『おんな城主 直虎』で井伊家家臣・中野真之を演じ話題になっている矢本悠馬。『ゆとりですがなにか』や『仰げば尊し』などのドラマでも、独特の個性をいかし注目を集めているが、そんな彼の最新作映画『トリガール!』が公開中だ。
【関連】『トリガール!』矢本悠馬インタビューフォトギャラリー
矢本演じるのは人力飛行サークル「Team Birdman Trial」の設計責任者・古沢だ。おかっぱ頭に眼鏡、そしてしゃくれという非常に濃いキャラクターだが「僕は欲にまみれた俳優なので、いかに目立つかを考えてやりたい放題してしまいました」と笑顔で語る。
矢本の言葉通り、劇中の古沢のキャラは癖がすごい。「やりたい放題」という言葉がぴったりだが、そこにはメガホンをとった英勉(はなぶさつとむ)監督との信頼関係があるからこそ出来上がったキャラクターなのだ。
「初めてお会いしたとき、英監督とは『ノリがあうかも』と感じたんです。台本に書かれているキャラクターを壊したいんだなって思ったんです」と第一印象を語ると、実際、本番前に英監督から「いろいろな人の個性盗んじゃうんでしょ?」とつぶやかれたという。「そのときから、説明ゼリフは覚えましたが、それ以外はセリフを覚える必要ないんだなって思って……そこからはいい意味での悪ふざけしまくりでした」。
その結果、失敗したと感じたこともあったという。「クランクインのときに、アゴをしゃくれさせて顔を変えちゃったんです。まあ悪ふざけなのですが、そこでやってしまったので、結局最後までしゃくれ顔を演じなくてはならなかったんです。結構つらいときもあって途中で後悔しました」と苦笑い。
とにかく「撮影は楽しかった」としみじみ語った矢本。本作出演者のなかでは、年齢が上だが「これまで参加した作品は、結構若い現場で、僕は年齢的に上のことが多いんです。でもいつも一番下みたいな扱いを受けています」とおどける。そこには矢本なりの配慮があるという。その理由を「やっぱり年上は、下の人間を緊張させたら終わりじゃないですか。できる限り現場では、スタッフさんやキャストの人たちみんなになめられようと思っているんです。あとは結構緊張するタイプなので、現場が楽しい雰囲気だと自分もやりやすくなりますしね」と語る。 ムードメーカーの矢本だが、現在放送中の『おんな城主 直虎』では、珍しく大先輩に囲まれた現場を経験している。「これまであまり人の演技を観ることがなかったのですが、一緒に芝居をしている周りのキャストの方々がベテランの方ばかりなので、しっかり観察したり、食事に行ったときにはいろいろ話を聞いたりしています」と貪欲に取り組んでいるという。
それでも「スタンスはこれまでと一緒なので、先輩に対してもどんどん絡んでいって面白がってもらっています。そこの距離感は変わらないです」とポリシーを貫くと「長丁場なのでいろいろと挑戦しています。あまり作品ごとに芝居のテーマは持たないようにしていますが、(柴咲)コウさん、田中美央さん、ムロツヨシさん、高橋一生さん、市原隼人さん、小林薫さんなどすごい方々と一緒にお芝居しているのだから、本番では食らいついて、なんとか爪痕を残そうと頑張っています」と心情を吐露した。
矢本といえば、現在27歳であるにも関わらずフレッシュなルックスをいかし、学生の役を演じることが多い。どの作品でも違和感なく見えるが「精神年齢的に学生をやるのはエネルギーを使うんです。なんとなく大人がやる学生の芝居に見えてしまうことがあって……。制服とかは、まず鏡の前に立って、制服を着ている自分にコスプレ感がなくなるまで馴染ませるんです。自分をしっかり騙さないと違和感がすごいんです」と苦悩を語る。
そんな矢本の次の一手は「作品ごとに違う顔を見せる役者になりたい。サイコパスだったり、静かな役だったり……。あとは大人の役をやりたい、大人になりたい!」と茶目っ気たっぷりに答えてくれた。(取材・文・写真:磯部正和)
