吉本ばななの小説「SINSIN AND THE MOUSE」を、岸井ゆきのとツェン・ジンホアをダブル主演に迎えて、日本と台湾の合作で映画化した『シンシン アンド ザ マウス』が、6月26日より公開されることが決定。キャスト、真壁幸紀監督、吉本のコメントが到着した。
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原作は、吉本ばななの短編小説集で第58回谷崎潤一郎賞(中央公論新社主催)を受賞した「ミトンとふびん」に収められた一編「SINSIN AND THE MOUSE」。最愛の母を失った主人公・ちづみが、旅先の台北でシンシンという男性に出逢い、喪失感の中で再生していく姿を描く。自分を慈しむことの大切さを静かに語りかける、再生と希望の物語だ。金馬映画祭Film Project Promotion(FPP)部門優秀企画に選出され、日台合作で映画化を実現した。
主演を務めるのは、圧巻の演技力で観る者の心を揺さぶる岸井ゆきの。そして台湾人俳優のツェン・ジンホア。ツェン・ジンホアは、出演映画が連続で興行収入1億台湾ドルを突破したことにより、「億万の幸運星(スター)」と呼ばれており、2025年に公開された映画『我家的事(原題)』では第62回金馬奨の最優秀助演男優賞を受賞するなど、要注目の演技派若手俳優だ。
言葉を超えて響き合う主人公2人の繊細な感情の往復が、抑えきれない悲しみと微かな希望を少しずつ重ね、やがてひとつの“再生”の形を描き出していく。監督・脚本は、『ボクは坊さん。』、『すくってごらん』の真壁幸紀。
岸井は「ほんとうに大事なことはきっと誰もが知っているけれど、教えてもらうのはあなたでなければならないって時が、人生にはあるのだと思う」と作品への思いを明かし、「ちいさくてあたたかくてやさしい映画です。ぜひスクリーンで観てくださいね」とコメント。
一方、日本語での演技初挑戦となったツェン・ジンホアは「台北は私にとってとても馴染みのある場所ですが、この映画の中で描かれている台北は、これまでとは異なる感覚や視点があり、とても新鮮に感じました。初めて日本語に触れ、大きなスクリーンの中で自分が日本語を話している姿を見たときは、その体験に不思議な気持ちが湧くと同時に、深く感動しました」と印象を語った。
本作は、先日スコットランドで開催されていた第22回グラスゴー映画祭でワールドプレミア上映された際、チケットが即完売。非常に高い注目を集め、上映後は「圧倒的な演技、見事な演出、そして見事な映像表現が光る」、「喪失が生み出す虚無をこれほどまでに捉えた映画は稀だ」、「人生に再び恋をする映画のように感じられた」など、現地の観客からも好評を得た。
同映画祭に参加した真壁監督は「原作が持つ普遍性、キャストのお芝居は、国や世代を超えて、観客の心を揺さぶっていました」と手応えを感じた様子。そして日本での公開にあたり、「ヨーロッパのお客さんの反応を目の当たりにして、ある一つの条件さえ満たせば、この映画が皆さんの心に届く事を確信しました。それは、映画館のサウンドで観てもらう事。是非、小さな音、声まで体感してもらえたら」と呼びかけた。
また今回、本作の公開を記念し、ジャパンプレミアの開催が決定。ツェン・ジンホアが来日し、岸井、真壁監督と共に舞台あいさつに登壇する。イベントの詳細は今後、映画公式サイト及びSNS等で掲載する予定。
映画『シンシン アンド ザ マウス』は、6月26日より全国公開。
※原作者、キャスト、監督、プロデューサーのコメント全文は以下の通り。
<コメント全文>
■吉本ばなな
その瞬間 吉本ばなな
ねずみ、じゃなくてちづみ役の岸井ゆきのさんがあまりにも美しく、どの表情も見逃せず、まるでこちらが恋をしているような気持ちになった。今の年齢の彼女をこんなにも美しく撮って残すことができるなんてすばらしい。恋に落ちていくときの独特の集中力をリアルに感じた。その中では音がとても重要な要素であることも。
原作者が言うのもなんだが、「おい君、確かにたいへんだったがいつまでもくよくよしてないで飯食って寝ろ」と言いたくなるような話ではある。でも、人間にはそうやってくよくよしている時期が必ずあるのではないだろうか。何をしていても死んだ親しい人のことを思ってしまうときが。ずっと目に涙がたまっているような時期が。
その中に彗星のように現れる新しく無邪気なトラウマ爆発美青年の勢い。彼に心が貪欲に集中していくこと。立ち直りの瞬間を描いた美しい映画だった。
■岸井ゆきの(ちづみ役)
ほんとうに大事なことはきっと誰もが知っているけれど、教えてもらうのはあなたでなければならないって時が、人生にはあるのだと思う。
私は自分の足りないところばかりが目に付いて、ちょっとした長所も見失うことがありますが、たとえ自分が好きな自分じゃなくても、そばにいてくれるひとの言葉や温度をちゃんと見つめることが出来れば、それさえ出来ればきっと大丈夫なのだと思えた撮影期間でした。
ちいさくてあたたかくてやさしい映画です。ぜひスクリーンで観てくださいね。
■ツェン・ジンホア(シンシン役)
『シンシン アンド ザ マウス/SINSIN AND THE MOUSE』の撮影に参加できたことをとても嬉しく思っています。
台北は私にとってとても馴染みのある場所ですが、この映画の中で描かれている台北は、これまでとは異なる感覚や視点があり、とても新鮮に感じました。また、この作品を通じて初めて日本語に触れ、大きなスクリーンの中で自分が日本語を話している姿を見て、その体験に不思議な気持ちが湧くと同時に、深く感動しました。
さらに、映画の中で描かれる二人の登場人物の巡り合わせと率直な心の交流が、小さなねずみの物語によって結びつき、互いに癒し合っていく様子は、たとえ短い時間であっても真実の感情が込められていると感じました。旅は悲しみや喪失の感情を和らげてくれるものであり、そこで出会う新しい人々や風景の一つひとつが、かけがえのない大切な贈り物なのだと思います。
■真壁幸紀(監督・脚本)
東京と台北の物語をスコットランドの映画祭で初上映したのですが、原作が持つ普遍性、キャストのお芝居は、国や世代を超えて、観客の心を揺さぶっていました。
そんなヨーロッパのお客さんの反応を目の当たりにして、ある一つの条件さえ満たせば、この映画が皆さんの心に届く事を確信しました。それは、映画館のサウンドで観てもらう事。
■阿部豪/株式会社ロボット(プロデューサー)
『シンシン アンド ザ マウス/SINSIN AND THE MOUSE』は日本と台湾のスタッフ・キャストが国境を越えて共に作り上げた作品です。異なる文化や言語の壁を越え、人と人が出会い、心を通わせていく過程を描いています。本作が、多くの方の心に届き、作品として長く愛されることを願っています。
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