ディズニープラスの新作『ホーム・スイート・ホーム・アローン』が公開された。オリジナルの『ホーム・アローン』(1990)は、今さら説明するまでもなく、世界中で破格の大ヒットを記録し、今も愛されるファミリー映画の決定版だ。
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★マコーレー・カルキン(ケビン・マカリスター役)
家族旅行に1人置いて行かれてしまった大家族の末っ子、8歳のケビンを演じたマコーレー・カルキンは、本作で大ブレイク後、『マイ・ガール』(1991)や『ホーム・アローン2』(1992)、『危険な遊び』(1993)、『マコーレー・カルキン/くるみ割り人形』(1993)などに次々出演。子役スターの名をほしいままにした。日本でも“カルキン君”や“カルキン坊や”と呼ばれていたのが懐かしい。
しかし、両親との金銭トラブルなどもあり、『リッチー・リッチ』(1994)を最後にスポットライトから退く。当時はスキャンダルが先行し、激やせやドラッグ使用などが噂され、死亡説まで浮上した。
転機が訪れたのは2000年。ロンドンの舞台で演技の仕事に復帰し、以降は少しずつ映画にも出演。2018年にはグーグルの音声アシスタントのCMでケビン役を再演して話題になった。今年は人気ドラマ『アメリカン・ホラー・ストーリー』で俳優業に本格復帰を果たし、今後の活躍が期待される。
また、2017年に風刺サイト「Bunny Ears」を立ち上げ、ポッドキャストや動画コンテンツを公開中。今年はグッチのショーにモデルとして参加するなど、近年は幅広い分野で意欲的に活動している様子。
★ジョー・ペシ&ダニエル・スターン(泥棒コンビ、ハリー&マーヴ役)
留守中のマカリスター家を狙い、ケビンにしこたま痛い目に遭わされる、ちょっとマヌケなでこぼこな泥棒コンビ。アニキ分のハリーを演じたのは、『グッドフェローズ』(1990)でアカデミー賞助演男優賞を受賞したジョー・ペシだ。
同作や『カジノ』(1995)などのマフィア役で知られるほか、『いとこのビニー』(1992)、『リーサル・ウェポン』シリーズなど、コメディでも活躍。1999年に俳優引退宣言をし、以降はアルバムをリリースするなど、音楽活動に主軸を移している。近年は、仲良しのロバート・デ・ニーロ監督作『グッド・シェパード』(2006)など、限られた作品に出演。2019年には、マーティン・スコセッシ監督の『アイリッシュマン』で9年ぶりに映画に復帰。デ・ニーロやアル・パチーノと共演した同作でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされ、まだまだ迫力が衰えていないことを証明した。
泥棒2人組のノッポの方、とぼけた弟分マーヴ。演じたダニエル・スターンは、本作で注目を得た後、『がんばれ!ルーキー』(1993)や『シティ・スリッカーズ』シリーズ等に出演。以来、映画やテレビドラマなどに出演を重ねている。ダニエルは彫刻家としても知られ、南カリフォルニア各地のパブリックアートも手掛けている。プライベートでは、1980年に結婚した女優のロール・マットスとの間に3人の子どもがおり、長男はカリフォルニア州選出の上院議員のヘンリー・スターン。
★デヴィン・ラトレイ(バズ役)
部屋にプレイボーイ誌を隠し持ち、ペットのタランチュラを大事に世話するケビンの意地悪な兄バズ。公開当時14歳だったデヴィン・ラトレイは、本作の後も『LAW & ORDER ロー&オーダー』や『スーパーナチュラル』といった人気ドラマにゲスト出演するなど、映画やテレビで活躍中。新作『ホーム・スイート・ホーム・アローン』では、大人になったバズ役でカメオ出演している。
★キーラン・カルキン(フラー役)
ケビンのいとこで、おねしょするメガネのちびっ子フラーを演じたのは、マコーレーの実弟キーラン・カルキン。本作の後も『花嫁のパパ』(1991)などに子役として出演を重ね、2002年の『17歳の処方箋』ではゴールデン・グローブ賞にノミネートされた。その後も映画や舞台で活躍し、2018年からはドラマ『キング・オブ・メディア』に出演。この作品でエミー賞にノミネートされている。プライベートでは、元モデルのジャズ・シャルトンと2013年に結婚。2歳の娘と今年8月に生まれたばかりの息子がいる。
★ジョン・ハード(マカリスター家の父ピーター役)
経済的には裕福だけど、どこかオトボケなマカリスター家の両親、ピーターとケイト。父ピーターを演じたのは、『ビッグ』(1988)などで知られるジョン・ハード。本作公開後は、『ランブリング・ローズ』(1991)や『ペリカン文書』(1993)など話題作に出演し、ドラマ『ザ・ソプラノズ/哀愁のマフィア』ではエミー賞候補になった。
★キャサリン・オハラ(マカリスター家の母ケイト役)
ケビンの不在に気付き、なり振り構わず自宅に戻ろうとする母ケイト。演じたキャサリン・オハラは、 主にコメディで活躍し、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』(1993)や英語版『思い出のマーニー』(2014)など、アニメの吹き替えでも知られる。2015年からはドラマ『シッツ・クリーク』に出演し、エミー賞を受賞した。
ファンにはうれしいことに、キャサリンはまだ本作とのつながりを大事に思っているようだ。クリスマス時期になると必ず誰かと『ホーム・アローン』について話すと明かし、マコーレーと偶然再会した際に「ママ!」「ベイビー!」と声を掛け合ったエピソードや、デヴィンとキーランの活躍をテレビで見かけてうれしくなったことなどを打ち明けている。
★新作でケビンの現況が明らかに!?
新作『ホーム・スイート・ホーム・アローン』には、残念ながらマコーレーの出演はならなかったものの、デヴィン演じる大人になったバズの口から、ケビンの現況が報告されるシーンも。本編でぜひチェックしてほしい。
クリスマスのハッピーな記憶と結びつく名作コメディ『ホーム・アローン』。公開から30年以上が経ち、何度も観るうちに、8歳のケビンから兄・姉、両親へと、自分を重ねるキャラが移ったことに気付いたファンも多くいるだろう。長く親しんだ彼らが、今も映画の中でも外でも元気にしていると思うと、なんだか心が温かくなる。