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本作は、アニメーション史上初めてアカデミー賞作品賞にノミネートされた同名作品をディズニーが実写映画化したもの。聡明で美しい女性ベルを『ハリー・ポッター』のハーマイオニー役で知られるエマ・ワトソンが演じ(プレミアム吹替版声優:昆夏美)、魔女の呪いによって野獣の姿に変えられた王子を海外ドラマシリーズ『ダウントン・アビー』で人気を博したダン・スティーヴンスが演じ(プレミアム吹替版声優:山崎育三郎)、二人が織りなす恋愛模様をドラマティックに描く。『アラジン』『リトル・マーメイド』でも知られる巨匠アラン・メンケンが手掛けた楽曲も高く評価され、第64回アカデミー賞では作曲賞と歌曲賞に輝いている。
イベント終了後、ベルをイメージした黄色いドレスでインタビューに応じた昆は、「声優初挑戦が大好きな『美女と野獣』で、しかもベル役!私に務まるかな…というプレッシャーの中、全シーンで何度もNGを出すなど不慣れなところもたくさんありましたが、全てやり終えた今、ちょっと無責任に聞こえるかもしれませんが、“楽しかった!”という気持ちが全てを上回りました」とニッコリ。
歌唱よりもセリフ合わせに苦労したという昆は、「舞台だと、声と表情と身体表現をフルに使って演じるのですが、吹替えは声だけが頼り。歌唱シーンは音楽に寄り添いながら自然体でできたのですが、セリフはとても難しかった」と述懐。「例えば、野獣に泣きすがるシーンがあるのですが、気持ちが入り過ぎて吹替え中に大号泣してしまって。舞台ならそれで成り立つ場合もありますが、声だけだとエマさんの表情とミスマッチな部分が出てしまう。そういった表現の押し引きは、最後まで悩んだところですね」。 ところで、テープが擦り切れるほどアニメーション版をヘビロテしていたという昆だが、なぜそこまで『美女と野獣』に惹かれるのだろうか。
「一番は、(作曲家の)アラン・メンケンさんが奏でる音楽の美しさですね。心にスーッと入ってくるバリエーション豊かなメロディーは本当に素晴らしい。
デビュー6年目にして、初めて映画の吹替えという分野に挑戦した昆。「これまでミュージカルや舞台しか知らなかった私が、まさか声優に挑戦できるなんて思ってもみませんでした。最近、歌手活動もやらせていただいているのですが、まったく違う街からやって来た転校生のような気分」と胸の内を告白。「でも、“声優ってこんなに楽しんだ!もっといろんな可能性を広げてみたい”と思えたのは、今回、ベル役を経験したからこそ言えること。新しい世界への怖れよりも、飛び込んでみる勇気を持つことの大切さを改めて学ばせていただきました」と声を弾ませる。仕事に対してどこまでも真摯に向き合う昆。ミュージカル界の兄と慕う野獣役・山崎との愛に溢れた掛け合いも楽しみだ。(取材・文・写真:坂田正樹)
映画『美女と野獣』は4月21日より全国公開。