007シリーズ生誕50周年記念作「007 スカイフォール」(12月1日公開)がシリーズ史上最高記録の全米&世界興収を樹立中だが、ファン待望の日本公開を前にミステリアスな“ボンドガール”を演じたフランス出身の女優、ベレニス・マーロウが来日! ジェームズ・ボンドと最強の敵シルヴァをつなぐ重要なキャラクターであるセヴリンを演じた感想や、50周年を迎える長寿シリーズとなった理由、そして最新作「007 スカイフォール」の魅力について語った。
「007 スカイフォール」ボンドガール、ベレニス・マーロウの美しき微笑み
この記念作でボンドガール役を射止めたベレニスは、女優業以外にトップモデルとしてオメガ、スワロフスキー、OPIのブランド・アンバサダーとしても活躍する国際派だが、本作の出演後、映画界の熱い視線を集める旬の女優に。
ただ、「好みのボンドガールはいて、『007/ゴールデンアイ』(95)のファムケ・ヤンセンがカッコよかったわよね! とても上手く精神異常的なキャラクターを演じていて、惹かれたわ(笑)」とか。ということは、ボンドと戦ってみたかった願望も!? 「そうですね(笑)。そういうシーンがあれば、また面白くなっていたかも知れないわよね(笑)」。
ベレニス演じるセヴリンは、シリーズ23人目のジェームズ・ボンドの強敵、シルヴァの女だ。シルヴァに囲われ不自由のない生活を送ると同時に常軌を逸した悪魔の支配下で暮らす宿命だが、ボンドの登場で彼女の運命は大きく動いてしまう。シルヴァ演じるハビエル・バルデムの怪演を目の当たりにしたベレニスは、名優のパーフェクトな仕事に感銘を受けた。
「ハビエルはサイコパスを演じていたけれど、本当にすごかったわ(笑)。人間的な要素があると同時に、サイコな側面と役割もきっちりと演じ上げるの。
それだけに、セヴリンが抱く恐怖心もハンパない。彼女はボンドの上司Mに復讐を果たそうとする元エージェント=シルヴァの復讐劇の傍で、ボンドと関わったことで自分にも刃が向くことを覚悟するが、その複雑な心情をベレニスは繊細な表情で丁寧に表現した。「そう言っていただいて光栄よ(笑)。撮影中の6か月、セットの中でキャラクターにつながっている必要があったけれど、その間にキャラクターの過去を創り上げていかなくてはいけなかったの。それと同時に自分自身を探って浮かび上がってくるものを、映画に投影していく作業を繰り返していたわ」。こうして過去にない人間的なボンドガールが誕生した。 007史上初のアカデミー賞受賞監督サム・メンデスによる重厚なドラマが50年目の節目に最適という絶賛の声が後を絶たず、早くもアカデミー賞も射程圏内という評価も届く本作。
まず50年間も続いている理由についてベレニスは、「夢のように、子どもの気持ちに戻ってしまうことね」とシリーズのファンタジックな側面を挙げる。
また、同時に「この世界がファンタジーであると同時に、現実を反映している点も重要ね」と言う。「自分に近く、夢もある。それが長い間続いている秘訣だと思うわ」。そして、シリーズ最新作「007 スカイフォール」は、「現実的な側面を、これまでの過去作以上に描いている点が最大の特徴だと思う」とベレニスは最後に続けた。
「ボンド、M、セヴリン、シルヴァというキャラクターたちの人間的な内面に、より深く迫っていると思うわ。それぞれのキャラクター同士の関係性も丁寧に描いていて、50周年という意味では、過去へのオマージュとして最適な方法だったと思う。ボンド映画だけれど、本物の人間を描いていて、内面の葛藤のドラマが見応え十分よ。とてもいい映画になったと思うわ!」。全シリーズを総括した上で、“復活・再生”をテーマに深い人間ドラマで新しい時代を駆け抜けていく意気込みの「007 スカイフォール」! ファンでなくとも鑑賞マストの一作だ!(取材・文・写真:鴇田崇)
「007 スカイフォール」ボンドガール、ベレニス・マーロウの美しき微笑み
この記念作でボンドガール役を射止めたベレニスは、女優業以外にトップモデルとしてオメガ、スワロフスキー、OPIのブランド・アンバサダーとしても活躍する国際派だが、本作の出演後、映画界の熱い視線を集める旬の女優に。
