1992年から1993年にかけて週刊少年ジャンプに掲載された、漫画家・あんど慶周による都市伝説的コミック『究極!!変態仮面』。約1年という短い掲載期間ながらも、ストレートなタイトルと同様のアブノーマルな笑いを含んだ内容は熱狂的信者を生んだ。
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そんな問題山積のコミックが、テレビドラマ『勇者ヨシヒコ』シリーズで知られる新進気鋭のクリエイター・福田雄一によって映画『HK/変態仮面』として初めて実写映像化された。この事件的作品で主演の色丞京介/変態仮面を演じたのが、俳優の鈴木亮平。同コミックの大ファンで、映画化プロジェクトを後押しした俳優の小栗旬に「亮平以外考えられない」と言わしめた逸材である。そんな鈴木が、変態仮面を演じる上でたどり着いた変態の極致と、変態仮面ならではの苦悩と苦労を語ってくれた。
小栗から主演の打診を受けたのは、出演した小栗監督作の映画『シュアリー・サムデイ』の撮影現場だった。鈴木は「ここまで面白い内容の漫画が映像化できなかったのは、やろうと思う役者がいなかったから。僕は実写化不可能と言われると『何? 俳優舐めるなよ』という気持ちになる。話を聞いて単純に面白そうだと思ったし、まさに僕にしかできない役柄。体作りについても、僕ならばある程度のところまで作り上げることができる」と2つ返事で引き受けた。
役作りの上で時間を割いたのは、変態仮面のポージングや動き。原作は静止画でしか表現されていないため、ゼロから作り上げた。
撮影時期は真冬でスケジュールもタイト。
鈴木は「素晴らしい脚本と、あんど先生のアイディアを実写化できただけで勝ったと思う」と言うが「脱げるだけ、面白い芝居ができるだけではなく、人間としての葛藤を表さないといけない。その葛藤があるからこそ、変態仮面に変身したときの高揚感が役柄に生まれる。それがヒーローものの要でもあり、僕がこの作品で一番大切にしたところ」と実直かつ真面目に変態に徹し、色丞京介/変態仮面を立体的に作り上げた彼の姿こそが、作品にとっての一番の勝機になったのは間違いなさそうだ。
映画『HK/変態仮面』は4月13日(土)より全国公開
女性のパンツを顔にかぶり、網タイツを身にまとったほぼ全裸のヒーロー・変態仮面は「映像化不可能」という言葉を地でいく衝撃的ビジュアルだ。
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そんな問題山積のコミックが、テレビドラマ『勇者ヨシヒコ』シリーズで知られる新進気鋭のクリエイター・福田雄一によって映画『HK/変態仮面』として初めて実写映像化された。この事件的作品で主演の色丞京介/変態仮面を演じたのが、俳優の鈴木亮平。同コミックの大ファンで、映画化プロジェクトを後押しした俳優の小栗旬に「亮平以外考えられない」と言わしめた逸材である。そんな鈴木が、変態仮面を演じる上でたどり着いた変態の極致と、変態仮面ならではの苦悩と苦労を語ってくれた。
小栗から主演の打診を受けたのは、出演した小栗監督作の映画『シュアリー・サムデイ』の撮影現場だった。鈴木は「ここまで面白い内容の漫画が映像化できなかったのは、やろうと思う役者がいなかったから。僕は実写化不可能と言われると『何? 俳優舐めるなよ』という気持ちになる。話を聞いて単純に面白そうだと思ったし、まさに僕にしかできない役柄。体作りについても、僕ならばある程度のところまで作り上げることができる」と2つ返事で引き受けた。
役作りの上で時間を割いたのは、変態仮面のポージングや動き。原作は静止画でしか表現されていないため、ゼロから作り上げた。
こだわったのは「指先と腰の角度」だそうで「目指したのは、変態仮面っぽい動きではなく、彼が実在していたらやっているであろう動きやポーズ。だから原作にあっても、生身の人間が演じた場合に変態仮面らしさがなくなるものは却下しました」と徹底的に変態らしさ追及。アクション場面も「動きとしてカッコいいだけではダメ。キックと次のキックに行く間を、“変態”で埋めたいという思いがありました。そのためにアクションとしてのステップが合わずに苦労もしたけれど、妥協したら単なるコスプレになってしまうから」とストイックに徹した。なお、その変態か否かの境界線は「変態仮面になった人間でなければわからないもので、言葉では表せない」と哲学的領域になっている。 顔には女性用パンツ、股間が強調されるブリーフ、網タイツというビジュアルについては「変態仮面の顔は原作で描かれた表情に忠実にするためにマスクを使用しているので、素顔ではない分、まったく恥ずかしくありませんでした。だから本番前の段取り段階でも、花粉症用のマスクをして、恥ずかしさを打ち消していました」と意外な人間の心理で乗り越えた。ただ「衣裳部屋で初めて変態仮面の姿になったときは、鏡に映る自分を見て『あれ、これ本当に大丈夫か? 』とちょっとは思った」と戸惑いがないわけではなかった。衣装は何度も試作を重ねた特注品で、それでも、撮影では「リアルおいなりさんの、ちょいポロリの連続」で「カメラから写らないよう角度に気をつけながら演じていたけれど、共演陣には完全に見えていました。でも撮影も3日を過ぎると、全員がその光景に慣れていましたね」と変態仮面ならではの苦労もある。
撮影時期は真冬でスケジュールもタイト。
変態仮面としてカメラの前に立っているときは筋肉を浮き立たせるため、常に全身に力を入れなければならず、エネルギーの消費量は尋常ではない。しかもほぼ全裸のためにスタントマンを起用すると、その体つきから違いがばれてしまうため、すべてのアクションに吹き替えなしで挑戦。風が吹きすさぶビルの屋上でのバトルシーンの撮影前には「かかりつけの病院に駆け込んで、ビタミン入りの太い注射を打ってもらって挑んだほど」満身創痍だったという。
鈴木は「素晴らしい脚本と、あんど先生のアイディアを実写化できただけで勝ったと思う」と言うが「脱げるだけ、面白い芝居ができるだけではなく、人間としての葛藤を表さないといけない。その葛藤があるからこそ、変態仮面に変身したときの高揚感が役柄に生まれる。それがヒーローものの要でもあり、僕がこの作品で一番大切にしたところ」と実直かつ真面目に変態に徹し、色丞京介/変態仮面を立体的に作り上げた彼の姿こそが、作品にとっての一番の勝機になったのは間違いなさそうだ。
映画『HK/変態仮面』は4月13日(土)より全国公開
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