ライオンの子どもシンバの成長を通して“生きることの意味”を描いたディズニーの名作を、新たに“超実写版”として進化させた『ライオン・キング』が、いよいよ公開となった。全世界興行収入は『アラジン』や『美女と野獣』、『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』等のヒット作を超えて13億ドルを突破、日本でも『アラジン』『美女と野獣』と並び、わずか6日間で20億円を突破するなど、国内外で大ヒットを記録している本作。
「新しい環境で生活を始めた私にとって、すごく大きな力をくれた作品」と語るのは、3児の母でもあるシンガーソングライターのMINMI。「子どもたちには、“挑戦することの大切さ”を知ってほしい」と感じながら子育てに励んでいるそうで、「本作の、困難があっても前に進もうとするキャラクターたちに胸を打たれました。ぜひ親子で観てほしい」と目を輝かせた。

【写真】超実写版『ライオン・キング』場面写真

 サバンナを舞台に、王の子として生まれたシンバが、自分が生まれてきた意味、使命とは何かを知っていく姿を描く本作。1994年に公開されたアニメーション映画『ライオン・キング』も「大好きだった」というMINMIだが、“超実写版”を鑑賞して「あまりのリアルさに、驚きました。広大なアフリカの景色も感動的で、動物たちの細やかな動きまで、まるで本物を見ているよう。圧倒されました」と釘付けになったという。

 映像と共に、本作の投げかけるメッセージにも“2019年のリアル”を感じたと話す。「シンバは、お父さんのムファサから“すべての命はつながっている”と教えられますが、94年版のアニメを観た時より一層、そういった“サークル・オブ・ライフ”の考え方が深く描かれていたように感じました。サバンナの王者たるライオンもこの世を去った後は土に還り、草木になり、草食動物の糧になることをしっかり描いている。弱肉強食ではなく、地球や自然、そして人間や動物たち、すべての命が影響を与え合って生きているという考え方は、今の社会を考える上でもすごく大事なメッセージだと思いました」。

 また、女性キャラクターの強さにも“今”を感じたという。
「すごくかっこよくて、好きだなと思ったのは、シンバの幼なじみの女の子・ナラなんです。王国を取り戻そうとするときに、ナラは“怖くなんてない”とシンバを励ますんですが、そういったナラの強さがあってこそ、シンバは頑張れたのかなって」とニッコリ。さらに仲間たちから力をもらいながら、前に進んでいくシンバを見て、「困難に打ち勝とうとする姿には、すごく胸を打たれた」と明かす。

 「実は今年、アメリカに移住をしたんです。この年齢になってアメリカに移住をして、まだ会話もつたなくて。3人の子供を育てている身でもあるので、日本を離れて新しい環境に飛び込むことは、ハードルが高いなと思っていました」と告白するMINMI。「打ちのめされそうになることもある」というが、それでも覚悟を決めたのは「挑戦することの大切さを感じているから」だと話す。「体も健康で、こういうチャンスがあることはありがたいこと。それに子どもたちにはいつも、“挑戦することの大切さ”を知ってほしいと思っているんです。何事もやらずに諦めてしまうのではなく、もし失敗したとしてもトライしたことが大事。それはものすごく価値のある経験になるはず」と力強く語る。

 いつまでも挑戦を忘れない彼女だが、劇中で歌われる“ハクナ・マタタ=どうにかなるさ”の精神にも「ものすごく共感する!」と大きくうなずく。
「居場所を失ったシンバに寄り添ってくれたのは、新しい仲間となるプンバァやティモン。彼ら3人で歌う『ハクナ・マタタ』はものすごく楽しかったです。傷ついたシンバにとって“ハクナ・マタタ”という考え方は、ものすごく救いですよね。私も頑張ることはすごく大事だと感じていますが、ものすごく悩んだときには、開き直って笑いたいなと思っています。子どもたちにもそういった明るさを持ってほしい。アメリカでの生活も、まさに“ハクナ・マタタ”です!」。

 「私も新しい環境に進む上で、大きな力をもらいました」と輝くような笑顔を見せるMINMI。「親として心に響くものもありますし、子どもたちも絶対に楽しめる映画です。ぜひ親子で鑑賞してほしいです」と熱くアピールしていた。(取材・文:成田おり枝 /写真:高野広美)
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