空港で、外国人に突撃取材を敢行する大人気バラエティ『
YOUは何しに日本へ?』。面白そうなプランを持った外国人に密着し、彼らの旅を一緒に楽しむとともに、日本の良さを再発見することができるとして、老若男女を問わず、ファンが多い番組だ。
そんな番組の “名物”とも言える人気外国人がいる。ドイツ人のマーティンだ。今回、マーティンと、彼に同行し続けた森ディレクターが旅の思い出を語ってくれた。
【関連】『YOUは何しに日本へ?』マーティン&森ディレクター<フォトギャラリー> そもそもマーティンが、人気を博すきっかけとなった「日本縦断自転車旅」は、2回目の来日だった。1回目は、横浜でインターンシップを経験。自転車の旅の来日時は、「ドイツでの日常に疲れて、キャンピングカーで暮らしていたんです。それにも飽きた頃、日本にもう一回行って、キャンピングカーで旅をしたいと思い立ちました。でも、それは難しかった。それでも、日本に行こうという思いがあったから、とりあえず行ってその場で考えようと」飛行機に乗り込み、到着した成田空港で森ディレクターに出会ったのだという。
日本への飛行機の中で、たまたま見たガイドブックに「日本ではどこでもキャンプすることができる」と書いてあったのを見て、自転車で旅をすることを決めたというマーティン。そんな彼は、青森へ行き、そこで運命の自転車「ダブルフロントライト」に出会う。この自転車は、40年ほど前に人気を博した、レトロな自転車だ。
森ディレクターは、「この自転車を彼が見つけて買った瞬間は、『これでやっと東京に戻れる、ロケの終わりが見えた』って、一番嬉しかった(笑)」と当時を振り返る。さらに、森ディレクターは「マウンテンバイクだったり、あるいはママチャリでもテレビ的には面白いかなとか、色々と予測はしていたんですが、見つけたのが、僕が若い頃に一大ムーブメントを起こした自転車。これはあり得ないな。マーティンは何か持っていると思いました」とそのマーティンの引きの強さに、興奮すらしたと明かす。 そんな運命的な出会いが重なって始まった自転車の旅だが、マーティンがひたすら笑顔で「
ノープラン」の旅を楽しむ姿を描きながらも、森ディレクターとの絆が深まっていく姿も印象的に映し出している。マーティンは「彼は、ドイツにもきてくれて、キャンピングカーにも泊まってくれた。モスクワでの結婚式にも出席してくれました。もう友人なんです」とにっこり。森ディレクターも「番組を通して大切な友人の一人と巡り会えたことは、とても大きいことでした。不思議と日本語でも意思疎通ができることもあったりと、徐々に友情が深まってきたのかなと思います」と語ってくれた。
この2人の友情は、その後の、ユーラシア大陸を車で横断する「ネコバス」の旅でさらに深まったようで、「僕の実家の彦根にマーティンを呼んだこともあるんです」と森ディレクターは打ち明けてくれた。
さらに、マーティンは、この旅を「ノープランの旅でもこれだけのことができた。
これをきっかけにプランなしでも行動できるようになった」と改めて振り返る。「旅の醍醐味は、見て楽しみ、食べて楽しむこと。自転車は、すぐに写真を撮るために止まることもできるし、ゆっくりと景色も見られる。歩きと違って、距離も進むしね」。
11月23日には、彼のこの自転車旅の全貌を収めたDVD『YOUは何しに日本へ?マーティン&ニセコYOU編』も発売される。マーティンと森ディレクターの、笑えて感動する日本旅を今一度、楽しんでもらいたい。(取材・文・写真:
嶋田真己)
『YOUは何しに日本へ?マーティン&ニセコYOU編』、『YOUは何しに日本へ?指差し
2人組編』は、11月23日発売。価格はそれぞれ2800円(税抜)。