モデルやバラエティ番組出演で一躍知名度をあげると、女優としても活動の場を広げている菜々緒が、『白ゆき姫殺人事件』で、遂に映画初出演を果たす。複雑に入り組んだストーリーが魅力の本作で、謎の死を遂げる美人OLという難しい役どころに挑んだ菜々緒が、映画出演、そしてメディアへの率直な思いを語った。


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 本作は、『告白』などベストセラー小説を立て続けに発表している湊かなえの小説を映画化したサスペンスドラマ。誰もが認める美人OLの三木典子(菜々緒)が何者かに惨殺される事件をめぐって、典子と同期入社で地味な存在の女性・城野美姫(井上真央)に疑惑の目が集まる。ワイドショーの取材によって、さまざまな噂が駆け巡る中、何が真実なのか、関係者は翻弄されていく。

 菜々緒は、今作で「スタイル抜群、誰もがうらやむ美人」というそのビジュアルにぴったりな役どころ。しかし、次々に明かされる関係者の証言に合わせて同じ人物ながら「天使」にも「悪女」にも演じ分けなければならないという難しい役でもある。

 「(同じシチュエーションで2つの人格を演じる場面では)最初は『いい典子』を撮影するといわれて、感謝の気持ちを伝えて礼儀正しい女子社員として演じます。その後に、『イメージの悪い典子』を撮るという方法だったので、面白くはありました」と本作ならではの撮影を振り返る菜々緒。

 「自分自身ではわからないところもあるので、客観的に見てどう思うかを監督さんやスタッフさんにアドバイスいただいて、演技に反映させるようにしました」と、苦労も多かったであろう役柄を語る。そもそも、菜々緒にとって、本作は映画初出演作でもある。

 「石けん工場での撮影、オフィスでの撮影、長野ロケで殺人現場を撮影する、すべてが初めてでした。わからないことは素直に聞かせていただきましたし、自分がこうと思ったものだけを追求するのではなくて、色んな人から客観的に意見をもらうことが大事だと思っていたので、監督さんを始め、多くの方とお話をさせていただきました」。 初めてという苦労をまったく感じさせず淡々と話してくれた菜々緒だが、実際には撮影中は大変なことも多かったのだろうと想像する。


 菜々緒は、この日のインタビューでも自身のことを「このお仕事を始める前の、学生の時期から、会ったこともしゃべったこともない人に嫌われるという経験が結構多かった」と話している。

 クールな印象のビジュアルと、包み隠さない物言いが冷たいイメージを人に与えているのであろう。だからこそ、大変な撮影にも苦労がにじまないし、本作の「証言する人によってその人物のイメージが変わる」ことにも理解を示す。「(私自身)会ったことない人が(私に対して)受けるイメージと会った時のイメージが違うという人が多いですね。『なんだ、そのまんまなんだね』っていわれることが多いので、ある意味、接点を持っていない人には多面性を持っているように見えるのかなと思います」。

 本作で鮮烈なスクリーンデビューを果たした菜々緒。最後に、菜々緒自身の今後について尋ねると、「お芝居の楽しさもわかってきたので、自分に合う役柄がある限りはずっと続けていきたいなと思っています」と話す。「今回、初めて映画をやらせていただいたんですが、舞台にもすごく興味があります。目の前でその場で反応が返ってくることに、すごく興味がありますし、舞台も視野に入れてお芝居の勉強もしていけたらと思ってます」。今後も女優としての菜々緒に注目したい。(取材・文・写真:嶋田真己)

 『白ゆき姫殺人事件』は3月29日より全国ロードショー。
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