長らく続く民放キー局による“夜のニュース戦争”に2006年から参戦した新参者ながら、視聴率も安定し、その評価も高まっている日本テレビ系のニュース番組『NEWS ZERO』。この4月からも、NHKのスポーツニュースでミニスカ・美脚を披露し、人気を集めた山岸舞彩を加えた新体制で臨み、好調をキープしている。

 そんなリニューアルから1カ月、『NEWS ZERO』関係者の間では、山岸と同番組のプロデューサーA氏の話題で持ち切りだというのだ。

 A氏は、同番組の立ち上げ当初からプロデューサーを務めている人物。編成局勤務の経験もあり、局内表彰の常連で出世街道を歩んできた。妻子持ちで、湾岸エリアの高層マンションに住んでおり、一見、イケてるテレビマンだ。

 そんなA氏と山岸との関係はというと……プロデューサーと出演者にありがちな、男女の関係うんぬんというものではない。実は、A氏による山岸へのパワハラ、セクハラがひどく、山岸はそれに悩み苦しみ、ノイローゼ寸前まで陥っていたというのである。

 A氏による、山岸へのハラスメントの実態とは、どんなものなのか?

 日テレ関係者の話を総合すると、3月下旬に行われた新体制発表記者会見の日から、A氏の山岸に対する、異常なまでの“マンツーマン行動”が始まったという。

 山岸は番組出演日には、16時から始まる「キャスター打ち合わせ」「リハーサル」「本番」「反省会」という日課を繰り返していたが、その間、A氏は山岸にぴったりくっついて行動。ここまでなら、ほかのプロデューサーにも見受けられることだが、A氏の場合は、山岸のメイクルームや衣装チェックの楽屋まで入っていく始末だったという。

「なんでもかんでも手取り足取り。見ていて気持ち悪いですし、スタッフも全員ドン引きでした」(女性スタッフ)

「『また始まった……。今度のターゲットは舞彩さんか』みたいな感じですね。

毎回、新人女性キャスターが入ると、あんな感じです」(男性スタッフA)

 しかし、番組開始から2週間を過ぎたあたりから、A氏の行動に変化が表れた。

「A氏が、山岸とまったく会話をしなくなったんです。会議中も目を合わせようとしない。A氏が山岸を完全無視している状況です」(放送作家)

「あの男のやり方って有名じゃん? 自分になびかなかったら、今度はパワハラ。同じようなことをされた女性スタッフが、何人もノイローゼになって辞めていきました」(男性スタッフB)

 山岸に対するA氏の問題行動を取材していると、A氏の過去の行状を告発する発言が続出したのである。にわかには信じがたいが、これらの話が事実だとすると、A氏はとんだセクハラ・パワハラプロデューサーということになる。

しかも、その嫌がらせの手口には、共通点があるというのだ。

 まず、局員や制作会社問わず、アシスタントプロデューサー、ディレクター、AD、放送作家、ヘアメイクなど、新人女性スタッフが番組に加わると、手当たり次第にメールをするという。いつしか、A氏のその行動パターンが番組関係者内で有名になると、A氏から届いたメールを女性スタッフ同士で見せ合い、同じ文面や誘い文句であることを確認し合ってから、消去していたこともあったそうだ。

 そのメールの文面はこうだ。

「2人だけで打ち合わせしたほうがいい」「2人だけで反省会をやろう」「友達や同僚を連れてくると集中して会話ができないから、2人だけで会おう」などなど。女性スタッフの中には、A氏の職務上の立場を恐れ、この誘いを断りきれなかった人もいるという。

 山岸にもこの手の誘いメールが連日のように届き、彼女が「2人きりで会うのは事務所に禁止されている」と断ると、A氏は「事務所は、そういうふうに言うものだ」「これまでも、(『NEWS ZERO』番組キャスターの)桐谷美玲八木早希も僕と2人だけで反省会をやってきたから、キャスターとして成長したんだよ」。そして、「事務所の壁を乗り越えよう」と、誘いの手を緩めなかったというから驚きだ。

 山岸の起用理由について、A氏は3月の会見時に「山岸さんを起用したのはミニスカートではなく、どんな相手の懐に入り込めるという、内面的な魅力が理由」と語っていたが、この言葉を受けて、ある日テレ関係者は「結局は、自分の懐に入れて、ホテルで2人きりになって、ミニスカートをはかせたかっただけなのでは?」と皮肉る。

 しかし、番組リニューアルから2週間後、A氏は誘いに乗らない山岸への態度を一変させ、誰が見ても明らかな完全無視を始めたのだ。

 過去、こうしたアプローチを断った女性に対してA氏は、処理しきれない量の仕事を押し付けたり、人前で大声で怒鳴ったり、挙げ句の果てには完全無視などというパワハラを行ってきたという。

「被害者女性たちは、たまったもんじゃないですよ。

悩んだ挙げ句、ノイローゼになって転職していった人もいます」(前出の放送作家)

「(小林)麻央ちゃんは、賢いからうまくかわしていたけど……」(前出の女性スタッフ)

 日テレ局内、各セクションの関係者に聞いただけでも「A氏によってクビになった女性作家の話」「ノイローゼで田舎に帰った女性スタッフの話」「現在も彼のパワハラ・セクハラに苦しんでいる女性スタッフがいるという話」などが出てきた。だが、プロデューサーというA氏の立場を恐れ、表立って非難はできなかったという。

 公共の電波を預かった報道現場に身を置く責任者が、パワハラ・セクハラという不法行為を繰り返しているというのは、本当なのだろうか? また、日テレ上層部の一部は、A氏の問題行動を知っていながら、なんら措置を講じていないという指摘もある。

 これらをただすべく、日テレに取材を申し込んだが、依頼から1週間以上たっても無回答の状態で「事実ではない」という言葉は聞かれなかった。ところが、当サイトからの取材依頼の存在を知ったA氏の態度は急変したという。

「山岸と会話を交わすようになったんです。

あまりの露骨さに、苦笑いしてしまいました」(前出の女性スタッフ)

 A氏が心を入れ替えてくれれば何よりだが、過去の過ちが消えることはない。管理責任がある日テレともども、問題点を洗い出し、適切な措置を講じてもらいたいものだ。
(文=編集部)