宮藤官九郎脚本『ごめんね青春!』のトランスジェンダー、コスメ役で大きな注目を集めた小関裕太の主演作『Drawing Days』が公開を迎える。同作は、絵描きになる夢を心に秘めた19歳の青年・夏生が、夫を亡くした60歳の女性とルームシェアすることになり、自分の道を見出していく物語。
今回、ハタチにして芸歴10年以上の小関へのインタビューから伝わってきたのは、“変化し続ける”意思だった。

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 そもそも同作は、今年6月8日に20歳になった小関の「BirthDayスペシャルイベント」にて上映された作品。「昔から映画が作りたかった」という小関は企画段階から携わり、原桂之介監督に「きっかけはバースデイイベントですが、イベント用というより、思いを込めて作った映画をイベントで披露したいんです」と気持ちを託したという。

 小関は「作品自体も温かいし、作ったみんなの温かな思いも映っている。胸を張って好きだと言えます。だからこそ、映画館で上映してほしいと思ったし、それが叶って嬉しいですね。ただ、本当はこの上映を皮切りに、より多くの劇場でかけてもらえたら一番です」とほほ笑む。

 主人公の“変化”を見つめている点を特に気に入っているという小関は、自身も「常に自分と向き合って変化していきたいという思いが強い」と言い切る。なかでも19歳からハタチは、人生における大きな節目だが、小関からは次のような答えが返ってきた。 「ハタチになったらどう変わるんだろうと考えていた頃もありました。でも19歳のときに、ハタチになったらどう変わるかじゃなくて、それまでに何を培ってきて、実際にその時を迎えたとき、どう変わっているかが重要なんじゃないかと気付いたんです。だから大きかったのは19歳です。
ずっと行きたかったNYで初めての一人旅をしたり、写真集を作ったり」。さらに「実は変化という意味では年齢は関係なくて、常に今が大事だとも気付きました」と続けた。

 小関といえば、冒頭に挙げた『ごめんね青春!』が記憶に新しいが、2006年から2009年まで出演していた『天才てれびくんMAX』で知っている人も多いはず。その後は活躍の場の多くを舞台に移し、ふたたび映像の世界で躍進し始めた。子役から上手く俳優へと移行したひとりだが、これも常々“変化”へのアンテナを張ってきたからかもしれない。

 「子役から大人の役者へ変わるタイミングは難しいとずっと言われてきましたが、気づいたら環境も意識も変わっていました。神木隆之介くんや須賀健太くんとも仲良しなんですけど、みんな知らないうちに俳優と言われるようになったと。僕もそうです。本作でもすごくいい経験をさせていただきましたが、これからもいろいろな方に出会って、影響を受けて、今までにない自分を見つけながら進んでいけたらと思っています」。(取材・文・写真:望月ふみ)

 『Drawing Days』は8月8日より渋谷シネクイントにて1週間限定公開。

スタイリスト澤崎
シャツ,パンツ(CYDERHOUSE/Revelations)
靴(BUTTERO/HIGH BRIDGE INTERNATIONAL)
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