『デジモンアドベンチャー』15周年を記念して、全6章で製作された『デジモンアドベンチャー tri.』がついに最終章を迎える。初代『デジモンアドベンチャー』シリーズの続編であり、高校生となったヤマトを演じてきた細谷佳正と、前作に続きガブモンを演じた山口眞弓。
約2年半に渡り、“パートナー”を組んできた2人に、デジモンとの歩みと、忘れてはならない名曲「Butter‐Fry」を歌った亡き和田光司さんとのエピソードを聞いた。

【写真】細谷佳正×山口眞弓インタビューフォトギャラリー

 最終章『デジモンアドベンチャー tri. 第6章「ぼくらの未来」』は、第5章で行方不明になった太一の姿はなく、ヤマトを中心に一致団結する選ばれし子どもたちの姿から始まる。彼らは、暴走したメイクーモンが変異した“ラグエルモン”と、八神ヒカリのパートナーデジモン・テイルモンが暗黒進化した“オファニモンフォールダウンモード”が合体したオルディネモンによって始まった世界の崩壊を止めるため、立ち向かう。目の前に迫る最後の決断。選ばれし子どもたちが自ら選んだ未来とは…。

 「私の思い出は、お台場で開催されたデジフェスで『デジモンアドベンチャー』の続編制作を発表したときから始まります。あのイベントでデジヴァイスの音を聞いたところから」と感慨深い様子で、最終章を迎えた現在の心境を語った山口。「あの時は、和田光司さんも出演されていて、生歌を披露したんです」と振り返る。「あれから無事に終わることができて、和田光司さんにも『終わったよ!』と伝えたいです。『Butter‐Fry』のおかげで(デジモンキャスト達と)再会することもできましたし、新しいキャストの方たちとも会うことができました」と笑みを浮かべた。

 片や「2年半も経ったのかいう思いもありますし、もっと長い時間やっていたような感覚もあります」と口した細谷。「終わったという感じはまだしないのですが、無事に全章を録り終えることができてよかったと思っています」。
 本作は制作決定に続き、そのキャスト陣も大きな注目を浴びた。成長した“選ばれし子どもたち”はキャストを一新、パートナーデジモンたちは全員、前作からの続投となったからだ。細谷は第1章の取材時に「違和感を無くしたい」と話しており、今回の取材時にも「違和感」という言葉を発した。「僕が子どもで、好きだったキャラクターの声が変わったら、違和感を持つと思うんです。でもその気持ちをファンに抱かせてしまったらダメだと思いましたし、(ヤマトは)僕に代わったので…。ずっと“違和感”という言葉が心に残っていたんだと思います」と述懐した。そんな細谷の言葉に、山口は「私はナイスキャスティング!って思いましたよ」と細谷を見てにっこり微笑む。細谷は、すかさず「もう一度言ってください!(笑)」と山口を促すと、「ナイスキャスティング!」と笑い、親指を立て“グッジョブ”をアピール。また山口は、「大人になったヤマトを、違和感なく演じられる方がいたんだなと思いました」と、細谷に賛辞を送る。「カッコいいのに、言葉を発しただけで笑えてしまうという人物ですし(笑) 違和感と言いますか、成長したヤマトが“そこにいた”というだけですね」。 

 最後に、『デジモンアドベンチャー tri.』という作品が細谷と山口にとって、どのような作品だったかを聞いた。

 「初心を思い出させてくれる作品でした」と回顧した山口。
細谷は「“受け入れてもらえる”という気持ちを、大きな作品で経験することができたと思っています。6章まで続けられたということは、賛否両論があっても受け入れてもらえたのかなと思っています」。(取材・文・写真:ほりかごさおり)

 『デジモンアドベンチャー tri. 第6章「ぼくらの未来」』は5月5日より劇場上映。

衣装協力:Iroquois Headshop / BICASH
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