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個人的にはチャンバラ活劇を期待して親と観に行ったら、風呂場で結構な濡れ場が繰り広げられて困った89年版『座頭市』の悲劇が思い出されますが、そもそも『エマニエル夫人』『ナインハーフ』といった作品はもう露骨に個人観賞用なので、これを家族で観ようだなんて愚行はまずおかさないと思います。
「新年だし、ここは日本らしい娯楽作でも観るか!」というその心意気やよし、なのですが、ここで『トラック野郎』シリーズをチョイスしようものなら間違いの始まり。人情喜劇に日本各地の風情やお祭りを取り込み、日本映画史にさん然と輝く金字塔たる本作ですが、“ある”問題シーンが続出するため家族鑑賞には向きません。ただ、菅原文太演じる桃次郎は男ならかくありたいと思わせる豪傑ぶりなので、男の子をお持ちの方は成長の度合いを見て薦めてみるとよいでしょう。情操教育にも役立つ名シリーズです。
続いて、「ヒット作だし可愛いし、いいか」なんて『アナ雪』気分でチョイスすると痛い目を見るのが『テッド』シリーズ。テッドが度々いけないものを吸ったり、あんなことやこんなことなど、子どもはまだ知らなくていいことのオンパレードです。質問攻めに遭い、親としての器量が試されること請け合い(そもそもこのシリーズはR指定)。子どもにとって、下ネタは「う○こち○ち○」だけでいい時代というのがあると思います。 また、年末年始は地上波で新旧様々な映画が放送される時期ですが、そこをきっかけに「過去作を振り返ってみよう!」なんて思った時も要注意。
同様に、絶賛公開中の感動作『クリード チャンプを継ぐ男』の余韻に浸りながら、シルヴェスター・スタローン主演の『スペシャリスト』を選んではいけません。スタローン芸人スタスタローンさんも「エロい映画かと思った」と目を疑った、めくるめくラブシーンが大展開です。なお、これまたスタローン主演の『ザ・イタリアン・スタローン』も絶対に手に取ってはいけません。
後々まで残る家族のトラウマシアター、ではなく、2016年が清々しく健やかな幕を開けとなることをお祈りします。(文:しるべ寿太郎)
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