【関連】『絶狼 <ZERO> ‐BLACK BLOOD‐』場面写真
2005年にテレビ東京系の深夜枠で放送された『牙狼<GARO>』は、テレビドラマの水準をはるかにしのぐクオリティーで、特撮ファンの間でも大きな話題となった。その後、シリーズ化された『牙狼<GARO>』は、劇場公開版やゲームなどのメディアミックスを展開し、成功を収めている。
小林と『牙狼<GARO>』シリーズの接点は、2011年から放送された『牙狼<GARO>~MAKAISENKI~』第5話の脚本を担当したところにさかのぼるが、「雨宮(慶太)監督から『もう一度やりませんか?』って声をかけていただいたんです。最初は1本の映画という企画だったのですが、紆余曲折を経てテレビシリーズで6本、そしてそれを劇場公開するということになったんです」と本作を執筆した経緯を語る。
本作で主人公を務めたのが『牙狼<GARO>』シリーズでも登場していた藤田玲演じる魔戒騎士・涼邑零。「雨宮さんが『とにかく格好いい零を見せたい。牙狼シリーズでは出せなかった零を描きたい』と仰っていたんですね。(前シリーズの主役・冴島)鋼牙と比べると零は人間ぽい部分があったので、キャラ同士の絡みでちょっと冗談を言えるような軽いテイストにすると零の魅力が出るのではないのかなという所は意識しました」。新たな一面を見せた零は、人間味あふれる姿でスクリーンを躍動するが、「今回はキャラクターが転がっていくというよりも、ライブ感あるストーリーが物語を引っ張っていった感じですね。初めての経験なのですが、プロットを作らず、いきなりシナリオを書いたんです。週刊連載みたいなノリですね」と小林は執筆秘話を明かした。
『進撃の巨人』や『ジョジョの奇妙な冒険』など大人気アニメの「シリーズ構成」を担当している小林。
小林が手掛けている『進撃の巨人』をはじめ、人気漫画・アニメの実写映画化は近年のトレンドになっている。「『進撃の巨人』の実写化の話を聞いたときは『えぇ~』って驚きましたよ。率直に大変だなって(笑)。
そんな小林に、「もしアニメの実写映画化の脚本を書きませんか?」という話があったらどうするかを聞いてみると、「作品によるかもしれませんね。大変すぎるので(笑)。まあ、脚本は普通に書けばいいのですが、映像にしたときのことを考えると、あまり突拍子のないものを書いても……。お金もかかりますしね。ただ、脚本段階であまり『こんなの無理だろう』ってブレーキをかけちゃうと、小さな本になってしまうので、あまり萎縮はせずには書くんでしょうけど(笑)」と苦笑いを浮かべながら胸の内を明かしてくれた。
「主役の零と(武子直輝演じる)カイン、(梨里杏演じる)ユナとの絡み、これまでとは一風変わった敵である、セイン・カミュさん演じるリング、それについている(野本かりあ演じる)イユなどキャラクターたちとのやり取りが、映画の一本のシーンになっている部分を見て欲しい」と本作アピールした小林。さらに「高野八誠さん演じる『仲井間』というキャラがいるのですが、いい人でもなく凄く悪い人でもない、極端に言うとネズミ男みたいなんです。お気に入りのキャラなのでぜひ注目してください」と脚本家ならではの視点で見どころを語った。
映画『絶狼 <ZERO> ‐BLACK BLOOD‐ 白ノ章』は絶賛公開中。『絶狼 <ZERO> ‐BLACK BLOOD‐ 黒ノ章』は3月22日より、シネ・リーブル池袋ほか、全国8館にて公開。
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