加藤諒、原作者・魔夜峰央から「あなたのそのままがパタリロ」お墨付きに自信

「あなたのそのままがパタリロだから…」。原作者・魔夜峰央からそうお墨付きをもらった俳優、加藤諒。1978年から現在まで長きに渡り連載し、幅広い世代に愛されるギャグマンガ『パタリロ！』が、加藤を主演に満を持して初の舞台化となる。初舞台化もさることながら、本作で初座長という大役を務める加藤に、現在の心境や舞台に掛ける思いなどを聞いた。【関連】加藤諒インタビューフォトギャラリー 『パタリロ！』は、マリネラ王国国王、パタリロ・ド・マリネール8世（通称：パタリロ）が周囲を巻き込んで起こす騒動を描くギャグマンガ。82年にアニメ化もされたが、舞台化は本作が初となる。 原作者からお墨付きをもらったという加藤だが、パタリロ役が決まった当初は不安もあったと明かす。「これを僕が…？生身の人間がこのキャラクターをやるの？」と思ったという。だが、いざ加藤のキャスティングが発表されると、SNS上では加藤のパタリロ役を絶賛する声が相次いだ。加藤自身の耳にも、その反響は届いており「すごくびっくりしました」と目を丸くする。「おぼっちゃまくんや『ボンボン坂高校演劇部』の部長（徳大寺ヒロミ）に似ていると言われたことはあったのですが、パタリロにも似ているということなんだなと（笑）。ただ、僕が似ていると言われるキャラクターは、大体が2頭身くらいなんですよね（苦笑）」。 加藤のパタリロ役のほか、バンコラン役の青木玄徳、マライヒ役の佐奈宏紀など絶妙なキャスティングに注目が集まり、ネット上では、普段あまり舞台などには足を運ばないが本作は観に行ってみたい等のコメントも多数見受けられる。そのことについて加藤は「嬉しいですね」と顔をほころばせる。「舞台は、チケットの値段なども含め敷居が高いかもしれませんが、『パタリロ！』を観て、“舞台って面白いじゃん”って思ってもらえれば…。2.5次元の舞台は、そういうところで舞台を観に行く手助けになっているのかなと思います」と語り、2.5次元舞台が持つ“力”について自身の考えを明かした。 2.5次元舞台が持つ力の大きさも実感している加藤。しかし、その反面“怖さ”も身をもって体感している。「原作のイメージが強かったり、ファンの方も多くいらっしゃるので、そのファンの方たちにも受け入れてもらえるように頑張らないと」と話す。「ですが、演じるにあたって、僕は原作を信じて演じています。アニメなども見るのですが、アニメは声優さんが築きあげてきたものであるので、それを参考したら、僕のパタリロではなく、声優さんのパタリロになってしまうので…。加藤諒のパタリロを作り上げたいと思います」と、力を込める。 加藤自身、初座長で挑む本舞台。原作の魔夜峰央に「あなたならできる」と言われたといい、「覚悟ができました」ときっぱり。その魔夜と共に取材を受けた際に、「僕が取材中に魔夜先生にふざけてチュウしようとしたら、すごいツッコミを受けて…。その姿がバンコランとパタリロに見えたようで、“イケル！”って思ってくれたらしいです」と、この取材でさらに魔夜の中で、加藤のパタリロ役に自信を深めたようだ。 「初座長でもあり、新しい挑戦なので試行錯誤して良いものができればと思っています」と、目を輝かせた加藤。「2.5次元作品の中でも異質なもの」を目指し、初の大役に奮闘する。（取材・文・写真：ほりかごさおり） 舞台『パタリロ！』は12月8日から25日まで東京・紀伊國屋ホールにて公演。