彼がひとたびつぶやけば、惹きつけられずにはいられない。強烈な存在感を持った俳優・佐藤二朗。
出演映画『RANMARU 神の舌を持つ男』の公開を記念して、「佐藤二朗さんと行く・秘湯の旅」なる旅行ツアーが敢行されることを聞きつけた。とはいえそれなりのお値段がするこのツアー。一体どんなコアなファンが集うのか。そして佐藤とどんな交流を育むのか。興味津々で参加してみた。

【関連】『RANMARU 神の舌を持つ男』佐藤二朗さんと行く・秘湯の旅フォトギャラリー

 本ツアーは、映画のロケ地ともなった山梨県の秘湯・赤石温泉を訪ね、夜は佐藤との宴会を楽しめるもの。映画の聖地巡礼もできる上、佐藤との飲み会でロケの裏話も聞けてしまう、佐藤ファンには見逃せないツアーだ。

 夜までそれぞれに赤石温泉を楽しみ、露天風呂や、「水回通輪(スカイツウリング)」と名付けられた水車、ピースサインを飾り付けた金運パワーの木など、ご主人こだわりのスポットを堪能。堤幸彦監督の遊び心にも通じるそのセンスに、どこまでが映画のセットなのかと迷ったが、実はすべてご主人の手作り!明るい人柄も最高で、こちらも楽しい旅の思い出となった。

 そして夜はいよいよ、全員が浴衣に身を包んでの宴会!佐藤の登場を拍手で迎えた。集ったのは20代から50代の男女で、彼のファン層の幅広さをうかがわせた。佐藤の「酔うと本当にただのおじさん。
そのただのおじさんぶりを堪能して」との挨拶で、宴がスタート。佐藤はのっけから「なんで今日来たの!?」と確かに気になる直球の質問を投げかけ、「二朗さんと飲みたかったから!」とこれまた素直に答えるファンたち。「彼氏&彼女がいない」と聞くや、「ここに来ている場合か!」と突っ込むなど一人一人に近い距離で話しかける佐藤の気さくな対応に、のっけから壁は取り払われ、爆笑の交流が始まった。

 宴会では映画に関するクイズ大会が催される場面も。木村文乃の個性的な衣装替えも話題となった本作のドラマシリーズ。10枚の写真が配られ、木村の衣装をヒントに話数ごとにその写真を並べかえるという難問が出されたが、これにも見事に正解してみせるツワモノも出現。コアすぎる佐藤ファンがそろったことを実感する中、29歳の男性に話を聞いてみると、「『幼獣マメシバ』で好きになって、ブログやツイッターの文章を見たら面白くて。人柄にハマっていきました」とのこと。 他のメンバーたちも「アドリブ力」「演技力」「つぶらな瞳」「ツイッター大好き」と口々に佐藤の魅力を熱弁するなど、どうやら「きっかけは演技力、人柄にどんどんハマる」というのが佐藤ファンの進んで来た道のようだ。佐藤からは「ツイッターは全部実話。奥さんから“ウソをつくな”と言われている。“子供が小学、中学になっても見られてもいいものを”と言われている」とツイッターに関する秘話も飛び出し、ファンを喜ばせていた。


 またにぎやかな宴会の途中では、佐藤が「ものすごく参加したかった」という堤監督にメールを送信。堤監督からは何通もの返信があった。「佐藤二朗とは一生の仲間として、福田さんさえよければやっていきたい」と盟友・佐藤二朗を取り合う仲にも見える、『勇者ヨシヒコ』シリーズの福田雄一監督を引き合いに出すメールもあり、ファンたちも爆笑。これには佐藤も「堤幸彦はこの場にいないのに盛り上げるんだな!」と驚いていた。

 酔っ払ったメンバーの中には「堤監督と福田監督、同時にオファーされたらどちらの作品に出る?」との禁断の質問に触れる一幕もあったが、佐藤は「酔っているのでわかりません」と回答。佐藤もファンも大いに酔っ払い、楽しい夜はふけていく。佐藤の愛されてやまない人間力、ファンの熱い思いに触れ、記者陣もすっかり佐藤ファンになった一夜だった。まずは、彼のツッコミ力が炸裂する『RANMARU 神の舌を持つ男』をエンジョイしてみたい!(取材・文・写真:成田おり枝)

 『RANMARU 神の舌を持つ男 酒蔵若旦那怪死事件の影に潜むテキサス男とボヘミアン女将、そして美人村医者を追い詰める謎のかごめかごめ老婆軍団と三賢者の村の呪いに2サスマニアwithミヤケンとゴッドタン、ベロンチョアドベンチャー!略して・・・蘭丸は二度死ぬ。鬼灯デスロード編』は12月3日公開。
編集部おすすめ