10代で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞するなど、若手ながら高い演技力を評価されている女優・杉咲花。そんな彼女が、本格的な純愛ラブストーリーに挑んだ映画が『パーフェクトワールド 君といる奇跡』だ。
【写真】杉咲花『パーフェクトワールド 君といる奇跡』インタビュー写真
杉咲といえば、これまで作家性の強い作品で、生い立ちや性格にやや陰のあるような役柄を演じることが多かったが、本作では、高校時代に憧れを抱いていた初恋の先輩を一途に思い続ける女性・川奈つぐみを瑞々(みずみず)しく演じている。杉咲は今年、連続ドラマ『花のち晴れ~花男 Next Season~』で恋愛物語の主人公を演じているが、撮影は本作が先。自身にとってまさに初の恋愛物語のヒロインを演じたのが『パーフェクトワールド 君といる奇跡』なのだ。
「自分の中では、こういった本格的なラブストーリーには縁がないと思っていたので、お話をいただいたときはびっくりしました」と率直な胸の内を明かすと「恋愛漫画が原作で、キュンとするシーンもたくさん詰め込まれています。観てくださる方にキュンキュンしてもらうためには、つぐみというキャラクターがかわいいと思ってもらえなくてはいけない」とプレッシャーがあったという。
さらに24歳という社会人の役も杉咲にとっては初体験。「かわいくしなければ、大人っぽくしなければ」ということにとらわれてしまい、撮影前はガチガチになっていたという。しかし現場に入ってみると、メガホンを取った柴山健次監督をはじめ、撮影部、照明部など各部署が“見え方”について、杉咲の想像をはるかに超えるこだわりを持って臨んでいた。こうしたプロフェッショナルな現場を目の当たりにし「気にする部分が違った」と意識を変えた。
役柄へ徹底的に寄り添い、向き合うこと――。本来杉咲が大切にしていたアプローチ方法だったが、「かわいく見せたり、大人っぽく見せたりしよう」という意識が強く、本質を見失いかけていたという。
志田未来に憧れて、現在の事務所の扉をたたいたという杉咲。そんな杉咲も、10代の俳優から「憧れの先輩」として目標にされることも増えてきた。「とんでもないです…」と目を見開いて謙遜するが、事実、杉咲に憧れる若い世代の女優や「花ちゃんと一緒にやりたい」という製作陣は多い。
「すごく励みになるし、うれしいのですが、自分ではまだまだ課題や反省点ばかりなので…」と苦笑いを浮かべると「あまりそういうことを意識してしまうと『もっと頑張らなくては』と焦ってしまうので、マイペースにやっていきたいです」と浮き足立つことなく気を引き締めるように語っていた。
自覚している課題について「現場にいて、ふと気づくとカメラに撮られていることを意識している自分がいます」と説明した杉咲。カメラを意識せず、いかに自然体で役柄として生きられるか…。“純愛映画”というこれまで経験したことのないジャンルで、新たな杉咲が見られるかもしれない。(取材・文・撮影:磯部正和)
映画『パーフェクトワールド 君といる奇跡』は10月5日より公開。
本作のオファーに「こういう作品には縁がないと思っていた」と驚きの表情を見せた杉咲が、本作で改めて気づかされた大切なことや、躍進を遂げる現状について語った。
【写真】杉咲花『パーフェクトワールド 君といる奇跡』インタビュー写真
杉咲といえば、これまで作家性の強い作品で、生い立ちや性格にやや陰のあるような役柄を演じることが多かったが、本作では、高校時代に憧れを抱いていた初恋の先輩を一途に思い続ける女性・川奈つぐみを瑞々(みずみず)しく演じている。杉咲は今年、連続ドラマ『花のち晴れ~花男 Next Season~』で恋愛物語の主人公を演じているが、撮影は本作が先。自身にとってまさに初の恋愛物語のヒロインを演じたのが『パーフェクトワールド 君といる奇跡』なのだ。
「自分の中では、こういった本格的なラブストーリーには縁がないと思っていたので、お話をいただいたときはびっくりしました」と率直な胸の内を明かすと「恋愛漫画が原作で、キュンとするシーンもたくさん詰め込まれています。観てくださる方にキュンキュンしてもらうためには、つぐみというキャラクターがかわいいと思ってもらえなくてはいけない」とプレッシャーがあったという。
さらに24歳という社会人の役も杉咲にとっては初体験。「かわいくしなければ、大人っぽくしなければ」ということにとらわれてしまい、撮影前はガチガチになっていたという。しかし現場に入ってみると、メガホンを取った柴山健次監督をはじめ、撮影部、照明部など各部署が“見え方”について、杉咲の想像をはるかに超えるこだわりを持って臨んでいた。こうしたプロフェッショナルな現場を目の当たりにし「気にする部分が違った」と意識を変えた。
役柄へ徹底的に寄り添い、向き合うこと――。本来杉咲が大切にしていたアプローチ方法だったが、「かわいく見せたり、大人っぽく見せたりしよう」という意識が強く、本質を見失いかけていたという。
しかし、監督や周囲のスタッフのおかげで、これまで以上に、役柄になり切ること、すなわちつぐみとして、純粋な気持ちで(岩田剛典演じる)樹を思い続けることに集中した。 杉咲は本作の現場を経験して「改めてお芝居は一人じゃできないんだ」と強く実感したという。初共演となった岩田についても「ものすごくストイックな方」と印象を述べると、物理的に感情を乗せづらいようなシチュエーションでの芝居でも、驚異的な集中力を見せ、「本当に引っ張っていただいた」と大いなる助けになったことを明かす。
志田未来に憧れて、現在の事務所の扉をたたいたという杉咲。そんな杉咲も、10代の俳優から「憧れの先輩」として目標にされることも増えてきた。「とんでもないです…」と目を見開いて謙遜するが、事実、杉咲に憧れる若い世代の女優や「花ちゃんと一緒にやりたい」という製作陣は多い。
「すごく励みになるし、うれしいのですが、自分ではまだまだ課題や反省点ばかりなので…」と苦笑いを浮かべると「あまりそういうことを意識してしまうと『もっと頑張らなくては』と焦ってしまうので、マイペースにやっていきたいです」と浮き足立つことなく気を引き締めるように語っていた。
自覚している課題について「現場にいて、ふと気づくとカメラに撮られていることを意識している自分がいます」と説明した杉咲。カメラを意識せず、いかに自然体で役柄として生きられるか…。“純愛映画”というこれまで経験したことのないジャンルで、新たな杉咲が見られるかもしれない。(取材・文・撮影:磯部正和)
映画『パーフェクトワールド 君といる奇跡』は10月5日より公開。
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