数百種類のたばこの灰を見分けることができ、人並み外れた観察眼と推理力で難事件を解決する…といえば、シャーロック・ホームズ。“名探偵”の代名詞といえるほど知られた存在である。
そしてここ数年、そのシャーロック・ホームズ人気が再燃している。映画、TVシリーズ等の新作が続々と製作される中、いまだ人気の衰えぬのがグラナダTV製作「シャーロック・ホームズの冒険」である。この最も原作のイメージに近いと言われるジェレミー・ブレット版シャーロック・ホームズが12月4日、Bru-rayボックスとなって登場した。

これぞホームズ!グラナダ版「シャーロック・ホームズの冒険」史上最高と言われたジェレミー・ブレット

 ブーム再燃の火付け役となったのは、ロバート・ダウニーJr、ジュード・ロウがコンビを組んだ映画「シャーロック・ホームズ」(10)。さらに翌年にはBBCのTVシリーズ「SHERLOCK/シャーロック」がスタート、こちらも世界180ヵ国で放映される大ヒットとなった。またアメリカでは現在、舞台をベイカー街からニューヨークへと移し(!)、ワトソンを女性に置き換えた異色のTVシリーズ「Elementary(原題)」も製作・放映されている。まさにシャーロック・ホームズ旋風といえるだろう。

 原作者サー・アーサー・コナン・ドイルは1887年に発表した「緋色の研究」から1927年「ショスコム荘」までの40年間で短編56本、長編4本、合計60本のシャーロック・ホームズ作品を執筆。熱心なファンであるシャーロキアンたちからは、“正(聖)典”と呼ばれている。グラナダ版「シャーロック・ホームズの冒険」では、そのうちの41本を映像化するも主演ブレットの急逝により、19本を残して制作は中止となった。しかし映像化された41本は、原作の世界観を忠実に再現しており、今なおファンの間で圧倒的な支持を得ている。

 今回のBru-rayボックスでは、制作国イギリスにて、フィルムからHDテレシネを実施したニューマスターを使用(1話除く)、現存する素材を最大限にクオリティアップしたものが収録されている。
また日本語吹替え版にはNHK放映当時の音声を収録(1部追加収録あり)、露口茂、長門裕之、福田豊土ら日本人にはお馴染みのホームズ&ワトソンのコンビが再び楽しめる。さらに112ページにおよぶ付録ブックレットでは、1話毎のエピソードを詳しく紹介しているほか、ハドソン夫人の声を担当した竹口安芸子インタビュー、日本シャーロック・ホームズ・クラブ主宰・東山あかね氏によるシリーズ解説、そしてファンには堪らない名言集…「異様な事件ほどからくりは単純なものだ。パイプで3服の問題かな(赤髭連盟)」など、盛り沢山の内容となっている。

 「シャーロック・ホームズの冒険」Bru-rayボックスは12枚組 50,400円 (税込)で12月4日より発売中。発売・販売元:ハピネット
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