……「トワイライト」ってこんな話だったっけ?
第4作目・後編にして完結編となる「トワイライト・サーガ ブレイキング・ドーン Part2」(12月28日公開)を観た直後に出てきた言葉がそれだった。なんだろう、こう、甘~い苺を食べたつもりが、口に入れたらカレーだったみたいなこの気分は……。
「トワイライト」卒業のクリステン・スチュワート、5年間を振り返る
おさらいしておこう。「トワイライト」シリーズは2008年に第1作が公開されたロマンス映画で、内気な高校生ベラと容姿端麗なヴァンパイア・エドワードとの禁断の恋を描いた物語――だったはずである。日本での人気はそれなりといったところだったが、本国アメリカではトワイライトブームを巻き起こし、興行収入4億ドルという大ヒットを記録したと聞いている。
筆者は第1作だけは観ていたのだが、その後のシリーズ作品は観ておらず、第1作のイメージを引きずったまま4年ぶりに完結編となる今作を観たのだった。
そうしたら、ロマンス映画だったはずのトワイライトが「異能力バトル映画」になっていたのである。一体、過去4作の間に何があったのか……。
簡単にいうと、1作目でベラ(クリステン・スチュワート)はエドワード(ロバート・パティンソン)と結ばれた後、2作目でエドワードとの辛い別れを経験し、その後オオカミ男のジェイコブ(テイラー・ロートナー)との三角関係(!)にも悩み、二人を手玉に取るなど悪女ぶりをいかんなく発揮した後、ついにエドワードと結ばれ結婚。しかし、ベラはエドワードとの子どもを出産し、死んでしまうのである。
なんという波瀾万丈な展開だろうか。まさかヴァンパイアのイケメンとひたすらイチャイチャしていたあの可憐な女の子が、たった6時間くらいの間にこんなことになっていたなんて……。
そして5作目。完結編となる本作では、ベラがついにヴァンパイアとして復活し、エドワードとの間に生まれた娘・レネズミをめぐって、ヴァンパイアの王・アロとの最後の戦いに挑むのである。
いやあ、すごいストーリーだ。ジャンプで言うなら打ち切られる10週の間に5回くらいテコ入れが入った感じだ。とはいえ、1作目しか見ていない筆者も何だかんだできっちり楽しませてくれるのだから、世界的大ヒットも伊達ではないということか。 もっとも、異能力バトル映画といっても、前半はヴァンパイアとして目覚めたベラとエドワードがひたすらイチャつくのを見せられるだけで、正直おもしろくはない。おもしろくなるのは後半、ヴァンパイアの王族・ヴォルトゥーリ族に娘のレネズミを狙われ、戦いを決意してからだ。
戦いを決意したとはいっても、相手はヴァンパイアの王族。普通にやっては勝ち目は薄い。そこでベラたちカレン家は世界中のヴァンパイアのもとへと走り、加勢を要請する。世界中のヴァンパイアにしてみれば「なんで力を貸さないといかんの?」という感じだと思うが、そこは尺の都合……じゃなかった、カレン家の言い分に納得して、力を貸してくれるのである。
集まってきたヴァンパイアたちは、それぞれ特殊能力を備えている。身体能力が人間離れしているのはもちろん、雷や水など自然の力を自在に操ったりもする。それってもはや一般的にいうヴァンパイアの域を超えているのでは……と思わなくもないが、王族に対抗するためにはこれくらいの力は必要なのだろう。
で、このままだとベラに見せ場がなくなるからなのか、中盤ではベラが特殊能力を身につけるための修行シーンがたっぷりと時間をかけて描かれる。そんなベラの姿が、セルゲームまでの期間、精神と時の部屋で修行する孫悟飯とかぶる。
そしてやってきた最終決戦。ここはぜひ実際にご覧いただきたい。ヴァンパイアたちによるド派手な異能力バトルのおもしろさは筆者が保証する。
くどいようだが、1作目ではいちおうロマンス映画だったはずが、まさか拳で大地を殴って引き裂いたりする映画になるとは予想していなかった。ひょっとして、ちゃんと1から5までを連続して観ていれば自然な流れとして受け入れられるのかもしれないけど、むしろこれから観る人は1の次にいきなり5を観てしまうのもアリではないかと思うくらい楽しめたからまぁいいとしよう。
さらにさらに、ラストには「そんなのアリか!?」と思わず叫んでしまうような驚愕の展開が待ち受けている。いやはや、夢中になって観てしまった。トワイライトシリーズ、恐るべしだ。(文:山田井ユウキ)
