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門戸は広いが、スターになるには相当厳しいハリウッドの映画業界。さらに、日本人のキャラクターであっても、演じる人間は日本人である必要がまったくなく、マーケットは米国に次ぐ世界第2位の規模になった中国重視と、この状況は、追い風とは言い難いだろう。そのような状況下、真田広之が活躍できる理由を、コリン・ファース、ニコール・キッドマンらと共演した最新作『レイルウェイ 運命の旅路』(4月19日公開)を配給するKADOKAWAに聞いた。
「まず、真田さんの本作への出演経緯ですが、キャスティング段階でプロデューサーと知り合いだった弊社の社員が、日本人の俳優で適任な俳優がいないかとの相談を受けており、真田さんのことをお伝えしていました。その後、プロデューサーは真田さんに会い、スカイプで長時間話したそうです。そして、『彼は日本の大スターであり、威厳や気品を持ち合わせた尊敬されている俳優。彼と話してみて、(本作で真田が演じる)永瀬隆という役の持つ役割を理解していると感じた』と、真田さんに決定しました」。
確かに、日本人をキャスティングする際、メジャー映画会社には、たいてい日本支社を有しているため、こういうイメージに合う俳優を何人かピックアップしてほしいと連絡があり、そこから進んでいくことが多い。となると、今が旬だったり、取材の人が呼べそうだったり等、様々な日本サイド的な思惑が絡んでくる。だが、「真田広之さんはちょっと違う」と、別の関係者は口にする。 「真田さんの記者会見をする際、来日会見と記されるように、彼はロサンゼルスに拠点を移し、(ロサンゼルスの)エージェントとも契約。
また、前述のKADOKAWAの担当者はこう話す。
「真田さんは、日本人役だけでなく、必ずしも日本人ではなくてもいい役にキャスティングされている力のある方です。それは、ハリウッドが求めるレベルの演技力、身体能力、語学力が備わっているから。また、着実に実績をつんでいっているのも、プラスに働いていると思います。実際、真田さんに対して、(『レイルウェイ~』の)現場から聞こえてきた声は、まじめで、準備もよくしているプロフェッショナルと、評判は上々。さらに、主演のコリン・ファースとは同年齢だということもあり、イギリスのロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの舞台の話や演技論で盛り上がり、とても仲良くなったそうです」。
現在、真田はハル・ベリー主演のスリラードラマ『Extant(原題)』、サンドラ・ブロックと共演するアニメ映画『The Minions(原題)』が待機中と引く手あまた。ハリウッドでの真田需要は、まだまだ続きそうな気配だ。