。初めて自分から『これ出たい』と言ったらしいんです。それがすごい印象に残ってると親に言われました。自分の中でも転機だったんじゃないかなと思います」。
もともと踊ることは好きで、上手だったという。そこに“ステージで踊りたい”という強い思いが加わり、同じ学年の生徒がほとんどいない上級クラスに入るなど、めきめきと実力を伸ばした。「ダンスがより好きになってやりたい意欲も出て、うまくなったと思います」と振り返る。
今回のダンスシーンでは、ジュニア時代に磨いたアクロバットも披露。披露する技は自ら提案したという。「最近アクロバットをやる機会も少なくなっているので、せっかくなら自分の得意なものを入れようと、スワンという足を縦に開くバク中をやりました」。
空中で描く美しい曲線と、“無重力”とも称される、一瞬動きが止まるような佐久間ならではの優雅なアクロバットが印象的だ。「バク中のコツですか? なんでしょうね。昔からスワンは得意で。ふわっと感があるというか、多分自分のやり方なんでしょうね」とほほえんだ。
「好き」から出発したダンスは、今や仕事となった。改めて自身にとってダンスはどのような存在なのか――そう問いかけると、「ダンスって、好きじゃないとうまくならないんです」と前置きし、真っすぐな目でこう言い切った。
「僕、自分のダンスがすごい好きなんです。基本、自分が一番うまいと思って踊っています」。
1ミリの迷いもない言葉は、自信というよりも、揺るがない前提のように響く。清々しい自己肯定とその裏にあるプロとしての自覚。それは才能だけではなく、積み重ねてきた努力と経験によって磨かれてきたものなのだろう。
そんな佐久間が苦手なジャンルと向き合ったエピソードも興味深い。
「昔、ジュニアの頃にタップダンスをやる機会があったんです。ほとんどのダンスをやったことがあるんですけど、タップダンスだけは初めてで、唯一選抜に残れませんでした。あれは悔しかったですね」と語る一方、「自分にも苦手なものがあるんだなと思って納得しました」とあっけらかんと笑う。
「もちろんまた機会があれば、一生懸命練習します。でも、自分はあれが得意だしいいかって思って」と無理に執着しない姿勢も見せた。“できない自分”を過度に責めることなく、自分の強みに自然と目を向ける。
■座長として大切にしたのは「調和」
ダンスチームを結成する、椎名桔平、中本悠太(NCT)、青柳翔、小沢仁志という個性豊かな4人と共演した印象について「桔平さんは最初ほんとに怖かったです(笑)」と振り返る。
「最初の顔合わせがダンスレッスンだったんですけど、独特の空気感でいらっしゃって。どうやって仲良くなろうか考えていたら、“小沢の兄貴”がすごく気さくに接してくださって。『踊れねえよ』とか言ってくれるんです。ムードメーカーになって、桔平さんをいじったりもして。おかげで僕も自然にやり取りできるようになりました」。
最初は緊張していた椎名とも、すっかり打ち解けた様子だ。「桔平さんに『撮りましょうよ~』ってダンス練習の動画撮影に誘うと、最初は『やだよー』って言うんですけど、無理やり手を引っ張っていくとめちゃくちゃノリノリでやってくれました。実はかわいい一面がたくさんある方でした。小沢の兄貴のおかげです」と感謝した。
普段Snow Manとして活動する佐久間にとって、“チームでひとつになる感覚”は身近なものだ。本作の“スペシャルズ”についても「何かに向けて練習して取り組むことで、一体感が生まれていきました」と振り返る。「作品の中でもそうですが、最初にダンスの練習から入れたことが大きかったと思います。芝居のシーンを重ねつつ、ダンスでは事前に集まって確認し合ったり。その時間が自然と増えていって、仲間意識につながった。“スペシャルズ”というチームの説得力にもつながったと思います」。
では、座長として意識したことは何だったのか。
「僕の中の座長のイメージは、土屋太鳳ちゃん。『令和のジャンヌダルク』と呼ばせてもらってるくらい、みんなを引っ張っていくタイプ。でも、自分は違うなと、参考にするのはやめました(笑)。考えたときに出てきたのが、“調和”。Snow Manの中でも、僕は調和を一番大事にしています。みんなで楽しむことが一番重要。座長だけど、みんなが主役でいられる現場にしたかった」。
調和を生むために、積極的に行ったのが差し入れだ。「差し入れめちゃくちゃしました(笑)。よくSnow ManのMVでお願いしているおいしいケータリングを2軒ぐらい入れたり、別日にアイスやコーヒーを入れたり。プロの方々が集まって仕事をしてくださっているので、少しでもお返ししたいと思って」と語る言葉に、なんとも彼らしい気遣いがのぞいた。
“自分が一番うまいと思って踊る”と言い切れるほどの強い自己肯定と、現場では「和」を何よりも大切にする姿勢。一見対照的に思えるその両面を、どちらも自然体で持ち合わせているところが、佐久間大介という人の面白さ。その在り方がチームを支える力になっていることは間違いない。これから彼がどんな場所で、どんな表情を見せてくれるのか――その歩みを追いかける楽しみは、ますます大きくなっていきそうだ。(取材・文:川辺想子 写真:山田健史)
映画『スペシャルズ』は、3月6日より公開。
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