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お正月モード冷めやらぬ1月6日から公開となるのが、作家・西尾維新の代表作<物語>シリーズを劇場映画化した三部作の完結編『傷物語<III 冷血篇>』。2009年を皮切りに続々とテレビアニメ化され、怒涛のように押し寄せる会話劇、神谷浩史が声を演じる主人公・暦を中心とした魅力的なヒロインたちも人気を博し、大ヒットを遂げた本シリーズ。まさに「2010年代を代表するアニメシリーズのひとつ」と言えるが、その原点を描く『傷物語』の完結編は、メモリアルイヤーの幕を切って落とすにふさわしい作品と言えそうだ。
2月3日より公開となる『虐殺器官』は、34歳の若さで病没した作家・伊藤計劃の長編デビュー作をアニメ化したもの。『屍者の帝国』『ハーモニー』とともに「Project Itoh」としてアニメ映画化企画が始動したが、制作を担っていたスタジオ「manglobe」が2015年秋に倒産。一時は制作中止の危機にも陥ったが、新たに設立された「ジェノスタジオ」が制作を引き継ぎ、公開までにこぎつけた。
死と隣り合わせで作品を生み出した伊藤計劃の代表作が、強力スタッフ&豪華声優陣によっていよいよスクリーンに蘇ることとなり、満を持しての公開に期待が高まる。また、人気小説の映画化という意味では、全世界累計1900万部発行の大人気小説を劇場アニメ化した『劇場版 ソードアート・オンライン ‐オーディナル・スケール‐』(2月18日公開)も要チェックだ。
そして『攻殻機動隊S.A.C.』『東のエデン』などで知られる神山健治監督初の劇場オリジナルアニメ『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』が3月18日より公開。2020年の岡山県倉敷市を舞台に、昼寝が得意な女子高生・ココネが夢とリアルをまたいだ不思議な旅に出る物語。神山監督が「自分の娘に観せたい映画」を念頭に描いた人間ドラマはもちろん、制作現場にタブレットを導入し、紙を極力使用しない“デジタル化”に挑んだ点も話題。神山監督の新たな挑戦が、アニメーション業界に一体どんな影響をもたらすのか。メモリアルイヤーは、心踊る企画が続々登場するとともに、新たな転換期を迎える一年となるかもしれない。