剛力彩芽と栗原類。この2人に共通するのは、漫画や小説などの実写化作品への出演が突出して多いことだ。
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松橋氏の話に入る前に、まずは、剛力と栗原のここ1、2年の出演作を振り返ってみたい。剛力は『未来日記‐ANOTHER:WORLD‐』(ドラマ/漫画原作)、『ビブリア古書堂の事件手帖』(ドラマ/小説原作)、『ガッチャマン』(映画/アニメ原作)等の作品に出演し、今後も『黒執事』のほか、2014年4月12日公開予定『L・DK』(映画・漫画原作)、『私の嫌いな探偵』(2014年1月スタートドラマ/小説原作)が控える。一方の栗原に至っては、『みんな! エスパーだよ!』(ドラマ/漫画原作)、『彼岸島』(ドラマ/漫画原作)、『絶叫学級』(映画/漫画原作)、『男子高校生の日常』(映画/漫画原作)、『僕は友達が少ない』(2014年2月1日公開映画/ライトノベル原作)など、出演作のほとんどが原作のある作品なのだ。
そして、1月18日から公開されるミステリー『黒執事』は、全世界でシリーズ累計発行部数が1700万部を突破し、世界42の国と地域で翻訳されている人気コミックが原作で、WEB上にアップされた予告動画を総合計したアクセス数が200万を超えていることからも、同作への注目の高さがうかがえる。そのような作品で、剛力は幻蜂伯爵家4代目当主・幻蜂清玄役、栗原は葬儀屋ジェイ役を演じる。だが、実は2人とも映画オリジナルキャラクターなのだ。
「映画オリジナルキャラクターにしたのは、原作の舞台がイギリスであり、そのままを舞台にしてしまうと、日本人が演じることは不可能と判断したからです」と、同作の松橋プロデューサーは話す。確かに、主人公の執事セバスチャンを除いて登場人物は一新され、舞台も19世紀のイギリスから、西洋と東洋の文化が入り混じる近未来の大都市に変更されている。ここまできたら、もはや原作アリの作品と呼んでいいものなのか――そんな思いが頭をよぎるが、世界観などは原作を踏襲しているとのこと。 「結局、原作にある世界観、設定をどう実写に反映するかは、その参考になるキャラクターの本質はなにか、だと思います。
栗原については、「彼がこの『黒執事』の世界観に合わないと思う人はいないんじゃないでしょうか」と、松橋氏は断言する。「西洋と東洋の入り混じったゴシック調の近未来世界に、“いればハマる”存在です。また、ストーリーを構築する上でシリアスな部分を強調せざるをえないのですが、原作を好きな人は、そんなシリアスな世界の中のコミカルな部分が好きなはず。彼には主に、そのコミカルな部分を担当してもらい、かつ耽美な世界を表現する上で欠かせないキャスティングでした」。 また、松橋氏は実写化のキャスティングについて、こうも話す。
「特に日本の場合は、漫画が身近でキャラクターのイメージも強いため、漫画などの実写化作品でキャスティングする際、最も気を付けなくてはいけないのが、キャラクターのイメージと役者のイメージが近いということ。それゆえ、この役者さんは漫画の実写化に向かない、向いている等はないと思っています。演技力があるのは常に大前提ですが、例えば、本作の主人公である執事・セバスチャン役を水嶋ヒロ、その主人を男装した剛力彩芽が演じることで、原作のイメージとかい離しない映画が作れるのであって、イメージに近い役者がつかまらない、あるいは、いないのであれば、そんな映画は作らないほうがいいし、イメージにぴったり当てはまる役者の登場を待ったほうがいい」。
多くの原作キャラクターを演じられる。それはつまり、役者本人に強烈な個性がないということだろう。だからこそ、原作のある作品への出演依頼が多い。ただ、その個性のなさは、武器にもなれば弱点にもなる“諸刃の剣”である。同じく、原作がある作品は、オリジナル作品に比べると知名度や注目度が高い分、絶賛も批判も突出する傾向が強い。そんななかで、抜群の注目を集める『黒執事』での剛力と栗原、作品自体の評判や、いかに。公開が楽しみだ。
なぜ製作サイドは、剛力と栗原の2人を起用するのだろうか。2人が出演する最新作『黒執事』(2014年1月18日公開)の企画立ち上げから携わる松橋真三プロデューサーに聞いた。
