第66回ロカルノ国際映画祭でダブル受賞を果たした映画『共喰い』のプレミア上映会舞台挨拶が、26日都内にて行われ、菅田将暉、篠原友希子、光石研、青山真治監督、原作者の田中慎弥氏が登壇した。ロカルノ映画祭は、カンヌ、ベルリン、ヴェネチアに並ぶ国際映画祭。
同作は、コンペティション部門に正式出品され、「YOUTH JURY AWARD 最優秀作品賞」と「ボッカリーノ賞最優秀監督賞」を受賞した。

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 本作は、第146回芥川賞受賞作・田中慎弥の同名小説を、『サッド ヴァケイション』『東京公園』などの青山真治が映画化した人間ドラマ。昭和最後の夏の山口県下関市を舞台に、人間の暴力と性を描く。暴力的な性癖がある父を持った17歳の男子高校生の濃密な血と性の物語。エンディングは映画版オリジナルとなっている。

 主演の遠馬を演じた菅田は「先日、監督と一緒にロカルノ映画祭に出席したときもそうでしたが、映画を観てもらえることの幸せをしみじみと感じています」と感慨深げにコメント。


 ロカルノ映画祭は、優れた才能を発掘することに定評があり、これまでスタンリー・キューブリック、ガス・ヴァン・サント、キム・ギドクといった名監督を紹介してきた。若い審査員たちが選ぶ「YOUTH JURY AWARD」賞、また「ボッカリーノ賞」はスイス国内の批評家たちが選ぶ賞。青山監督作品が本映画祭コンペ部門に出品されるのは、審査員特別賞を受賞した映画「東京公園」以来2度目となる。青山監督は「最初の受賞はコネみたいな感じ…」と謙遜しつつも、「今回は褒めていただいて、非常にうれしく思います」と受賞の喜びをかみ締めている様子。

 菅田も「上映後の観客の反応は一生忘れない」と感激を隠し切れない様子。「いろんな意味で運命的な作品。
ぼくの転機になった作品といえます。これからもっと頑張ろうと思ったことがいっぱい詰まっている」と語った。原作者の田中氏は「小説と映画はそれぞれが独立した作品。その違いを感じて欲しい」と語ると、続けて青山監督が「観客の判断にゆだねたい」とメッセージした。

 菅田の父親役を務めた光石は、撮影時のエピソードを聞かれ、「原作者の田中先生は怖い人という印象を持っていたけれど、現場訪問されたときに一緒に写メを撮ってもらったら、満面の笑みで写っていて、それを見せたら友人がビックリしていた」と面白エピソードを披露した。琴子役の篠原は、撮影休みのときにスーパー銭湯に行こうとして違った方角のバスに乗り、田んぼの真ん中で下ろされたことを監督から暴露され、「監督はお酒が好きで、酔っ払うとテーブルに突っ伏してしまう」と応戦していた。


 映画「共喰い」は9月7日より新宿ピカデリーほか全国公開。