佐藤健の完璧なコメントに、綾瀬はるか思わず「かっこいい！ 」

　23日、黒沢清監督の最新作『リアル～完全なる首長竜の日～』の完成披露会見が上野・国立科学博物館にて行われ、佐藤健、綾瀬はるか、中谷美紀、黒沢清監督が出席した。

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　本作は、第9回『このミステリーがすごい！』大賞を満場一致という快挙を成し遂げ受賞した乾緑郎によるSF小説『完全なる首長竜の日』が原作。センシングと呼ばれる特殊な医療技術を使い、自殺未遂により昏睡状態に陥った恋人を救うため彼女の頭の中へ入っていくという究極のラブストーリーで、困難に立ち向かう恋人同士の二人を佐藤健と綾瀬はるかが演じる。その他にも、中谷美紀、小泉今日子、オダギリジョー、染谷将太という日本映画界を代表する顔ぶれが揃い、待望の映像化を実現させたのが『CURE』や『アカルイミライ』などで世界各国で高い評価を受け続ける黒沢監督とあって公開前から注目を集めている。

　この日は映画の完成を祝して劇中に登場する国立科学博物館の首長竜（フタバスズキリュウ）のレプリカ前で会見が行われ、佐藤は「この場所でも撮影をしたので、今日は懐かしい気持ちです。この作品は意識の中での演技がほとんどだったので、正解がなくて難しかったんですけど、黒沢監督を信じて、監督の世界観を出来るだけ表現出来るように一生懸命頑張りました」と撮影を振り返った。綾瀬は「今日この首長竜の模型を初めて見て興奮しています。この真下で会見が出来るなんてとても嬉しいです。首長竜大好き！ 」と興奮気味に挨拶。しかし、中谷は「意外と小さくて実はちょっとがっかりしてたんです（笑）映画に出てくる首長竜は大きいし、イノセントな目をしていたので切なくて感情移入しそうになった瞬間があるくらい。劇中の首長竜の方がチャーミングで魅力的です！ 」と話し、報道陣を笑わせた。

　黒沢監督は「意識の中に入るというのは言うは易しで、どう映像化するのか大変悩みながら試行錯誤して撮影を続けました。しかし最終的には、カメラの前で今人気・実力ともに若手NO.1であろう二人の役者が肉体をかけて演じるところを撮ればすべて『リアル』なんだと思い撮影しました。そして、中谷さん含めたキャストの皆さんのおかげもあって、すべてのカットが力強く、楽しめる作品になったと思います」と熱く語り、本作に対する自信を垣間見せた。

　最後に佐藤は「きっと皆さんは、映画は笑わなきゃいけないとか、泣かなきゃいけないとか、理解しなきゃいけないとか、知らず知らずの内にルールが出来ていると思いますが、この映画はルールが違います。是非、天才・黒沢監督の作る世界観を理解するのではなく感じてほしいです。あなたは何を感じるでしょうか」とメッセージを送って締めくくり、完璧な締めの言葉に、綾瀬は思わず「かっこいい！ 」と声を漏らしていた。

　映画『リアル～完全なる首長竜の日～』は6月1日より全国公開。