上田慎一郎監督による映画『カメラを止めるな!』(2018)が、アカデミー賞受賞監督ミシェル・アザナヴィシウスの手により、フランスで『Final Cut(原題)』というインターナショナルタイトルにてリメイクされることが決定。4月19日よりパリ郊外で撮影が始まった。

日本公開は2022年の予定。

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 上田慎一郎監督の劇場長編デビュー作として、2018年に東京都内2館公開から始まった『カメラを止めるな!』。和田亮一の舞台作品『GHOST IN THE BOX!』に上田監督がインスパイアされ、ENBUゼミナールで製作した作品だが、有名人の出演もなく、ネタバレ厳禁の内容ながらも、その斬新で衝撃的な内容が映画ファンから高い評価を得て、公開劇場が続々拡大し、その人気は社会現象に。最終的には、公開館数350館以上、動員数220万人超え、興行収入は31億円を突破する異例の大ヒットを遂げた。

 その人気は世界でも注目され、『ONE CUT OF THE DEAD』という英題で海外公開。中でもフランスでは、同国最大の日本映画祭「KINOTAYO(キノタヨ)現代日本映画祭」でオープニング作品として上映され、観客投票で決定される最高賞“ソレイユ・ドール”を受賞。
2019年3月からは劇場公開もされ、話題を呼んだ。

 今回、フランスで監督を務めるミシェル・アザナヴィシウスは、監督・脚本・編集を手掛けた白黒のサイレント作品『アーティスト』で2012年の第84 回アカデミー賞作品賞、監督賞をはじめとする5部門を獲得したフランス映画界を代表する監督。リメイク版出演者には、『真夜中のピアニスト』や『ムード・インディゴ うたかたの日々』などで知られる人気俳優ロマン・デュリスや、『アーティスト』でセザール賞主演女優賞受賞、アカデミー賞助演女優賞にノミネート、アスガー・ファルハディ監督作『ある過去の行方』ではカンヌ国際映画祭女優賞を受賞したベレニス・ベジョをはじめ、グレゴリー・ガドゥボワ、フィネガン・オールドフィールド、マチルダ・ルッツらが名を連ねる。

 フランスでのリメイク決定に、上田監督は「話を聞いたのは去年の秋頃でした。フランス版リメイク!? 監督は『アーティスト』のミ、ミシェル・アザナヴィシウス監督!? ワクワクが止まりませんでした。脚本を読んでワクワクは更に増しました。
アイツはこんなキャラになるんだ! あの台詞こう変わるんだ! うお、こんな展開も! 大興奮で読みました」とコメント。

 「映画は、お国柄や国民性が色濃く出ます。カメ止めが、フランスの地で、フランスの方々によって創られる事でどう生まれ変わるのか?今から楽しみでなりません。カメ止めは『ものづくりの楽しさ』を描いた映画でもあります。創り手の皆さん自身ものづくりを思いっきり楽しんで撮影して頂ければ嬉しいなと思います。よろしくでーす!」と期待を寄せる。


 アザナヴィシウス監督は撮影開始にあたり、「“Final Cut”の撮影開始に本当にワクワクしています。オリジナル作品の素晴らしいコンセプト、夢のような出演者たち、そして陽気でやる気満々のスタッフが揃って、この愛すべき映画を作れることに興奮しています。まさに映画を撮ることについての作品でもありますからね!」とコメントしている。

 映画『Final Cut(原題)』は、2022年日本公開予定。