1990年代に日本で流行し、社会問題にまで発展したブルセラ。JKを中心とした若い女性たちが自分の使用済み下着を売って小遣い稼ぎをしていたわけだが、それから20年以上の歳月を経た最近になって、このブルセラ文化が中国に伝播していることがわかった。



 今年初めにも、日本の女子中高生用の使用済み制服が中国のネット上で販売されているという「ブルセラも爆買い!? 日本のJK・JCの“使用済み”制服が中国でひそかな人気」をお伝えしたが、実は最近では、制服だけではなく、使用済みの下着まで売られていたのだ。

 このような使用済み下着のことを、中国語では「原味内衣」(原味は“本来の味”、内衣は下着の意味)というようで、中国メディアの記者が中国の人気SNSのひとつである「QQ」内で「原味」というキーワードを検索すると、数百もの売買グループがヒットし、中にはメンバーが2,000人に達するチャットグループもあったという。

 その中で、自分の使用済み下着を販売している女性に値段を問い合わせたところ、パンツが80元(約1,300円)、ブラジャーが120元(約2,000円)、ストッキングが60~80元(約1,000~1,300円)で、どれも自分が少なくとも2日以上、身に着けたものだと答えたという。

 さらには、これらの下着を売っている女性たちは、裸のビデオチャットという追加サービスも行っており、料金は最低でも500元(約8,300円)なのだという。

 この件を伝える新聞報道では、女性医師による「使用済み下着には病原菌が付着している可能性が高く、伝染病にかかる恐れがある。それらを購入した場合は、厳重に殺菌消毒してから身に着けるべき。
そもそも、使用済み下着を購入する人は精神的な病気にかかっているといえるので、治療が必要だ」という警告を掲載。しかし、マニアにとっては無粋というものだろう。

 日本でブルセラが流行した90年代当時はまだインターネットがそれほど普及しておらず、使用済み下着の売買はもっぱらブルセラショップに限られていた。しかし、インターネットが発展し、ネット上での金銭のやりとりも容易になった現在、中国では若い女性たちがお小遣い稼ぎとして個人で参入しやすい商売となっている。

 しかし、ニセモノが当たり前の文化である中国で、その使用済み下着が本当に若い女性がはいた本物なのかは、知る由もない。
(文=佐久間賢三)