巨匠スティーヴン・スピルバーグが世界を驚愕させた『ジュラシック・パーク』公開から25周年を迎えた今年、待望のシリーズ最新作『ジュラシック・ワールド/炎の王国』が、7月13日、いよいよ日本に上陸する。これに先立ち、ジャパンプレミアで来日を果たした主演のクリス・プラットとブライス・ダラス・ハワードがインタビューに応じ、恐竜をも凌駕する“刺激的なカップル”がいかにして生まれたかを熱く語った。


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 本作は、解放された恐竜たちによって破壊されたテーマパーク『ジュラシック・ワールド』の3年後を描くサバイバルアドベンチャー第2弾。惨劇の舞台となったイスラ・ヌブラル島で火山噴火が迫る中、テーマパークの運営責任者だったクレア(ブライス)と、恐竜行動学者で彼女の元恋人オーウェン(クリス)は、自責の念から残された恐竜を救助することを決意。だがその裏で、地球を窮地に追い込みかねない危険な陰謀が暗躍していた…。

 25周年を迎えた大ヒットシリーズで主演を務めるクリスは、「自分にとっては『スター・ウォーズ』に匹敵する存在。子供のころ、次はまだか、次はまだかとワクワクしながら劇場へ足を運んだものさ。スピルバーグが手掛けたこの素晴らしい作品の“一部になる”ということは、僕にとって特別なことなんだ」と喜びをあらわにする。これに対してブライスは、「私も全く同じ。このシリーズに参加できたことは非常に名誉であり、美しい人生経験だと思う。それに、クリスのような愛すべき人と一緒にお仕事できることが私の滋養にもなっているわ」と満面の笑み。

 とにかく陽気なクリスとブライスは、インタビュー中も、絶妙のコンビネーションで場を盛り上げる。そしてこの相性の良さは、そのまま劇中にも受け継がれ、二人が演じるオーウェンとクレアは、恐竜をも凌駕する“濃いキャラ”で観客を釘付けにするのだ。「前作では、主にオーウェンがヒーローとなってアクションを展開していたが、その一方で、クレアが賢いキャリアウーマンから強靭なスーパーヒロインに生まれ変わる過程が描かれていた。
今作では、オーウェンと同じくらいすごいアクションを見せてくれるから期待してほしい」とあおるクリス。

 するとブライスは、「そうね、ヒールからブーツに変えたしね」と返しながら、今度はクリスの天才的なパフォーマンスを褒めはじめる。「彼は子供たちが大喜びするようなアクションシーンに対する“スパイディセンス”(スパイダーマン的な動き)がスバ抜けているの。特に閉鎖的な屋敷のシーンでは、撮影前に現場をひと通り眺めると、彼の中からアイデアが湧いてくるみたい。だから、この映画のアクションシーンには、クリスのエッセンスがいっぱい詰まっているの」。 さらに劇中、惹かれ合っているのに口論が絶えないオーウェンとクレアの関係性についてクリスは、「二人は人生が激変するような経験をしているので、人として成長し、変わっていくのは当然だよね。前作は、クレアの心の変化をメインに描いていたが、本作では、それをオーウェンに戻しているんだ。彼はテーマパーク崩壊の責任から逃れるために孤独な暮らしを選び、最初は“火山の噴火で絶滅してしまえばいい”なんて言っていたが、クレアが介入することによって、彼は意見を変え、人間的に成長していく。二人の対照的な関係性は、その変化を描くために必要不可欠なんだ」と分析する。

 これを隣でうなずきながら聞いていたブライスは、「1つ付け加えるなら、前作は、“真逆の二人が一緒に何かを成し遂げなければいけない”という状況に恋愛的なエッセンスが絡んでくる古典的な描写が強調されていた。でも、今作の二人の関係性は、バディ的なところがあると思うの。同じ方向に向かっているけれど、アプローチが違う二人はどうしてもぶつかり合ってしまう。
ただ、そこに愛情があるから、なんとも言えないユーモアが生まれてくるのね」。そう熱く語ったブライスに、クリスが「Good answer!」と声をかけると、なぜか取材陣全員が拍手喝采。『ジュラシック』シリーズを支える最強カップルのパワーを肌で感じた瞬間だった。(取材・文:坂田正樹/写真:奥野和彦)

 映画『ジュラシック・ワールド/炎の王国』は7月13日より全国公開。
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