帰ってきた鄭大世(チョン・テセ)が言いたい放題だ。
チョン・テセは日本で生まれ、日本で育ち、父は韓国人、母は北朝鮮人の北朝鮮代表FW。
「韓国にいた去年から、Jリーグの審判によるファウルの判断基準について批判をしていました。清水に入団してからも『ほんとすぐ(ファウル)取るね』『審判がゲームの流れを変えてしまっている』と発言したり、初出場した古巣・川崎戦後には『役割がハッキリしていないから、どうすればいいかわからない』と、監督批判とも取れるような発言をしています」(スポーツライター)
そもそもチョン・テセは嘘がつけない性格で、韓国の水原三星在籍中には「金正日を尊敬している」と発言し、国家保安法違反の疑いで問題になっている。
「日本からヨーロッパに渡ったプレーヤーは、主に足元の技術について語ることが多いのですが、“身体の強さ”“ボールに向かっていく気持ちの強さ”について、日本人の弱さをチョン・テセは感じたんだと思います。そしてそれを改善するためにも、審判が簡単に笛を吹く日本のファウルの基準が世界基準ではないと判断し、批判を繰り返しているんです。日本のファンもそれをわかっているので『あの程度でファウルとってたら成長しない!』『チョン・テセ! 日本を世界基準にしてくれ!』という声も上がっています」(同ライター)
代表こそ北朝鮮を選んだものの、チョン・テセの日本を思う気持ちは非常に強い。徹底的に批判するその姿勢も、日本への愛情の裏返し。
(文=沢野奈津夫)