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原作は榎屋克優による人気ロック漫画。『SR サイタマノラッパー』シリーズなどの入江悠が監督し、ヒロインに二階堂ふみを迎えた本作で、野村はダサくてモテない、でもロックに対する情熱だけは負けない拓郎役で、ハイテンションに突っ走る。
これまで音楽にはほぼ接してこなかったという野村。クランクインまでの約4ヵ月は、歌とギターの練習に明け暮れた。「やっぱり演奏シーンでの拓郎の豹変ぶりを一番に出せたらと思っていましたから。普段の冴えない拓郎と、ロックに没入しまくるライブシーンでの拓郎。イチからのスタートでしたが、エレキギターもやってみたらおもしろくて。原作で拓郎がエレキをアンプに繋いでかき鳴らしたときの、ブオ~ン、ジャ~ン、うぉ~!って感じが、すごく分かりました(笑)」。イン前の役作りは、髪型にも及んだ。
「それまで髪の毛をいじったことがなかったんです。
「感情移入というよりも、撮影していた期間はずっと拓郎だった気がするんです。ただ拓郎を生きていたというか。普段は僕自身に戻るんですが、今回は3週間で撮りきったこともあって、プライベートな時間が取れなくて。要は野村に戻る時間がなかった(笑)。でもそれが功を奏してずっと集中していられたというか、拓郎になれたんです」。
拓郎として、本作で弾けきった野村。「自分のシーンでは満足いっていないところもありますけど」と前置きした上で、「さすがにちょっとだけ、その(弾けきった)実感はあります」と照れ笑いを浮かべた。特に2日にわたり撮影したという雨の中での屋上ライブパフォーマンスには、拓郎たちの“本気”が画面からはっきりと伝わってくる。
「恋愛から殺人鬼まで何でもできる俳優になりたい」という野村。その目標は決して高くはない。だがまずは拓郎の情熱に触れるのが先だ。(取材・文・写真:望月ふみ)
『日々ロック』は11月22日より全国ロードショー。