集英社・
ジャンプスクエアにて連載中の「
青の祓魔師」が、待望の劇場版となって帰ってくる。2011年にMBS・TBS系全国ネットにてテレビアニメシリーズとして放送され、「青エク」という略称が流行るほど人気沸騰となった本作。
その「青エク」を、ジャンプスクエア連載開始当初から、担当として作品に携わるジャンプスクエア編集部・林士平氏に、映画完成までの道のりや作品の魅力、原作者・加藤和恵氏についてなど、多くを語ってもらった。
「青の祓魔師」劇場版の入場者プレゼントは「青エクおみくじ」に決定、当たりが出れば特製グッズ! 「青の祓魔師」は、魔神(サタン)の血を引く奥村燐が、双子の弟・雪男や仲間とともに悪魔を祓う祓魔師(エクソシスト)を目指して成長を遂げる学園ダークファンタジー。
今の心境を「不安と期待です」と語る林氏。「みんなどういう反応をするかなぁと。僕自身、担当している作品の初めての映画化なので、不安でいっぱいです」とのこと。だが「原作の担当として、できることを最大限やっている」と語り、“不安”と口にするものの作品に対して自信をのぞかせる。
テレビアニメの最終回に、映画化決定の告知をした本作。「あのときは本当に駆け足でしたね。まだ何にも決まっていない状態だったので(笑)」という。「アニメのプロデューサーやスタジオ(A‐1Pictures)のみなさんが、評判も良いし、このまま終わらすのはもったいないと言ってくれて…。(映画を)やると決めたら、アニメの最終回に告知したほうがいいだろうということになったんです」。
劇場版の魅力を「重厚な世界観と生き生きとしたキャラ」であると口にする。
「“こんな感じの背景にしたい”と、(劇場版の)背景を描いている美術監督である木村真二さんの画集を、連載開始前に加藤さんが見ていたんです。今回の劇場版は、参考にした背景デザインを作る方に、美術監督をやっていただいているので、原作以上かもしれない世界観が構築されています。また、キャラクターデザインを担当する佐々木啓悟さんが、加藤さんが描くキャラと非常に近いものを描くことができる方で、その佐々木さんが総作画監督としてチェックしてくれている」と語る。原作・加藤氏も太鼓判を押す最高のスタッフが本作を手掛けているとのことだ。 テレビシリーズと劇場版、担当側の林氏は作品への携わり方に違いなどはあるのだろうか。「僕の場合は一緒ですね。良いものになればいいなと思って携わっているので。アイディア出しにも参加してます」とのこと。一方、加藤氏については少し違うらしい。「テレビアニメの場合は、そもそも加藤さんの原作があるので、それをどうアニメーションにしていくかをチェックして頂いたのですが、今回の映画は完全オリジナルなので、一番初めのアイディア出しから参加して頂きました」。
加藤氏が、ジャンプスクエア編集部に原作を持ち込んだ時から担当しているという林氏は、原作者・加藤氏について「とてつもない絵を描く人」という印象を持ったと語る。「凄く細かいところまで作品に気を配れる方なんです」と。
ゆえに、劇場版の制作が決定した際は、いの一番に「“佐々木さんは大丈夫ですよね?”と佐々木さんのスケジュールを確認しましたね」という。佐々木とは本作で、キャラクターデザイン・総作画監督の佐々木啓悟氏のことだ。佐々木氏は、テレビアニメのほうでも制作に携わっている。「テレビアニメの時に佐々木さんを紹介してもらったのですが、加藤さんと二人で“めちゃくちゃ上手い!”と話していたんです。加藤さんにはアニメーションもしっかりチェックしてもらっているのですが、“この人、スゴイ!”と加藤さんが信頼した方。そのため、劇場版でも佐々木さんにやっていただくことが絶対条件でした」。
最後に林氏はとっておきの情報を教えてくれた。「実はエンドロールに加藤さんが描いたカットが流れるんです。3枚だけ描きおろしてもらって滑り込ませました。スケジュール的には非常に厳しかったのですが…(苦笑)。最後まで目を離さずに楽しんで見て頂ければ幸いです。」と自信たっぷりにコメントする。劇場版としてスケールアップして帰ってきた「青の祓魔師」。
この世界観は劇場で堪能するしかない。(取材・文・写真:鈴木沙織)
「青の祓魔師」劇場版は2012年12月28日(金)より全国ロードショー