蘭寿とむ(らんじゅとむ)率いる宝塚歌劇団花組の東京宝塚劇場公演「オーシャンズ11」(脚本・演出/小池修一郎氏)が29日に初日を迎え、トップスターの蘭寿とトップ娘役の蘭乃はな(らんのはな)が公開稽古後にコメント。また、同日は宝塚音楽学校の101期生合格発表日でもあり、コンビが各々の合格時を振り返った。


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 「オーシャンズ11」(01)といえば、ジョーニ・クルーニー主演、ブラッド・ピット、マット・デイモンらの共演で、世界中で大ヒットしたハリウッド映画が記憶に刻まれる。その痛快クライムアクションを、宝塚がミュージカル化したのが11年。星組で初演され、トップスターの柚希礼音(ゆずきれおん)が菊田一夫演劇賞を受賞した。

 宝塚版も大成功を収めた本作が、今度は花組で再演。男役として円熟期を迎える蘭寿演じる天才詐欺師ダニー・オーシャンと、幼なじみのラスティーら10人の仲間たちが、ラスベガスのホテル王ベネディクトの金庫破りに挑む。

 「花組ならではの『オーシャンズ11』を楽しんでいただければ」と口を開いた蘭寿。初演が絶賛された同作だが、ダニー役を見事に消化してみせた蘭寿。花組の出来にも自信をのぞかせる。

 「自分自身としては、ダニー像はやっぱり映画でのジョージー・クルーニー。あまりにもかっこよくて。あの大人の感じが出せたらいいなと思っています。全体としてもイリュージョンですとか、エンターテインメント性がより深くなっていると思います」。
ダニーの妻で今はベネディクトの恋人のテスに扮した蘭乃も「より参加型の舞台になっていると思います」と笑顔で話した。

 また“今日は101期生の合格発表日ですが”との質問が投げかけられると「101期生! 100期生でもビックリだったのに」と驚きを隠せない蘭寿。自身の合格発表のときは「一番前で陣取っていたんですが、紙が張り出された瞬間に、ぎゃ~っと大騒ぎして喜びました。でもそれがニュースに流れまして。学校に内緒で受けていたので、担任の先生から“あなた、今テレビに出ているけどどういうことなの?”と連絡が来ました(笑)」と告白。

 一方、現在宙組に所属するすみれ乃麗(すみれのれい)と双子で同時受験した蘭乃は「妹と一緒に観に行ったんですが、ふたりともあったって妹は言うんですけど、いくらさがしても自分の番号が見つけられなくて。5分くらい探してやっと見つけました(笑)。今でも思い出すと胸がドキドキします」と顔を赤らめた。

 そして蘭寿から後輩たちにエールが送られた。「来年は宝塚100周年。彼女たちが次の宝塚を担っていくわけですから、宝塚の舞台が大好きという気持ちを、一番大切に持ち続けて頑張ってほしいと思います」。

 「オーシャンズ11」の出演はほかに、ラスティー役の専科の北翔海莉(ほくしょうかいり)、ベネディクト役の望海風斗(のぞみふうと)、華形ひかる(はながたひかる)、春風弥里はるかぜみさと)ら。


 宝塚歌劇団花組、「オーシャンズ11」は3月29日(金)~5月5日(日)まで東京宝塚劇場にて上演。
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