黒川博行による“疫病神シリーズ”の同名小説を、伊藤英明と染谷将太をダブル主演に迎えて実写映画化した井筒和幸監督最新作『国境』の製作が決定し、関西で撮影開始されたことが発表。クランクイン当日の伊藤&染谷のコメントとスチール、コンセプトビジュアルが解禁された。



【動画】伊藤英明×染谷将のコメントやメイキングも公開

 映画化もされた『後妻業』をはじめ、数多くの作品を送り出す、小説家・黒川博行の大ヒット作“疫病神”シリーズ。大阪のヤクザ・桑原と、建設コンサルタント・二宮がバディを組み、アウトロー2人が悪党を相手に暴れ回るこのシリーズはすでに7作品におよび、第5作『破門』は第151回直木賞を受賞。映像化作品も多数あり、エンタメ小説の最高峰として知られている。

 そのシリーズの中でも、あまりのスケールから原作・黒川自身も映像化不可能と考えていた『国境』が今回、まさかの実写映画化。騙された金を取り返すため、桑原は二宮を連れて北朝鮮に密入国し、高飛びした詐欺師を追う。“国境破り”の先に、異国の地で待ち受けるものとは。命懸けのノワールアクションが始まる。

 監督には『パッチギ!』(2004)、『黄金を抱いて翔べ』(2012)など、様々な社会派エンターテインメント作品を作り続けている井筒和幸。前作『無頼』(2020)の撮影は2018年に行われており、本作で実に8年ぶりにメガホンをとる。

 今回の企画を立ち上げたプロデューサー・紀伊宗之が、この“国境破り”というタブーに切り込み、予測不能で痛快な物語を描けるのは井筒監督しかいないとオファーし、作品が動き出した。井筒は「任侠道を貫くアウトローと生きあぐねる30代の若者の迷コンビが、カネの亡者、カネで買えないものはないとホザく悪党どもを叩きのめす、痛快無頼の冒険物語だ」と作品の魅力を語る。

 脚本には『ヒーローショー』(2010)、『黄金を抱いて翔べ』(2012)も手がけ、井筒監督が絶大な信頼を置く吉田康弘。
強力タッグで本作を贈り出す。

 そして、大阪で任侠を貫く男・桑原保彦を演じるのは、伊藤英明。力強い役柄からシリアスな悪役まで幅広く演じ、日曜劇場『リブート』(TBS系/毎週日曜21時)での主人公を追い込む監察官・真北正親役の演技も記憶に新しい実力派だ。アウトローでありながら、悪党を叩きのめすヒーロー性を体現する桑原役には伊藤しかいない、という製作陣からの熱烈オファーにより出演する運びとなった。

 伊藤は「まだ駆け出しだった頃、監督の現場で言われた言葉があります。『兄ちゃんのセリフには血が通ってへんねん』。その一言が、俳優としての原点になりました」と井筒監督との出会いを回想。そして「言葉に血を通わせること、感情を宿らせること。その教えを胸に、今作ではさらに血を巡らせ、熱を帯びた芝居で挑みたいと思っています」と意気込みを語っている。

 桑原と腐れ縁であり、嫌々ながらもバディを組む建設コンサルタント・二宮啓之役には染谷将太。話題作への出演が絶えることがなく、数多くの演出家から愛される演技派であり、今年公開の主演映画『チルド』はベルリン国際映画祭に選出された。突進する桑原を冷ややかに見つめながらも、きちんと背中を支える二宮役は染谷だからこそ成り立つ、と満場一致でのキャスティングとなった。


 染谷は「アジアと大阪を駆ける井筒ノワール映画、世界で類を見ない痛快アクションコメディ映画確定です!必死のパッチでこの大航海を乗り切ります!」とコメントを寄せている。

 伊藤と染谷にとって『国境』は6作目の共演となるが、バディを演じるのは今回初めて。2人はクランクイン前から大阪弁の練習を重ね、見事なまでの完成度で現場に臨んだ。信頼し合い、撮影初日から抜群のコンビネーションを見せる2人が演じる、ヤバすぎる“国境破り”バディに期待が高まる。

 なお伊藤は、井筒監督作品に参加したことはあるものの、本格的なタッグは今作が初めて。染谷は初めての井筒監督作品参加となる。

 原作の黒川からも「どんなにすばらしい映画になるだろうと期待しかない」と信頼が置かれる、映画『国境』は2月28日にクランクイン。4月まで、関西で大規模ロケを敢行する。さらに、韓国人キャストの出演もあり、日韓合作として、世界への展開も見据えていく。

 また今回、コンセプトビジュアルも完成。デザインは『8番出口』、『さらば、あぶない刑事』のポスターデザインを担当した佐野研二郎が手がけ、インパクト抜群のビジュアルに仕上がった。

