世界中を感動と興奮で包み込み、日本でも累計興行収入35億円突破の大ヒットを記録した映画『ウィキッド ふたりの魔女』の続きを描く『ウィキッド 永遠の約束』が公開を迎えた。シズ大学で出会い、正反対の性格ながらも固い友情を築いたエルファバ(シンシア・エリヴォ)とグリンダ(アリアナ・グランデ)。
【写真】エルファバ色の衣装が似合う 高畑充希の撮り下ろしショットほか
■「フォー・グッド」は清水美依紗と二人で収録
昨年2月に開催された『ウィキッド ふたりの魔女』のジャパンプレミアでは、エルファバ役のシンシア・エリヴォと、グリンダ役のアリアナ・グランデ、ジョン・M・チュウ監督が緊急来日し、着物姿の高畑と清水とともにジャパンプレミアイベントに登壇した。
もともとシンシアの大ファンだったと声優発表時に明かしていた高畑。実際に対面できたことは、『永遠の約束』の役作りに良い影響を与えたそうで、「ずっと手をつないでいたくらいシンシアとアリアナの仲が本当に良くて、ソウルメイトのような雰囲気がありました。物語の中だけでなく、本当に二人の間に友情が存在しているのを感じ、わたしも美依紗もすごく良い影響を受けました。監督もすごく温かい方でした」と懐かしそうに振り返る。
周囲から偏見や不当な先入観を受けていた大学生が、魔女として覚醒するまでを描いた『ふたりの魔女』から続く『永遠の約束』は、“悪い魔女”として悪名を着せられ民衆の敵となったエルファバが、オズの森に身を潜めながら自由のために闘い、“偉大なるオズの魔法使い”を暴こうとする姿を描く。
劇団四季やブロードウェイでも『ウィキッド』を鑑賞するほど作品愛の強い高畑だが、『永遠の約束』からは映画版ならではの魅力も感じたとのこと。
「舞台では、キャッチーな音楽が集中している第一幕のインパクトが大きくて、意外とストーリーを理解しきれていなかった部分が多かったなと気付かされました。映画だと至近距離で物語を追えるので、エルファバやグリンダの表情を間近に感じたり、『オズの魔法使い』とのつながりを再確認できたりと、より胸を打たれました。最後には友情に泣かされ…それから『ウィキッド』は本当に名曲が多いなと改めて感じさせられました」
高畑が言うように、「ポピュラー」「ディファイング・グラヴィティ」といったおなじみの楽曲が登場した前作に続いて、『永遠の約束』でもドラマチックな楽曲が映画を彩る。本作の原題『ウィキッド:フォー・グッド』にも入っている「フォー・グッド」ほか、エルファバのソロ楽曲「ノー・グッド・ディード」、そしてスティーヴン・シュワルツが本作のために書き下ろした、エルファバとグリンダのそれぞれの新曲「ノー・プレイス・ライク・ホーム」「ザ・ガール・イン・ザ・バブル」など、公開前から楽曲にも熱視線が集まる。
エルファバとグリンダにとって重要な楽曲「フォー・グッド」のレコーディングは、高畑と清水が二人そろって行われたそう。
「基本的に歌は個別で収録したのですが、『フォー・グッド』だけは美依紗と一緒に録りたいと思い、今回それがかないました。お互いスケジュールがなかなか合わなくて、1時間くらいしか収録する時間がなかったのですが、一緒に歌ってみると、一人で歌う時との感情の出方の違いを実感しました。映像で見ていた美依紗のグリンダの声が、実際に目の前で聞こえるとうれしいんですよね。ハモれたこともうれしくて、すごく気持ちのいい収録でした」
さらに驚いたことに、エルファバのソロ楽曲「ノー・グッド・ディード」は、試行錯誤の連続で、その場で訳詞を変更しながらレコーディングが行われていたという。
■芸能生活20年超の今、目指すものとは?
