「ガッチャマンの中で誰が好き?」正確にいうと“科学忍者隊の中で”なのだが、多くのファンが「コンドルのジョー」と答えるはずだ。科学忍者隊のナンバー2であり、どこか影を背負う人物、それがジョーだ。
『劇場版Infini‐T Force/ガッチャマン さらば友よ』でジョーを演じる俳優・鈴木一真もジョーが好きなひとり。「子供の頃に憧れたヒーローを演じるチャンスに恵まれるなんて、想像していなかった」と話し、自身へのオファーに衝撃を受けたという。その衝撃度はどれほどだったのか? 鈴木に直撃した。

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 本作は、タツノコプロ55周年を記念して“タツノコレジェンズ”の4大キャラクター『科学忍者隊ガッチャマン』『宇宙の騎士テッカマン』『破裏拳ポリマー』『新造人間キャシャーン』を集結させ、悪に立ち向かう姿を描くアクションアニメ。昨年10月から12月に掛けTVシリーズを放送し、興奮覚めやらぬ中、今回、ストーリーや世界観をパワーアップさせ劇場版として彼らの活躍を描く。

 鈴木が演じるコンドルのジョーは、劇場版の新キャラクターとして登場。
ガッチャマン(大鷲の健)と共に、悪の組織ギャラクターと戦い続けた「科学忍者隊」のサブリーダーであり、ジョーと同じく新キャラクターとして登場する科学忍者隊の生みの親・南部博士と共に物語に大きく関わる人物だ。

 「俳優を続けていてよかったなと思いました」。鈴木はジョー役のオファーを振り返り、二つ返事で引き受けたという。嬉しくもあり、びっくりしたという鈴木だが、いざアフレコが始まると「自分がうまくできているのか不安でした。アフレコ時は、絵が完成版ではなかったので、想像ができなくて…」と、心配が頭をもたげた。だが、その心配は圧倒的なリアリティを持つアニメーションを前に杞憂に終わる。
「それぞれのキャラクターにモーションアクターが付き、口の動きも自分が話した通りの動きになっていて、本作に関わるすべての人の熱い思いを感じました」と、完成版を観て胸がいっぱいになったようだ。 アフレコは、「悩む間もなく、多くの演出がありました。それに助けられました」と苦笑する。距離感や声の張り方、息遣いなど、細かい演出を受けたそうで「実写と違い、息遣い1つが大きな意味を持ってしまうので、息遣いだけを何度も撮り直したりもしました」と明かした。
 
 本作では、科学忍者隊の生みの親であり、健とジョーの前に立ちふさがる人物・南部博士を船越英一郎が演じていることも大きな話題となっている。鈴木自身、数多く作品で共演している船越について「いつも事件を解決している方なのに…という意外性を感じほしいです(笑)」と茶目っ気たっぷりにコメントした。

 
 最後に、溢れんばかりのジョー愛を鈴木に聞いた。「『Infini-T Force』を世界に向けて発信するときの英語版は、僕がやりたいです。そしてこの先、『ガッチャマン』の作品を制作するときは、またジョーを演じたいです。(他の方に)渡したくないですね」。(取材・文・写真:ほりかごさおり)
 
 『劇場版Infini-T Force/ガッチャマン さらば友よ』は全国公開中。