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『監獄学園』は「週刊ヤングマガジン」(講談社)で連載中で、現在単行本が18巻まで刊行されている。作者は平本アキラ。この名前でピンとくる人もいるかもしれない。2009年まで人気漫画「アゴなしゲンとオレ物語」を連載していた漫画家である。ただし、その初期のイメージのまま『監獄学園』を開くと、あまりのギャップに驚くかもしれない。なぜかって、『監獄学園』はめちゃくちゃ画力が高いのだ。
しかも、単に絵がうまいというだけではない。もしあなたがアニメから入り、原作漫画を読んだとしたら、ストーリーはもちろんだが、カメラワークや演出まで含めてあまりにもアニメそのままであることに驚くだろう。それはつまり、原作がそのままアニメ化に耐えうる“動き”を持っているということでもある。
もう少し踏み込んで考えてみよう。『監獄学園』がアニメ的である理由の一つは、作者である平本アキラが「カメラ」の使い方を熟知しているからだ。
通常、こうした広角レンズで遠近感を強調したり、ローアングルで煽って迫力を出すという手法は、バトル漫画などで多用される。有名どころだと、「ONE PIECE」を思い浮かべるとわかりやすい。「監獄学園」のコマの一つひとつに臨場感があるのは、この「カメラ」の使い方がおそろしく洗練されているから。原作漫画を読んだときに感じる“アニメを見ているような感覚”は、ここに理由があるのだ。
原作の魅力は絵や演出だけではない。平本アキラが天才と呼ばれるのは、彼が絵がうまいだけの漫画家ではなく、稀代のストーリーテラーでもあるから。アニメを見ている人なら十分に理解していると思うが、原作ではあのハチャメチャな設定とストーリーを18巻にもわたって破綻なくまとめあげており、むしろラストに向けてどんどんおもしろくなっているのだからスゴすぎる。
魅力的なキャラクター、そのままアニメ化が可能なレベルの動きのある美麗な絵、そして18巻まで進んでも衰えないストーリーの面白さ。アニメもすごいが、原作はもっとすごい。
『監獄学園』という作品なのだ。
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