「激しい楽曲で、音楽監督や、日本語吹替版の音楽プロデューサーの蔦谷(好位置)さんらと一緒に相談しながら、酸欠になるんじゃないかと思うくらいの高いエネルギー値で収録しました。しゃべりながら歌う曲なのですが、実際に歌ってみると、歌としゃべりのバランスが本当に難しくて、『歌詞が分かりづらいと音に乗りづらい』『ハキハキしゃべりすぎると音楽が潰れる』といった問題点が見えてくるんです」
「なので、その場で訳詞家さんに連絡させていただき、『3文字でほかの訳はありますか?』といったリクエストをしながら、さまざまな歌詞の候補を出していただき、その中から、1番ハマりがいいものを探るという作業をしました。英語を日本語にするって本当に大変で、これまでも聞きやすくかつリップシンクがハマる歌詞を作っていただいていたのですが、特に『ノー・グッド・ディード』は選択肢が多すぎて、チーム戦と言いますか、みんなで協力しながら苦労を分かち合った楽曲でした」
加えて、映画のために書き下ろされた、エルファバの新曲「ノー・プレイス・ライク・ホーム」について聞くと、「新曲という感じがしなかった」と高畑。
アメリカなどでは昨年11月に公開され、すでに世界興行収入が5億2600ドル(約824億円/1ドル156円計算)を突破している本作。日本公開を首を長くして待っていた人もたくさんいると思うが、高畑が勧めてくれたのは、本作鑑賞前の『オズの魔法使い』の復習。「『オズの魔法使い』って日本でいう『桃太郎』くらい海外の方にとってなじみ深い作品で、日本の方ももちろん知っていると思うのですが、意外と『どんな話だったか』を問われるとざっくりとしか覚えていないこともある気がするんです。なので『永遠の約束』を見る前に、『オズの魔法使い』に触れておくと、より楽しめるかもしれません」。
映画、ドラマ、ミュージカルと多彩な活動を行う高畑は、昨年、芸能活動20周年を迎えた。2025年は、“憧れの人”シンシア・エリヴォと対面し、その年の顔とも言えるヒット作『国宝』『秒速5センチメートル』では確かな芝居で作品を支え、4年ぶりの再演となったミュージカル『ウェイトレス』にも出演するという怒涛(どとう)の1年に。さらに今年は、ヒロインを務めた連続テレビ小説『とと姉ちゃん』(2016)から10年という節目の年を迎え、さらにパワーアップした高畑の活躍に期待がかかる。
そんな芸能生活を振り返って、「ディファイング・グラヴィティ」にちなみ、“重力に逆らった瞬間”を聞いてみたところ、高畑は「重力に乗っかるようなタイプだったかもしれない」と自身を分析する。
「わたしは計画性がないタイプなので、重力に逆らうというよりかは“重力に乗っかる”ように、いただいたお仕事に乗っかって、気が付いたら20年経っていたという芸能生活だったような気がします。10代の頃は、本当にミュージカルが好きで、ずっとミュージカル女優として活躍したいと思っていたのですが、ひょんなことから映像の世界に飛び込んで…。
20代の頃よりかは、余白を持って仕事に臨んでいるという高畑だが、やはり端から見ると、その活躍は留まるところを知らない。ところが高畑自身は「『働いているね』って言われるんですけど、10年前と比べると稼働は半分くらいになっているんです。本当に休んでいるんです(笑)」と無理のない働き方ができていると明かす。
しかし意外にも、映画、ドラマ、ミュージカル、吹き替えと芝居の枠にとらわれず、どんな役どころでも圧倒的な存在感を残すその裏で、自身の芝居に課題もあると吐露。
「エルファバのように物語を引っ張っていくキャラクターを演じる際は、気持ちも追いやすいのですが、少しだけ出演するような役柄は、未だに難しく感じます。『もう少しこうしたらよかった』といつも反省しますし、出ずっぱりでずっと動いている役柄が多い舞台の方が気持ち的に楽と言えるかもしれません。作品が心を引っ張ってくれるんです。なので、ピンポイントで出演するような役柄はまだまだ課題を感じます」
そんな高畑に今後について聞くと、「どうなりたいんだろう」と少し悩みながらも、「ステキな役に出会いたい」と前向きな姿勢を見せる。
「『面白い作品に携わりたい』とは常に思っていて、最近はクリエイターや監督で同世代や年下の方が増えてきたので、自分自身もそんな世代になったのだと実感する日々です。日本の面白い作品を世界へ提示していく近年のムーブメントは、すごくステキだなと思っているので、そういった企画に関わっていられたらいいなとずっと思っています。『誘ったら来そう』って思ってもらえるような雰囲気を醸し出し続けたいんですよね。
映画『ウィキッド 永遠の約束』は公開中。
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