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松橋氏の話に入る前に、まずは、剛力と栗原のここ1、2年の出演作を振り返ってみたい。剛力は『未来日記‐ANOTHER:WORLD‐』(ドラマ/漫画原作)、『ビブリア古書堂の事件手帖』(ドラマ/小説原作)、『ガッチャマン』(映画/アニメ原作)等の作品に出演し、今後も『黒執事』のほか、2014年4月12日公開予定『L・DK』(映画・漫画原作)、『私の嫌いな探偵』(2014年1月スタートドラマ/小説原作)が控える。一方の栗原に至っては、『みんな! エスパーだよ!』(ドラマ/漫画原作)、『彼岸島』(ドラマ/漫画原作)、『絶叫学級』(映画/漫画原作)、『男子高校生の日常』(映画/漫画原作)、『僕は友達が少ない』(2014年2月1日公開映画/ライトノベル原作)など、出演作のほとんどが原作のある作品なのだ。
そして、1月18日から公開されるミステリー『黒執事』は、全世界でシリーズ累計発行部数が1700万部を突破し、世界42の国と地域で翻訳されている人気コミックが原作で、WEB上にアップされた予告動画を総合計したアクセス数が200万を超えていることからも、同作への注目の高さがうかがえる。そのような作品で、剛力は幻蜂伯爵家4代目当主・幻蜂清玄役、栗原は葬儀屋ジェイ役を演じる。だが、実は2人とも映画オリジナルキャラクターなのだ。
「映画オリジナルキャラクターにしたのは、原作の舞台がイギリスであり、そのままを舞台にしてしまうと、日本人が演じることは不可能と判断したからです」と、同作の松橋プロデューサーは話す。確かに、主人公の執事セバスチャンを除いて登場人物は一新され、舞台も19世紀のイギリスから、西洋と東洋の文化が入り混じる近未来の大都市に変更されている。ここまできたら、もはや原作アリの作品と呼んでいいものなのか――そんな思いが頭をよぎるが、世界観などは原作を踏襲しているとのこと。 「結局、原作にある世界観、設定をどう実写に反映するかは、その参考になるキャラクターの本質はなにか、だと思います。
例えば、剛力さん演じる清玄は、(原作のもう1人の主人公)シエルではありません。ですが、どちらもセバスチャンが仕える人物であり、無関係ではいられません。そこで、原作のシエルが持つ重要なキャラクターの要素である“永遠の少年性”、つまり、妥協せず、正義や信念をずっと持ち続けるという、その大事な要素を清玄の外見的な部分で表現するには、永遠に年を取らない、“少女が少年を演じる倒錯性”が必須だろう、と。だからこそ、女が男装しても違和感を覚えない、剛力さんがピッタリだったんです」。
栗原については、「彼がこの『黒執事』の世界観に合わないと思う人はいないんじゃないでしょうか」と、松橋氏は断言する。「西洋と東洋の入り混じったゴシック調の近未来世界に、“いればハマる”存在です。また、ストーリーを構築する上でシリアスな部分を強調せざるをえないのですが、原作を好きな人は、そんなシリアスな世界の中のコミカルな部分が好きなはず。彼には主に、そのコミカルな部分を担当してもらい、かつ耽美な世界を表現する上で欠かせないキャスティングでした」。 また、松橋氏は実写化のキャスティングについて、こうも話す。
「特に日本の場合は、漫画が身近でキャラクターのイメージも強いため、漫画などの実写化作品でキャスティングする際、最も気を付けなくてはいけないのが、キャラクターのイメージと役者のイメージが近いということ。それゆえ、この役者さんは漫画の実写化に向かない、向いている等はないと思っています。演技力があるのは常に大前提ですが、例えば、本作の主人公である執事・セバスチャン役を水嶋ヒロ、その主人を男装した剛力彩芽が演じることで、原作のイメージとかい離しない映画が作れるのであって、イメージに近い役者がつかまらない、あるいは、いないのであれば、そんな映画は作らないほうがいいし、イメージにぴったり当てはまる役者の登場を待ったほうがいい」。
多くの原作キャラクターを演じられる。それはつまり、役者本人に強烈な個性がないということだろう。だからこそ、原作のある作品への出演依頼が多い。ただ、その個性のなさは、武器にもなれば弱点にもなる“諸刃の剣”である。同じく、原作がある作品は、オリジナル作品に比べると知名度や注目度が高い分、絶賛も批判も突出する傾向が強い。そんななかで、抜群の注目を集める『黒執事』での剛力と栗原、作品自体の評判や、いかに。公開が楽しみだ。
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