ケヴィン・コスナーといえば、かつては“アメリカの良心”を象徴するハリウッドのトップ俳優だった。『フィールド・オブ・ドリームス』(90)や『JFK』(92)や『ボディーガード』(92)、そして自ら監督も兼ねてアカデミー賞に輝いた『ダンス・ウィズ・ウルブズ』(91)。
20年前の彼はまさに敵なしだったと言っていい。

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 だが90年代後半から徐々に人気は低下。監督・主演を兼ねた第2作『ポストマン』(98)では、なんとラジー賞の最悪監督賞と最悪主演賞をW受賞。皮肉にも『ダンス・ウィズ・ウルブズ』と真逆の評価を得てしまった。これ以降、彼はすっかり“過去の人”となり、それなりに意欲作を発表しつつも長い低迷が続くことになる。

 ところが! そんなケヴィンが久々に大復活を果たしたのである。それが全3話のTV映画『ハットフィールド&マッコイ 実在した一族 vs 一族の物語』。19世紀後半に起こった“アメリカ史上最も因縁深い実話”をドラマ化した本格歴史劇だ。

 ガンアクションやサスペンス、禁じられた愛などの娯楽要素をたっぷり盛り込んだこの作品は、まさにアメリカ版大河ドラマ。“テレビ界のアカデミー賞”と呼ばれるエミー賞で5部門受賞し、ケヴィンはゴールデン・グローブ賞(テレビドラマ部門)で主演男優賞をみごと受賞した。

 ケヴィンが演じたのはハットフィールド家の家長アンス。自分の一族への愛ゆえに抗争をエスカレートさせ、世間からは「デビル・アンス」と呼ばれていく男を、いぶし銀の味わいで演じて新境地を開拓。
監督を務めたのは、彼と『ロビン・フッド』(91)や『ウォーターワールド』(95)で組んだケヴィン・レイノルズ。ケヴィン・コスナーの全盛期を支えたもうひとりのケヴィンとの黄金タッグ復活で、現在58歳の彼は再び第一線に返り咲いたのだ。

 そして本作の大成功をきっかけにケヴィン・コスナーには大作のオファーが殺到! スーパーマンの養親を演じる『マン・オブ・スティール』(8月30日公開)をはじめ、ジャック・ライアン・シリーズの最新作『Jack Ryan(原題)』やマック・G監督のサスペンスアクション『Three Days to Kill』主演など、注目作が多数控える。彼を再ブレイクさせた名作『ハットフィールド&マッコイ』、ぜひドラマファンだけでなく映画ファンもチェックしていただきたい。

 『ハットフィールド&マッコイ 実在した一族vs 一族の物語』は4月24日(水)、ブルーレイ&DVDで発売。
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