18歳以上が鑑賞できる“R18+”映画。現在公開中の『ニンフォマニアック Vol.1』(Vol.2は11月1日より公開)、クエンティン・タランティーノが大絶賛したイスラエル映画『オオカミは嘘をつく』(11月22日公開)、キム・ギドク最新作『メビウス』(12月6日公開)など、粒ぞろいのR18+映画が揃っている。
単純に考えて、鑑賞制限がかかっているのだから、デメリットばかりな気がするのだが、実際のところ、どうなのだろうか。R18+映画を探ってみた。

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 日本における、映画のレイティング審査は映画倫理委員会によって行われ、誰でも見られるG、小学生には助言・指導が必要なPG12、15歳以上が鑑賞できるR15+、そして、R18+と4段階にわかれている。だが、「明確な審査基準は存在せず、審査する人の主観に頼ることもあります。それゆえ、R18+と指定された映画が、『わいせつか芸術か』と度々議論されるように、その判断に疑問の声があがることも少なくない」と、関係者は口にする。

 だからこそ、製作前の準備が重要となるそうだ。

 「大きな規模で公開する作品、テレビ局が出資などに絡む作品では、R指定がついてしまっては特に弊害があります。ゴールデンタイムでのCMが制限されたり、番組での映画紹介時に作品の映像を流すのが難しくなってしまったりして、マスに向ける宣伝が難しくなるからです。そのため、製作の段階から、どのような表現をすればレイティングに引っかからないのか、精査しながら慎重に進めていきます。反面、映像表現にこだわりのある監督などがテレビ局出資の映画を監督した際、表現の制限によりぶつかることも多い」。

 さらに、こうも付け加える。

 「R18+になると、クレームに対する予防線として自主規制がなされ、メディアでの露出が難しくなります。
それだけでなく、チラシやポスターの設置等も制限されるなど、露出の制限は大きなマイナス要素となり、作品自体を色眼鏡でみられてしまうことも少なくありません。また、過度のバイオレンスや性表現を含んだ作品を大勢の人と一緒にスクリーンで鑑賞するということ自体が苦手な人も多く、特に女性の鑑賞の選択肢から外れてしまうのが痛い」。 なんともデメリットだらけのR18+映画だが、逆に、メリットはあるのだろうか。

 「ミニシアター系や公開規模が小さいもの、作家性の強い作品などに関しては、R指定がついていることを逆手に取って宣伝でき、扇情的に過激さをあおり、興味を引くこともできます。その際、ただ単に過激さのみをアピールするのではなく、監督のこだわりを汲み、作品の本質をきちんと伝えていくことが大切です。そうすることで、レイティングの壁を越えたヒットがうまれ、そこに作品に対する高い評価が伴うと、世間の色眼鏡も外れ劇場での鑑賞のハードルが低くなる」。

 今後、芸術性の高い話題作が控えているR18+映画。人目を気にせず、劇場でのR18+映画を鑑賞してみてはいかがだろうか。
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