参院選東京選挙区から出馬している俳優の山本太郎氏が「極左過激派」と目される中核派(革命的共産主義者同盟全国委員会)から支援を受けているとして、一部メディアに報じられている。
2013年7月8日発売の週刊の機関紙「前進」紙上では、「原発再稼働とTPP、大失業攻撃と改憲に突き進む日帝・安倍への怒りを込めて、東京選挙区から立候補した山本太郎さんの必勝へ総力決起しよう」という記事が掲載。
ところが、事情をよく知る人々の間では「なにを今さら……」という反応ばかりだ。
「前進」のバックナンバーを見れば一目瞭然だが、山本氏が昨年12月の衆院選に立候補した際も「前進」紙上では支援を表明。2013年1月1日発売号では「都革新とNAZENは12月16日投開票の衆院選で、東京8区(杉並区)で立候補した山本太郎さんの選挙戦をともに闘った」と、傘下の組織を通じて支援したことを、まったく隠していない。これまで本サイトで取材してきた学生運動で中核派と行動をともにしている法政大学文化連盟のTwitterは、選挙初日あたりから、半ば山本太郎広報アカウントに変貌し、一日中、山本氏の演説の場所や様子を伝えている。
そうした中で7月15日には、秋葉原で街頭演説中に、名物候補者として知られている又吉イエス氏と遭遇し
又吉 「山本太郎! 腹を切れ!!」
山本太郎 「腹を切る前にやることがある。敵を間違えるな」
と、やり合うなどカオスな雰囲気が、どんどんと激しくなっている。
山本氏の立候補する東京選挙区の定数は5人。
「ただでさえ先行きが危ぶまれていた民主党が、直前に候補者のひとりの大河原雅子氏の公認を取り消したことで、さらに票を減らしています。また、社民党の支持層の票も、山本氏に流れ込んでいるといいます」(ある政治記者)
山本氏は、既存政党に失望した左派リベラルの受け皿として機能しており、想定外の票を集めるのではないかと見られているのだ。現状では、最下位の5位で当選するのが、山本氏か共産党から立候補している吉良よし子氏のどちらかになりそうな情勢である。
なお、児童ポルノ法改定問題については
「児ポ法単体での発言は聞いてませんが、表現規制に関しては明確に反対しています」(法政大学文化連盟・談)
とのことである。
(取材・文=昼間たかし)