アニメ専門チャンネル「カートゥーン ネットワーク」が日本での放送開始15周年を記念して、「パワーパフ ガールズ」「おくびょうなカーレッジくん」「フォスターズ・ホーム」の3作品、5キャラクターのオリジナルのえかきうた「カートゥーン ROCKガキ!!」を制作。えかきうただけどロックという新たなジャンルに挑戦するのは、幅広い活躍をみせる大人気声優平野綾
今回、平野に歌のこと、声優のこと、舞台のことなど様々な話を聞くことができた。

平野綾ロングインタビュー、声優・女優・歌手…自由自在の表現者・平野綾を紐解く

 元々カートゥーン ネットワークを視聴しファンであるという平野のお気に入りのアニメは「トムとジェリー」。「ジェリーが、インディアンの恰好をして出てくる時がとっても可愛くて。トムを退治しようと思って、ジェリーがインディアンの恰好をして他の仲間を引き連れてやってくる話があるんですよ。それが凄く好きで。よく見ていました」。

 えかきうたにも登場する「パワーパフ ガールズ」とは限定ユニット、「PPG+A」(ピーピージープラスエー)としてコラボもしている平野。「まさか自分がキャラになれるとは」と、驚いたというが、チャームポイントの泣き袋もしっかりと描かれているのがポイントだ。

 キャラクターを描くのは、えかきうたに合わせても意外と難しいが、「上手く描こうとしなくていいと思うんです。みんな同じ手順で描いていても個性は絶対に出ると思うので、自分なりに思い切ってお絵かき帳をまるっと一枚使っちゃうような気持ちで堂々と書いて欲しいなと思います。私もお絵描きする時は、紙をいっぱい使うほうなんですよ。コマっと描くのは嫌いで、スペースをめいっぱい使っちゃうので。
そうやってダイナミックに楽しんで頂けたらなと思います。」と、子どもたちにアドバイス。

 声優としてだけではなく、歌手にドラマに舞台にと幅広く活躍しているが、「どのお仕事も大きくお芝居をやっているということは一緒だと思っています。その中で、お芝居の取り組み方がそれぞれ違うなという感覚なんです。例えば声優だったら、アフレコの時のルールというか、決まりごとが多くて、それをクリアした上でお芝居をするというのが、ほんとにこう技術職だなと感じがするんですけど、それと舞台の時のお芝居はまた全然違う取り組み方だったりもします。歌も、歌詞の言葉を伝えたりとか、自分の言葉を伝えるっていうことは、今回のえかきうたもそうですが、分りやすく伝える方法としてちょっとお芝居に近いような感覚で歌っています」と、語る。

 「喉を使う場所が、それぞれの仕事によって全然違うっていう認識で、舞台の時はこの喉を使うとか、歌の時はこっちの喉を使うとか分けているんです。自分の中で。多分あまり意味がわからないと思うんですけど(笑)。そんな感覚がちょっとあって。スイッチが喉についているみたいというか」と、本職が声優ならでは喉の使い方も披露。

 また、5月23日(水)に発売されたアルバム「FRAGMENTS」について話を聞いた。同アルバムの中で唯一自身で作詞し、アルバムタイトルにもなっている「FRAGMENTS」については、「曲調的にも展開的にもあの曲が今までの平野綾楽曲を一番継承している曲だと思ったので、歌詞を自分で書くことで、今までのファンの方にも安心して頂きたいなというのがやっぱりあって」と、胸の内を明かしてくれた。


 「ちょうど悩んでいた時期が、作詞した歌でいうと「キセキノイロ 」や「ダリア」とかであの辺で。もう、もの凄く悩んでいたんですよ。それを経てやっぱりこれだけ時間をかけて色んな環境を変えて、やっと今に至って「FRAGMENTS」って詩が書けるんだなって思って。あの当時だったら、気づいていない事だったりとか、自分で感じることが出来なかった事を今回全部表現することが出来たので。ほんとずっと見ていて下さっているファンの方々には、これでようやく安心して頂けるだろうなって思っています」。

 今年はステップアップの年と語る平野。様々なジャンルで活躍されるのはファンとしても嬉しい限りだが、一体どれが本当の平野綾なのか。

 「声優も、役を通して自分を見て頂けたら嬉しいなと思うし、歌は歌詞だったり、伝えているメッセージで私というものを感じとって頂けたらいいなと思って。何かどこかに必ず自分の要素を紛れ込ませるようにはしているので、じっくり見て頂けたら感じ取ってもらえるんじゃないかなと思ってます」。

 最後は「色々なところに欠片をワーとばら撒いているので、後は一個一個を回収していくのが楽しみです」と、素敵な笑顔で締めくくってくれた。(取材・文・写真:山本絵里)
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