 映画『国境』は撮影中。


※監督、原作、主演、企画のコメント全文は以下の通り。

<コメント全文>

■井筒和幸(監督)

黒川さんの原作は、“国境”の存在理由を問うている。なぜ境が必要なのか。気に入らないものを排除する道具に使われているだけではないか。

この作品は、任侠道を貫くアウトローと生きあぐねる30代の若者の迷コンビが、カネの亡者、カネで買えないものはないとホザく悪党どもを叩きのめす、痛快無頼の冒険物語だ。二人は、強欲さが渦巻く関西大阪と、独裁者が支配する北朝鮮を股にかけて、国境線を突破して、詐欺師を追いつめ、その“悪行”を暴いていく。国境がどうしたんだ。そんな面倒なもの、この二人にはお構いなしだ!

■黒川博行(原作)

疫病神シリーズは多く映画やドラマにしてもらったが、『国境』は声がかかっても実現しなかった。理由は簡単で、小説そのもののスケールが大きく、舞台の半分が北朝鮮であり、政治的背景は別にしても、ロケに多大の困難と制作費がかかるだろうというのが、わたしの考えだった。――が、『国境』の映画化が実現した。それも名匠、井筒和幸の監督で。

主演は伊藤英明と染谷将太。
ふたりとも、わたしの好きな俳優だ。脚本を読んだが、展開がスピーディーで大阪弁がぴたりとはまっている。裏社会の符牒と言葉遣いもリアリティーがあり、これらのセリフに俳優が絡んだら、どんなにすばらしい映画になるのだろうと期待しかない。井筒さん、ありがとうございます。十数年前、東京でお会いしたとき、まさか『国境』を映像にしてくれるとは思ってもみませんでした。ほんとうに楽しみです。

■伊藤英明(主演)

この度、映画『国境』に参加させていただくことになりました。原作は黒川博行先生。社会の裏側や人間の欲望を、圧倒的なリアリズムで描き続けてこられた作家です。国と国の境界線だけでなく、人の心の奥に引かれた見えない線まで浮かび上がらせるその世界観に、これから身を投じられることを光栄に思っています。

染谷将太さんとはこれで6作目になります。気づけば随分長い付き合いになりました。
初めて会った頃はお互い少し距離を測り合っていたはずなのに、今では目が合うだけで「あ、また難しい芝居来たな」と通じ合える関係です。年齢も立場も超えて、現場で自然と呼吸が合う。その安心感と同時に、毎回きちんと裏切ってくる彼の芝居が楽しみでもあります。

そして井筒和幸監督。まだ駆け出しだった頃、監督の現場で言われた言葉があります。「兄ちゃんのセリフには血が通ってへんねん」。その一言が、俳優としての原点になりました。言葉に血を通わせること、感情を宿らせること。その教えを胸に、今作ではさらに血を巡らせ、熱を帯びた芝居で挑みたいと思っています。

“国境”とは、地図上の線だけでなく、人と人、価値観や立場の違いの中にも存在するものだと感じています。その境界線の向こう側まで届くよう、監督、キャスト、スタッフ全員で力を合わせ、魂の通った作品を創り上げていきたいと思います。

■染谷将太(主演)

この度とてつもない大冒険に参加させていただくことになりました。
企画書に「これは愛の不時着ではなく、悪の不時着です」という文言に痺れた日を忘れられません。

原作は25年前に黒川先生がこの世に産み落とした『国境』です。時代が進むにつれより色濃くなっていくこの母船に乗り込み出港いたしました。この船の舵を取るのがあの井筒監督。10代の頃から引き込まれた井筒さんの口から自分の名前が出たなんて信じ難い事実でした。そして大好きな吉田さんが書かれた脚本を開いた瞬間、痛快な世界にのめり込んで読みいってしまいました。

そしてこの大冒険で俺を引っ張っていってくださるのが様々な困難を一緒に乗越えて下さった兄貴、英明さんです。英明さんの波に乗ったらそこには映画のスパークが待っているのです。最高です。

アジアと大阪を駆ける井筒ノワール映画、世界で類を見ない痛快アクションコメディ映画確定です!必死のパッチでこの大航海を乗り切ります!この大冒険を無事終えられた際は、皆様と劇場でお会い出来ることだけを願っております。

■紀伊宗之(企画/K2 Pictures)

お陰さまで、これまでに沢山の映画を作って来た。でも、この企画が一番やりたかった事。だから、K2 Picturesを作った。逆風もたっぷりだ。

井筒さんと英明さんと染谷くんとみんなで世間に一泡吹かせたる。

お客さんに「いやーめちゃオモロかった!!よっしゃ!ビールでも飲みに行こ!」言わせたる。

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