ディズニー・アニメーション史上No.1の全世界観客動員数を誇る名作『ライオン・キング』が、実写もアニメーションも超えた新たな映像体験である“超実写版”として蘇った。本国アメリカでは、ともに日本での興行収入100億円を突破したエマ・ワトソン主演の『美女と野獣』とウィル・スミスがジーニーを演じた『アラジン』の、オープニング3日間の興収記録を超える“キング”級のスタートを切った本作を、「おかあさんといっしょ」の第19代のうたのおねえさんとして知られる、はいだしょうこがいち早く鑑賞。
「この世界は本当にあると思います!」と目を輝かせた。

超実写版『ライオン・キング』場面写真

 アフリカのサバンナで、偉大なる王であるライオンのムファサの息子として、王になる宿命を背負って生まれたシンバが、試練を乗り越え運命を切り開いていく『ライオン・キング』。はいだは、「まずはとにかく映像が素晴らしかった」と大興奮で鑑賞直後の第一声を口にした。

 「オープニングから鳥肌モノでした。自分自身が、サバンナの動物たちの世界に入り込んだ感覚なんです。動物は喋るわけないんですけど、でも本当に喋ってるんです! どこにもウソがない感じで、この世界は本当にあると思いました。シンバや動物の目線になったようなカットが差し込まれたりもするので、その世界を客観的に見ているというより、そこに自分が立っている感覚。今までに感じたことのない体験でした」

 もともと、94年に公開されたアニメーション版が好きだったというはいだだが、今作では大人になったからこその感じ方があったと話す。

 「シンバが失敗してしまって、父親のムファサに呼ばれるんですけど、ムファサの大きな足跡の上に、シンバ自身の小さな足が乗る場面があるんです。その一瞬のカットで、父親の偉大さがこちらにも伝わってきました。それは、父という存在そのものの大きさと王国のために成し遂げてきた功績の大きさ。単に体の大きさの違いだけではないものを感じられたのは、大人になって観たからかもしれません」

 また、音楽にも『ライオン・キング』の世界にのめり込む要素があると振り返る。
特に、シンバとナラのデュエットナンバー『愛を感じて』の繊細さに驚いたという。

 「ドナルド・グローヴァ―とビヨンセというグラミー賞受賞歌手がこのミュージカルナンバーをどう歌い上げるのか注目していました。歌手の存在感が強過ぎて楽曲の世界観を超えてしまうのではという一抹の不安がありましたが、杞憂でした。シンバとナラの心の機微が丁寧に紡がれていて『本当にシンバとナラが歌い上げている!』と思ってしまう程。世界最高峰の歌手が唄っていることを忘れていました。逆をいえば、世界最高の超豪華ユニットだからこそ成せる技術ですね」

親子の愛、友情、恋、生きるとは……。多くのメッセージを受け取り、自分自身はどうだろうと照らし合わせたというはいだ。そうしたテーマに関しては、大人がより多くを感じられるだろうが、決して大人しか理解できないというわけではなく、子どもにも必ず伝わるものがあると断言する。

「『ライオン・キング』の世界の素晴らしさに、子どもたちにも触れてほしい。大人は、難しいことは子どもには分からないと思いがちですが、結構分かってるんですよね。言葉に上手に表せなくても、心で感じている。この壮大な景色や素晴らしい音楽を聴けば、必ず心で感じられます。
もしもいま、歌詞の意味が分からないとしても、この先も、心で受け取った気持ちは絶対に残る」と話し、元うたのおねえさんのはいだだからこそのコメントも。

 「たとえば落ち着きなく観ていた子がいたとしても、実はちゃんと感じていたりするんです。その子によって感じ方が違うだけで、何かを受け取っている。色々な受け止め方があって、大人が思っている以上に子供達はちゃんと感じている。」

 そして改めて、貴重な体験だったと振り返った。

「オープニングから本当に素晴らしい映像と音楽に引き込まれて、実際にその世界にいるような感覚になり、観終わったあとにはしっかりメッセージが残って自分自身についても考えるいい機会になる。新しい体験でした。私もみなさんの前で歌を歌うときに、また何かが変わってくるかもしれないと思うくらい、気持ちが動いた作品でした」
(取材・文:望月ふみ 写真:中村好伸)

超実写版『ライオン・キング』は8月9日(金)より全国公開
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