【関連】涙が溢れる感動作! “親子の愛”が描かれている映画<フォトギャラリー>
現在公開中の『湯を沸かすほどの熱い愛』。突然の余命宣告を受けた母が、学校でイジメられている娘を自立させたり、夫が出て行ってしまったため休業していた銭湯を再開させたり、4つの絶対にやるべきことを実行していくことによって、残された人間に懸命に生きることの大切さを伝えていく物語。
幼い子を残してこの世を去らなくてはならなくなった親の無念――テーマとしては昔から語られている普遍的なものだが、宮沢りえ演じる母・双葉はとにかくブレずに、すさまじいほどのエネルギーを身体全体からほとばしらせる。その熱量は娘をはじめ、戻って来た夫、さらに複雑に絡まる家族を取り巻く人間関係すべてに伝わり、深い感動へと収束していく。とは言いつつ、決して「お涙ちょうだい」作品ではなく、ジワリと内から感情が湧き出てくるような気分にさせる中野量太監督の演出に胸を打たれる。
次に紹介するのは、母を演じたブリー・ラーソンが第88回アカデミー賞主演女優賞を受賞した映画『ルーム』。監禁された女性が犯人の子供を宿し、出産。生まれてきた息子には、小さな裏庭の小屋が「あなたの“世界”」であると言い聞かせ、彼の成長を一途に見届ける。しかし、息子が5歳になったある日、部屋からの脱出を試みる。本作の見どころはこの“脱出”という部分よりも、脱出後の“世界”にあると思う。監禁から逃れた母子が直面する新しい“世界”は決して幸せなことだけではなかったのだ。
その他、ショーン・ペンとダコタ・ファニングが共演し、知的障害を持つ父親と、幼い娘との純粋な愛を描いた『アイ・アム・サム』やシングルマザーの母と一人娘の衝突や絆を描いた『ステラ』も温かい涙がこみ上げてくる感動作となっているので、是非じっくりと見てほしい。
また、邦画ではこの秋、『湯を沸かすほど熱い愛』以外にも、『バースデーカード』、『ボクの妻と結婚してください。
<“親子の愛”が描かれている映画5選>
『湯を沸かすほどの熱い愛』(16)
『ルーム』(16)
『幸せのちから』(06)
『アイ・アム・サム』(01)
『ステラ』(90)
『湯を沸かすほど熱い愛』は全国公開中。『ルーム』『幸せのちから』は「クランクイン!ビデオ」にて配信中。