「夢にまで見たわ!」というボンドガール役を射止めた時は、「深くて平和で、とても穏やかな気持ちになったことを覚えているわ。ボンドの世界とわたし自身がつながっているような気持ちにもなったの。小さな頃から、いつか絶対にボンド映画に出ると思っていたのよ」と半ば運命的な出会いのようにも感じたというベレニス。その意気込みは、セヴリンをオリジナルのキャラクターに仕上げる熱意に転化! 準備段階で「過去の、特定のボンドガールを参考にはしなかったわ」と秘話を明かす。
ただ、「好みのボンドガールはいて、『007/ゴールデンアイ』(95)のファムケ・ヤンセンがカッコよかったわよね! とても上手く精神異常的なキャラクターを演じていて、惹かれたわ(笑)」とか。ということは、ボンドと戦ってみたかった願望も!? 「そうですね(笑)。そういうシーンがあれば、また面白くなっていたかも知れないわよね(笑)」。
ベレニス演じるセヴリンは、シリーズ23人目のジェームズ・ボンドの強敵、シルヴァの女だ。シルヴァに囲われ不自由のない生活を送ると同時に常軌を逸した悪魔の支配下で暮らす宿命だが、ボンドの登場で彼女の運命は大きく動いてしまう。シルヴァ演じるハビエル・バルデムの怪演を目の当たりにしたベレニスは、名優のパーフェクトな仕事に感銘を受けた。
「ハビエルはサイコパスを演じていたけれど、本当にすごかったわ(笑)。人間的な要素があると同時に、サイコな側面と役割もきっちりと演じ上げるの。
だから本物の人間ではあるけれど、次に何をしでかすか予測できないキャラクターになるのよ。ルックスも髪の毛をブロンドに変え、目や歯に工夫もしている。素晴らしい変身よ! 初めてセットで彼を観た時に、エイリアンだと思った(笑)。彼は人間とエイリアンの間にいたと思うわ」。
それだけに、セヴリンが抱く恐怖心もハンパない。彼女はボンドの上司Mに復讐を果たそうとする元エージェント=シルヴァの復讐劇の傍で、ボンドと関わったことで自分にも刃が向くことを覚悟するが、その複雑な心情をベレニスは繊細な表情で丁寧に表現した。「そう言っていただいて光栄よ(笑)。撮影中の6か月、セットの中でキャラクターにつながっている必要があったけれど、その間にキャラクターの過去を創り上げていかなくてはいけなかったの。それと同時に自分自身を探って浮かび上がってくるものを、映画に投影していく作業を繰り返していたわ」。こうして過去にない人間的なボンドガールが誕生した。 007史上初のアカデミー賞受賞監督サム・メンデスによる重厚なドラマが50年目の節目に最適という絶賛の声が後を絶たず、早くもアカデミー賞も射程圏内という評価も届く本作。
まず50年間も続いている理由についてベレニスは、「夢のように、子どもの気持ちに戻ってしまうことね」とシリーズのファンタジックな側面を挙げる。
「ボンドカー、ハビエルや眼帯をしているようなクレイジーな敵、ボンドそのものにボンドガールも、それとオメガのようにうっとりするようなエレガントな小道具の数々が、夢のような冒険の世界に誘っていくわ」。
また、同時に「この世界がファンタジーであると同時に、現実を反映している点も重要ね」と言う。「自分に近く、夢もある。それが長い間続いている秘訣だと思うわ」。そして、シリーズ最新作「007 スカイフォール」は、「現実的な側面を、これまでの過去作以上に描いている点が最大の特徴だと思う」とベレニスは最後に続けた。
「ボンド、M、セヴリン、シルヴァというキャラクターたちの人間的な内面に、より深く迫っていると思うわ。それぞれのキャラクター同士の関係性も丁寧に描いていて、50周年という意味では、過去へのオマージュとして最適な方法だったと思う。ボンド映画だけれど、本物の人間を描いていて、内面の葛藤のドラマが見応え十分よ。とてもいい映画になったと思うわ!」。全シリーズを総括した上で、“復活・再生”をテーマに深い人間ドラマで新しい時代を駆け抜けていく意気込みの「007 スカイフォール」! ファンでなくとも鑑賞マストの一作だ!(取材・文・写真:鴇田崇)
編集部おすすめ