倉科カナはホンワカ系ではなく超現実主義者!? 「24年間裏切り続けて生きてきた」と告白
●ぶつかった壁に気づかないほどがむしゃらに生きる「東京全力少女」
主演に武井咲を迎え、「デカワンコ」「喰いタン」などハートウォームなドラマで定評のある伴一彦氏が筆をとったドタバタコメディ。主演が続いてはいるものの、一部では低視聴率女優などと囁かれている武井だが、これまでのしっとりとした役どころから一転、“空気の読めない”天真爛漫な役でも、イラっとさせない爽快な演技は彼女の新境地かもしれない。
武井演じる麗(うらら)は、作品の中で、兎にも角にも全力で空回りをし続ける。15年ぶりに再会した父(渡部篤郎)の家に転がり込んで、明け方までうどんを作ったり、上京途中で友達になった大輔(三浦翔平)を時・場所構わず呼びつけたりと、やることなすこと自由奔放。それでもなぜか憎めないのは、麗の心にはいつも「誰かのため」という軸があるからだ。返って空気を読み過ぎて、気持ちを表に出すのが苦手な若者が多い今、そんな姿を見て、「私ももう少し素直になろうかな」と心動かすことができれば、麗もKYと呼ばれる甲斐があるはず。
「役に恵まれない」と言われがちな武井だが、今回の“ドジでチャーミング”な麗役は意外にもがっちりとハマっており、ミステリーのように頭をフル回転させることなく、見ていて自然にププっと笑ってしまう展開が、とても見やすいドラマとなっている。●家事は誰だって面倒臭い!干物女に続く新種発見「花のズボラ飯」
例えば、もしあなたが街頭インタビューで「今朝、何を食べましたか?」と聞かれたら何と答えるだろう。つい格好をつけて、手の凝った料理名を挙げるかもしれないが、実際は皆同じ。“手抜きして美味しいものを食べたい”と願うのではないだろうか。
ドラマ「花のズボラ飯」に登場するのは、まさにそんな現代女性の代表・花。
主演を務める倉科カナは、本作にて、これまでのドラマで見せたことのない表情の七変化を披露。笑顔からイライラ顔、至福から物憂げな表情まで、くるくると変わる心境を器用に表現している。倉科といえば、「名前をなくした女神」のダークな母親役や、「もう一度君に、プロポーズ」で見せた明るくポジティブな女性役など、脇役と言えど強く印象に残る女優として確かな居場所を掴んでいるが、今回は基本独り暮らしという設定の主人公なので、独り言も多く、彼女の新たな一面としての手腕が大きく問われる作品でもある。雑誌を片付け始め、独りで意見して気づいたら夕方になっていたり、電子レンジでチンするほんの数分間に踊りながら鼻歌を歌ったりと、20代女性なら誰もが「あるある」と頷いてしまう見やすさに注目して欲しい。
また、このドラマの見どころは、“簡単で美味しい料理”の数々にも潜んでいる。原作の漫画においても、紹介される食べ物はどれも読んでいてヨダレが落ちるくらい美味しそうに描かれていたが、実写となるとその魅力もさらに倍増。レシピ本を読んでいるように、細かく教えてくれるので、きっと毎週火曜の夜食は、ズボラレシピを真似すること間違いなし!ダイエット中の人には是非、気をつけて視聴していただきたい。