マーベル・スタジオが贈る最新映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』が、11月3日に全国公開され、週末の興行ランキングでNo.1を獲得する大ヒットスタートを切った。個性的なキャラクターたちによる大迫力のバトルトシーンが話題になっている本作を、日本の女子格闘技界のパイオニアで、シュートボクシング世界女子フライ級王者のRENAが鑑賞。
格闘家目線から見た、バトルシーンの“リアル度”や、大いに共感したという“戦いに必要なエッセンス”について熱く語ってもらった。

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 本作は、アベンジャーズの一員としても知られる“雷神”ソーが、義弟であるロキ、盟友のハルク、新キャラクターの女戦士ヴァルキリーと型破りなチーム“リベンジャーズ”を結成し、“最強の敵”死の女神・ヘラとの死闘に挑むバトルアクション。RENAは「冒頭からすごく笑いましたし、“これエンディングじゃないの!?”というくらいの迫力で始まったので、衝撃的でした!」と前のめりになって感想を語る。「かっこいい!感動!という展開がありながらも、必ず笑わせてくれる。映画館で大声を出して笑ってしまいました」と大いに楽しんだ様子。

 “最強の女性格闘家”として、人気を集めるRENA。プロの目から見て本作のバトルシーンにはどんな印象を持ったのだろうか?「ソーとハルクのぶつかり合いはすごかったです!迫力満点でした」と盟友同士がガチ対決に挑む闘技場でのシーンに驚く。「相手が蹴ってきたらかがんだり、ヒュッと避けたりする感じもすごくリアルで。攻撃だけでなく、受け手の動きもすごく自然。スピード感もすごいので、“私、こんな避け方できるかな?”という目線で見てしまいました」。

 もし、ハルクと戦うとしたらどうする?と質問すると、「ハルクが相手では、体格差がありすぎるので。ソーとロキがやっていた“助けて作戦”を使います(笑)。
“助けて”と弱った演技を見せて、相手の隙を狙って一本背負い!さらに一発殴って、遠くへ飛ばします」。まさかの“助けて作戦”を使うというお茶目な一面を見せるも、超人・ハルクにも負けたくないという気持ちの強さはさすが!楽しそうに戦法を語っている姿がかっこいい。

 お気に入りのキャラは「ダントツでかっこよかったのは、ソー」とのこと。「いつも笑わせてくれるのに、最後はビシッと決める。血管が浮き出るくらいの筋肉もすごかったです」と主人公に惹きつけられつつ、最も共感ができたのは、“リベンジャーズ”のワケあり女性戦士・ヴァルキリーだという。

 「やっぱり女性が戦う姿はかっこいいと思います。ヴァルキリーは過去に色々あって、もう自分は終わりかなと思っていたけれど、そこからまた立ち上がる。私も勝ち負けがはっきりする世界にいるので、大事な試合で負けてしまったときなど、“やめようかな”と思ったときもありました。でも、ここでやめたら後悔すると思ったし、応援してくれるみんなのためにもここでやめるわけにはいかない。恐怖や葛藤もありましたが、切り替えて次の試合に挑むしかないと決心したことを、ヴァルキリーを見て思い出しました」。 本作で、ソーは、“最強の敵”ヘラとの勝負のために、“リベンジャーズ”を結成し、チームで戦うことになるが、RENAも“リベンジャーズ”を見て「チームで戦うっていいな」とひしひしと感じたという。キャリアを重ねるごとに「一人ではなく、チームで戦っている」との実感が大きくなってきているそうで、「“9割方負ける”と言われていた相手でも、チームのみんなで知恵を絞って、色々なことを話し合って戦うことで、勝てた試合もあります」とチームの大切さを熱く語る。


 また、RENAは本作で「ピンチの時こそ楽しむ」ことが大切だと改めて感じたという。「“リベンジャーズ”を見ていると、絶体絶命の場面でもソーが冗談を言って、笑いながら楽しんでいる感じがすごくいいと思いました。私も“負けたくない、やるしかない”と突き進んでいますが、最近は“楽しもう”という気持ちをとても大事にしています。ガチガチになると周りが見えなくなったり、息も上がってしまいますから。試合前、私たちの控え室はめちゃうるさいですよ。とにかくよく話すし、よく笑っています!」。

 戦いに挑む上での必須のエッセンスは“楽しむ”こと。勝負の厳しさや辛さを語る時も常に明るくポジティブに話す様子が印象的で、その姿からRENAの強さの源を垣間見ることができた気がする。本作からたくさんの共感と勇気をもらったというRENAは、最後に「私の試合のように、“1から10まで全部観て!”と言いたい映画です」と声を弾ませてインタビューを締めくくった。(取材・文:成田おり枝/写真:坂本碧)

 『マイティ・ソー バトルロイヤル』は全国公開中。
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