第4作目・後編にして完結編となる「トワイライト・サーガ ブレイキング・ドーン Part2」(12月28日公開)を観た直後に出てきた言葉がそれだった。なんだろう、こう、甘~い苺を食べたつもりが、口に入れたらカレーだったみたいなこの気分は……。
「トワイライト」卒業のクリステン・スチュワート、5年間を振り返る
おさらいしておこう。「トワイライト」シリーズは2008年に第1作が公開されたロマンス映画で、内気な高校生ベラと容姿端麗なヴァンパイア・エドワードとの禁断の恋を描いた物語――だったはずである。日本での人気はそれなりといったところだったが、本国アメリカではトワイライトブームを巻き起こし、興行収入4億ドルという大ヒットを記録したと聞いている。
筆者は第1作だけは観ていたのだが、その後のシリーズ作品は観ておらず、第1作のイメージを引きずったまま4年ぶりに完結編となる今作を観たのだった。
そうしたら、ロマンス映画だったはずのトワイライトが「異能力バトル映画」になっていたのである。一体、過去4作の間に何があったのか……。
簡単にいうと、1作目でベラ(クリステン・スチュワート)はエドワード(ロバート・パティンソン)と結ばれた後、2作目でエドワードとの辛い別れを経験し、その後オオカミ男のジェイコブ(テイラー・ロートナー)との三角関係(!)にも悩み、二人を手玉に取るなど悪女ぶりをいかんなく発揮した後、ついにエドワードと結ばれ結婚。しかし、ベラはエドワードとの子どもを出産し、死んでしまうのである。
なんという波瀾万丈な展開だろうか。まさかヴァンパイアのイケメンとひたすらイチャイチャしていたあの可憐な女の子が、たった6時間くらいの間にこんなことになっていたなんて……。
そして5作目。完結編となる本作では、ベラがついにヴァンパイアとして復活し、エドワードとの間に生まれた娘・レネズミをめぐって、ヴァンパイアの王・アロとの最後の戦いに挑むのである。
いやあ、すごいストーリーだ。ジャンプで言うなら打ち切られる10週の間に5回くらいテコ入れが入った感じだ。とはいえ、1作目しか見ていない筆者も何だかんだできっちり楽しませてくれるのだから、世界的大ヒットも伊達ではないということか。 もっとも、異能力バトル映画といっても、前半はヴァンパイアとして目覚めたベラとエドワードがひたすらイチャつくのを見せられるだけで、正直おもしろくはない。おもしろくなるのは後半、ヴァンパイアの王族・ヴォルトゥーリ族に娘のレネズミを狙われ、戦いを決意してからだ。
戦いを決意したとはいっても、相手はヴァンパイアの王族。普通にやっては勝ち目は薄い。そこでベラたちカレン家は世界中のヴァンパイアのもとへと走り、加勢を要請する。世界中のヴァンパイアにしてみれば「なんで力を貸さないといかんの?」という感じだと思うが、そこは尺の都合……じゃなかった、カレン家の言い分に納得して、力を貸してくれるのである。
集まってきたヴァンパイアたちは、それぞれ特殊能力を備えている。身体能力が人間離れしているのはもちろん、雷や水など自然の力を自在に操ったりもする。それってもはや一般的にいうヴァンパイアの域を超えているのでは……と思わなくもないが、王族に対抗するためにはこれくらいの力は必要なのだろう。
で、このままだとベラに見せ場がなくなるからなのか、中盤ではベラが特殊能力を身につけるための修行シーンがたっぷりと時間をかけて描かれる。そんなベラの姿が、セルゲームまでの期間、精神と時の部屋で修行する孫悟飯とかぶる。
そしてやってきた最終決戦。ここはぜひ実際にご覧いただきたい。ヴァンパイアたちによるド派手な異能力バトルのおもしろさは筆者が保証する。
くどいようだが、1作目ではいちおうロマンス映画だったはずが、まさか拳で大地を殴って引き裂いたりする映画になるとは予想していなかった。ひょっとして、ちゃんと1から5までを連続して観ていれば自然な流れとして受け入れられるのかもしれないけど、むしろこれから観る人は1の次にいきなり5を観てしまうのもアリではないかと思うくらい楽しめたからまぁいいとしよう。
さらにさらに、ラストには「そんなのアリか!?」と思わず叫んでしまうような驚愕の展開が待ち受けている。いやはや、夢中になって観てしまった。トワイライトシリーズ、恐るべしだ。(文:山田井ユウキ)
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