映画『トリガール!』は絶賛公開中。
「こんなに悪ふざけをとおしたのは初めて」と笑顔で語った矢本が「楽しかった」という撮影を振り返るとともに、自身の野望を語った。
【関連】『トリガール!』矢本悠馬インタビューフォトギャラリー
矢本演じるのは人力飛行サークル「Team Birdman Trial」の設計責任者・古沢だ。おかっぱ頭に眼鏡、そしてしゃくれという非常に濃いキャラクターだが「僕は欲にまみれた俳優なので、いかに目立つかを考えてやりたい放題してしまいました」と笑顔で語る。
矢本の言葉通り、劇中の古沢のキャラは癖がすごい。「やりたい放題」という言葉がぴったりだが、そこにはメガホンをとった英勉(はなぶさつとむ)監督との信頼関係があるからこそ出来上がったキャラクターなのだ。
「初めてお会いしたとき、英監督とは『ノリがあうかも』と感じたんです。台本に書かれているキャラクターを壊したいんだなって思ったんです」と第一印象を語ると、実際、本番前に英監督から「いろいろな人の個性盗んじゃうんでしょ?」とつぶやかれたという。「そのときから、説明ゼリフは覚えましたが、それ以外はセリフを覚える必要ないんだなって思って……そこからはいい意味での悪ふざけしまくりでした」。
その結果、失敗したと感じたこともあったという。「クランクインのときに、アゴをしゃくれさせて顔を変えちゃったんです。まあ悪ふざけなのですが、そこでやってしまったので、結局最後までしゃくれ顔を演じなくてはならなかったんです。結構つらいときもあって途中で後悔しました」と苦笑い。
とにかく「撮影は楽しかった」としみじみ語った矢本。本作出演者のなかでは、年齢が上だが「これまで参加した作品は、結構若い現場で、僕は年齢的に上のことが多いんです。でもいつも一番下みたいな扱いを受けています」とおどける。そこには矢本なりの配慮があるという。その理由を「やっぱり年上は、下の人間を緊張させたら終わりじゃないですか。できる限り現場では、スタッフさんやキャストの人たちみんなになめられようと思っているんです。あとは結構緊張するタイプなので、現場が楽しい雰囲気だと自分もやりやすくなりますしね」と語る。 ムードメーカーの矢本だが、現在放送中の『おんな城主 直虎』では、珍しく大先輩に囲まれた現場を経験している。「これまであまり人の演技を観ることがなかったのですが、一緒に芝居をしている周りのキャストの方々がベテランの方ばかりなので、しっかり観察したり、食事に行ったときにはいろいろ話を聞いたりしています」と貪欲に取り組んでいるという。
それでも「スタンスはこれまでと一緒なので、先輩に対してもどんどん絡んでいって面白がってもらっています。そこの距離感は変わらないです」とポリシーを貫くと「長丁場なのでいろいろと挑戦しています。あまり作品ごとに芝居のテーマは持たないようにしていますが、(柴咲)コウさん、田中美央さん、ムロツヨシさん、高橋一生さん、市原隼人さん、小林薫さんなどすごい方々と一緒にお芝居しているのだから、本番では食らいついて、なんとか爪痕を残そうと頑張っています」と心情を吐露した。
矢本といえば、現在27歳であるにも関わらずフレッシュなルックスをいかし、学生の役を演じることが多い。どの作品でも違和感なく見えるが「精神年齢的に学生をやるのはエネルギーを使うんです。なんとなく大人がやる学生の芝居に見えてしまうことがあって……。制服とかは、まず鏡の前に立って、制服を着ている自分にコスプレ感がなくなるまで馴染ませるんです。自分をしっかり騙さないと違和感がすごいんです」と苦悩を語る。
そんな矢本の次の一手は「作品ごとに違う顔を見せる役者になりたい。サイコパスだったり、静かな役だったり……。あとは大人の役をやりたい、大人になりたい!」と茶目っ気たっぷりに答えてくれた。(取材・文・写真:磯部正和)
映画『トリガール!』は絶賛公開中。
編集部おすすめ