「ヤラセと演出の境界線はどこ?」フェイク・ドキュメンタリー白石晃士監督に聞く

 映画でもテレビでも、発覚すれば何かと話題になり、炎上する“ヤラセ”。だが、ドキュメンタリーにも台本は存在し、やみくもに映像を撮って制作しているわけではない。では、“ヤラセ”と“演出”の違いはどこにあるのか。『ノロイ』『口裂け女』などの映画を手がけ、最新作『戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 史上最恐の劇場版』の公開が5月3日に控える、フェイク・ドキュメンタリーの名手、白石晃士監督に話を聞いた。

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 「“これはドキュメンタリーである”というスタンスでありながら、視聴者や観客に気づかれないよう、現実に手心を加えたものが“ヤラセ”なわけですが、演出との違いという境界線はほとんど曖昧で、違いはないと言っていいでしょう。フィクションも現実を四角いフレームで切り取ったドキュメンタリーの集積であり、そういう点では、実はドキュメンタリーと変わりません」。

 このように、白石監督は“演出”と“やらせ”の違いについて、ズバリと答えを出してくれたが、さらに詳しく説明を続ける。

 「“演出”とは、その作品を面白くするために仕掛けられた工夫を客観的な言葉で表現したものであり、“ヤラセ”とは、演出内容について個々が主観的な言葉で表現したものであるという、ただそれだけです。強いて言えば、作品上“やっていない”というスタンスで加えていたスタンスが世間に露呈した際、世間の大多数が『演出だ』と思えば演出であり、『ヤラセだ』と認識すればヤラセである。それは多分にマスコミの扱いや時流によって変化するものです。その判断は主観的なものでしかなく、“正しい正しくない”の基準は、人それぞれの価値観による“不愉快か否か”でしかありません。人の価値観が千差万別である以上、そこに絶対的基準を設けることはできないのです」。
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