往年の特撮ヒーロー「宇宙刑事ギャバン」が「宇宙刑事ギャバンTHE MOVIE」としてスクリーンに蘇り、石垣佑磨と森田涼花が出演した。
2代目ギャバン石垣佑磨&ヒロイン森田涼花のインタビュー写真
 「宇宙刑事ギャバン」は1982年にテレビ朝日系で放送された特撮ヒーロードラマ。
スタイリッシュなデザインのコンバットスーツ、主役の大葉健二が身体能力の限界に挑戦したアクション、最先端のビデオ技術を駆使した特撮などで大きな反響を呼び、その後に続くメタルヒーローシリーズのルーツとなった名作だ。今春公開された「海賊戦隊ゴーカイジャーvs宇宙刑事ギャバン THE MOVIE」で、久々に初代ギャバン役で大葉が出演。ファンからの熱い復活コールに応え、遂に映画化が決定した。2代目ギャバンには、アクションにも定評のある石垣佑磨が決定。相手役は「侍戦隊シンケンジャー」の森田涼花、今回も初代ギャバン役で大葉が出演している。

 「12年ぐらい役者の仕事をやらせていただいていますが、1番反響が大きいですね。先日、(映画公開に先立ちギャバン役で出演したTVドラマ)『特命戦隊ゴーバスターズ』が放送されましたが、その直後には、見た!見た!というメールが100件以上来ました。着信音が鳴り続けているのが嬉しかったです」と、ギャバン役に選ばれた喜びを語る石垣。森田も、「ギャバンが初恋の人だから絶対に見に行くという人もいましたし、お母さんが『絶対に見なアカンな』と興奮しているのがすごく嬉しかったです」と、喜びを隠さない。

 石垣にとって、特撮ヒーロー作品は初めて。「大葉さんの初代ギャバンと僕がやった2代目ギャバンでは、ファイトスタイルも人間性も違います。でも、変身ポーズだけは完全にコピーしようと思い、大葉さんが編み出したポーズなので直接教えていただきました。
中学から高校までテコンドーをやって、その後はボクシングやキックボクシングを続けてきたので、アクションに関してはスーツアクターさんに僕の動きをコピーしてもらいました。スタッフとは、そういったコミュニケーションを密接にとりましたね」と、ギャバンへの熱い想いは尽きない。「『ワンス・ア・ポン・ア・タイム・イン・チャイナ』シリーズのジェット・リーは、僕にとってのヒーローの1人ですが、今はドニー・イェンが凄いと思います。今回の映画はドニー・イェンのパンチの連打に影響を受けていて、一瞬で6,7発出すパンチはドニーの『イップ・マン』から学んでいます。ドニーだけではなく、たくさんのアクション映画を見てやってみたいなと思ったことを、色々なシーンで使わせていただきました。ですから、ムエタイやテコンドーなど、様々な国のアクションを混ぜた結果が『宇宙刑事ギャバン』だと思います(笑)」と、ギャバンの世界への夢はどんどん広がる。

特撮ヒーロー作品では石垣の先輩とも言える相手役の森田も、「私は、アンジェリーナ・ジョリーさんが大好きで、芸能界に入る時にも彼女のようになりたいなと思っていました。『侍戦隊シンケンジャー』にも出演していましたが、今回演じたシェリーには戦闘シーンはなくて、危ない!と思ったら小鳥に変身してどこかに行ってしまいます。でも、佑磨さんと大葉さんを見ているとまるで目の前に2人のギャバンがいるようで、私まで心が燃えているような気持ちになりステキだなと思いました」と、撮影の思い出を語る。

 子供たちばかりではなく、お父さんたちの世代にも多くのファンがいる宇宙刑事ギャバン。「『特命戦隊ゴーバスターズ』を見た子供たちが、僕の演技に合わせて台詞を喋っていると聞き、自分自身をギャバンに重ねて憬れているんだなと嬉しかったですね。30年前に初代ギャバンを見ていた人たちも、今の子供達と同じように大葉さんが演じた一条寺烈を愛し、ギャバンを愛して見ていた。
もちろん、僕の新しいギャバンにはたくさんの賛否両論があると思いますが、ひとつの作品として、正当な続編として楽しんでいただけたら幸福だなと思います。どうしてもアクションモードに入ると戦いが始まりますが、その戦いの後には何があるのかをしっかりと描いている作品です。それがお客さんに伝わるように頑張ったので、ぜひ見てほしいと思います」と、自信に満ちた表情の石垣。「ストーリーにドラマがあって、佑磨さんのギャバンの表情に、あ、泣きそうだと胸が痛くなったり。今までのアクション映画や戦隊ヒーロー映画ではそういう気持ちになることはありませんでした。ずっと受け継がれてきた作品ですし、新鮮味も味わえるので、楽しんでいただけたら嬉しいです」と、森田もPRした。(取材・文・写真:平井景)

 「宇宙刑事ギャバンTHE MOVIE」は、10月20日(土)より全国ロードショー
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