映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』より、主人公バットマン/ブルース・ウェイン役のロバート・パティンソンと、マット・リーヴス監督のコメントが到着。これまでに見たことがない“人間としての”バットマンを描くという本作の、見どころと制作秘話を語った。



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ロバート・パティンソン「バット・スーツはディテールにとてもこだわっている」

 本作は、クリストファー・ノーラン監督による『ダークナイト』トリロジー以来となる、バットマン単独映画の最新作。サスペンスの要素が色濃く、『ダークナイト』シリーズや『ジョーカー』を彷彿とさせるような世界観に包まれており、知能犯リドラーが社会に蔓延した<嘘>を暴いていく物語。そして、最後の標的は、若き日の青年ブルース。彼の<嘘>が暴かれ、狂気に変貌していく姿が描かれる。葛藤しながらも“バットマン”になろうとする様子がミステリアスかつエモーショナルに展開されていく。

 ブルース・ウェイン役には、『トワイライト』シリーズ、『TENET テネット』のロバート・パティンソン。
未熟で、善と悪の間で揺らぐ人間味あふれる、見たことのないバットマンの姿に全世界が期待を寄せる。

 現在、メジャーとインディペンデント系作品の両方で活躍する俳優のひとりとして、地位を確立したロバート。世界中のシネフィルから熱烈な指示を仰ぐA24製作、若者の視点を代表し描く鋭い切り口が持ち味のサフディ兄弟が監督を務めた『グッド・タイム』で、これまでの端正でハンサムなイメージを捨て個性派俳優としての頭角を表し、昨年日本でも公開された『ライトハウス』では、怪優ウィレム・デフォーとの体当たり演技合戦を見せつけた。

 さらに先日、『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノが監督と脚本を務めるワーナー・ブラザースの新作映画への出演が決定したと報道されたばかり。そんな世界から今最も注目を集める俳優のひとりであるロバートが、誰もが知る往年のダークヒーロー役に挑む。

 本作で描かれるのは、ブルース・ウェインがバットマンになってから2年目の物語。
優秀な探偵として活躍しながら、夜はマスクで身を隠し犯罪者と戦うバットマンとしての顔を持つ。ゴッサムシティに蔓延する圧倒的な悪の存在、そして正義を貫くと決心したはずだった自分自身にすらも迷いが生じ、善と悪の狭間を彷徨う未熟なバットマンの姿を、ロバートが持ち前の演技力で危うく繊細に演じる。

 インタビューでパティンソンは「これまですばらしい俳優たちが演してきたバットマンとは違うバットマン像を新たに見つけていくプロセスは最高にエキサイティングだったよ。たくさんの準備をして撮影に挑んだけど、実際は撮影に入るまでどんなバットマンになっていくかは僕自身も分からなかった」と未踏のバットマンを作り上げていくことについての感想を語っている。

 これまでのバットマンムービーでは、完全無欠のハイテク技術を駆使したスーツやガジェットか数々登場したが、2年目を描いた本作では少し様子が違うようだ。「本作でのバット・スーツはディテールにとてもこだわっている。
それも機能というよりも“使用感”にね。とても実用的なスーツになっていて、毎晩着て戦っているのがわかるような弾痕が残っていたり、引っかき傷があちこちにあったり、全体的にボロボロな感じになっている。ブルースは兵士のように身を削っていることがスーツから見て取れるんだ」と、バットマンが他のヒーローたちとは違い、生身の人間であることを改めて認識させるような見せ方にこだわったことをパティンソンは明かしている。

マット・リーヴス監督「DC映画の中でもっともダークな領域に達している」

 メカホンを握ったマット・リーヴス監督は、バットマンを新たに作ることについて、「これまで数々の素晴らしいバットマンムービーが世に出されてきた。新しいものを作るのはとてもプレッシャーだったけど、僕がそれをやるとしたら何か重要なのかは分かっていたんだ。それは『なぜまたバットマンをやるのか?』という問いについて明確な答えを見つけることだ」と明言する。


 「バットマンがいかにトラウマを経験するかという感情に訴えるストーリーや、彼のオリジンについてのストーリーはすでに見ていると感じたから、自分達がまだ見たことのない『バッドマン初期の頃の不完全なキャラクター』を描くこと。そして彼の不安定な心理状態を覗いてみたいと思ったんだ。ブルースはまだどうやってバットマンとして活動していけばよいか分からない。そこからスタートして、彼の成長過程を描こうと考えた」と述べる。

 さらに、「大低の映画では完成したバットマンが描かれているから、彼がピンチに陥った時でも『バットマンは大丈夫だ、バットマンは困難を乗り越えて悪をやっつけるんだ』と思い込むけど、成長過程にある彼はまだ完全ではなく精神に揺らぎがあるから、どうなるか全く読めない。もしかしたら悪に負けてしまう可能性もある。
まだ見ぬ凶悪と対峙した時の彼を心理学的に扱ってみたいと思ったんだ。僕はキャラクターをとても真面目に扱いたかったから、本作はDC映画の中でもっともダークな領域に達していると思うよ」と製作意図を語っている。

 一方で、脚本の中にはちょっとしたユーモアも散りばめたと監督は明かしている。「バットマンはいつも真剣で皮肉も言わない。本気で言っているからこそ可笑しい瞬間がいくつかあって、そこからも彼が生身の人間であることが分かると思うよ(笑)」と意外な見どころがあることを匂わせている。なお、パティンソンは「バットマンのセリフのユーモアは、実際バットマンにユーモアのセンスがないところから出てきているんだと思う」と分析している。


 身体的にも精神的にも青臭く、ユーモアのセンスもまだまだ未熟…(?)。パーフェクトなヒーローではなく、等身大の魅力が売りの“人間味あふれる”新生バットマンの姿に期待したい。

 映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』は、3月11日より全国公開。