映画『レンタル・ファミリー』が2月27日に公開された。日本に来て数年、落ちぶれた外国人俳優のフィリップはひょんなことから“レンタルファミリー”の仕事に出会う。
【写真】優しいまなざしが印象的 オスカー俳優ブレンダン・フレイザーが来日
■来日中の驚き
──『ザ・ホエール』公開時にもお話を伺いました。来日はこれで何回目ですか?
ブレンダン・フレイザー(以下、ブレンダン):もちろん覚えているよ! 多分12回くらいですかね、ワオ。最初に日本に来たのは、『ジャングル・ジョージ』(1997年)のプロモーションだったことを今でも覚えています。
──撮影の数週間前には入国されていたと伺いました。どんなふうに過ごしていたのか、教えてください。
ブレンダン:外に出て人に会ったり、音楽を聴きに行ったり、美術館に行ったりしました。日本では、一度誰かに紹介されてつながりができると、一気に道が開けるんですよね。
もちろん、僕たちはみんなスマホを持っていますが、あえて人に尋ねてみたらどうなるか知りたかった。その結果、驚いたことに僕たちは自分の世界に閉じこもっているばかりではなく、実はお互いに関わり合いたいと望んでいるのだと気づき、とてもうれしくなりました。この映画も、まさにそうした「つながり」についての作品ですから。
──今回、特に柄本明さんとの共演シーンが力強く、印象的でした。日本を代表する名優である彼との共演はいかがでしたか?
ブレンダン:彼は「日本のイアン・マッケラン」ですよ。本当に、彼は“国宝”です。知っていますか? 彼は自身の劇場を持っていて、毎朝そこでパフォーマンスをしているんですよ。それを聞きつけて、ある朝、息子と一緒に見に行ったんです。
その日、彼はおそらく1500年代の将軍が、自身が統治していた場所でその日に起きた出来事を書き記した日記を読んでいたんです。
さらに彼は私に『ゴドーを待ちながら』の台本を数ページ読ませてくれたので、息子と一緒に急遽、彼の劇場で少し演じてみたんです。もちろん英語で、ですけどね。劇場には電柱や木があって、僕は最初それにぶつかってしまいました。だけど、本物のセットのような場所があるなら「ここで『ゴドー』をやらなきゃ!」って(笑)。
そして彼が演劇に非常に献身的で、毎日情熱と驚きの気持ち、そして俳優には珍しく規律を持って取り組んでいることを知ると、心が温かくなりました。そのような姿勢を持つ俳優は本当に稀ですから。明さんの素晴らしさについては永遠に語れますが(笑)、とにかく自分の子どもと一緒に、彼とそのような体験ができて本当に光栄でした。
■二人の友情が涙を誘う
『レンタル・ファミリー』でフレイザーが演じるフィリップは、柄本演じるかつて銀幕で大活躍した俳優・喜久雄の家族に“取材記者”としてレンタルされ、彼の俳優生活を聞くことに。そこから芽生える友情が、涙を誘う。
(取材・文:アナイス/ANAIS 写真:高野広美)
映画『レンタル・ファミリー』は公開中。
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